最初に若狭めのう細工の伝統工芸士・高鳥先生からめのう細工作りの工程等について、簡単な説明を受けました。
「小切り」から始まり、「仕上げ磨き」までいくつもの段階を経て、長時間かけて作品に仕上げます。本格体験なので、ドキドキ!
現在使用しているめのうの原石は、地下鉱物が豊富なブラジルのものが主体だそうです。
原石の主成分は石英で、一見ふつうの石に見えますが、割ると半透明の模様が入っています。
まず、焼入れで美しく発色しためのう板から好みのものを選び、それに自分の作りたいものを書きます。
私は古代からある勾玉(まがたま)のペンダントを作ることに決めました。
マジックでめのう板に模様を描く時に、めのうの持つ縞模様や色のグラデーションをうまく取り入れると良いです。
ダイヤモンドの刃がついた「ダイヤモンドカッター」という機械で、めのう板の不要な部分を切断するという本格体験ならではの作業です。
手の位置を固定して、指に力を入れて強く押さえていると徐々に切れていきます。
うまく切れない箇所でも先生なら難なく切っていく様子は、見事です!
次にグラインダーという機械で、カットした切り口の表面を削っていきます。
削る時には騒音やほこりがでて、火花も飛び散るので、慎重さを要する作業です。
グラインダーは思ったよりも重くて、しばらく削っていると手が痺れてきます。
エプロンにマスク、頭巾を着用し、汚れてもいい服装がベストです。
片手で金剛砂(カーボランダム)をめのうにかけて、めのうを強く平面板に押さえながら削っていきます。
平面板の回転とともに金剛砂がビュンビュンと飛び散り、瞬く間に手が黒くなり、みんな腕まくり。
目で見て削るのと違い、勘に頼って削るので、削り具合を何度も確認しながら作業します。
無心で磨いていると、知らないうちに指の爪まで削れたりして・・・。
でも、長時間かけて、だんだん勾玉らしい形になってくるとうれしくなります。
細工台は、へこんだ部分や鶏・馬などの細かい細工の時に使用します。
力を入れるとでこぼこになるので、なでるように使うそうです。
先生の作業を見ていると、とても丁寧で「めのう」への愛着を強く感じました。
穴を開ける場所にマジックで印をつけ、左手で機械の針にめのうをあて、右手で金剛砂をかけながら、
約10分ほどかけて穴を開けます。
先生が左中指を穴の部分におき、「穴の開き具合で徐々に熱くなるから、穴が開く瞬間が分かりますよ」と言って、
見本をみせてくださいました。
荒いサンドペーパーで、ひたすらめのうを磨きます。ずっと磨いていると、めのうが光ってきます。
さらに細かいサンドペーパーで磨くと透明感のある輝きがでてきます。
自分では力を込めて磨いてるつもりでも、先生が磨くと、ぐーんと輝きが増すから不思議!
この平面板は仕上げ磨き用で、桐の台に青粉(酸化クローム)を使用します。とにかく、ひたすら研磨作業を続けていきます。
参加者のみなさんも完成を目指して、丹念に磨き上げていました。
めのうの磨いた状態が不十分だと、ひとつ前の工程に戻り、さらに磨き直すことになるので、
丁寧にひとつずつ工程をこなしていくことが大切です。
私の場合は、終了時間までに仕上がらず、結局、最後の仕上げを先生にお願いして、後日送っていただくことになりました。
ひたすら磨いていたのに、まだまだ磨きが足りないとは・・・涙!
指折り数えて待った、勾玉ペンダントが届きました。思わず、歓声!先生の丁寧な仕上げで、透明に光輝いてる勾玉。
早速、セーターに着けて、みんなに自慢!
勾玉ペンダントは、私の宝物になりました。
高鳥先生には、本当に親切にご指導していただきました。とてもきさくで、優しい先生なので、つい頼ってばかりでしたが。
今回初めて本格的な体験教室に参加して、若狭めのうの製作工程を知り、気が遠くなる思いでした。
小さな勾玉を作るのにも大変なのに、凝った細工を作ることを考えたら・・・。
若狭めのう細工は、ひたすら研磨作業を続ける根気と熟練の技がなければできないことで、改めて伝統工芸の奥深さを感じました。
私は平面板でひたすらめのうを磨きながら、「人生においても自分を磨いて、めのうのように光らねば・・・」という悟りの境地になりました。
参加者の方は、もの作り大好きな人や若狭めのうに興味がある人などさまざまでしたが、楽しい時間を共有できました。
素敵なキーホルダーや光沢あるハートのペンダントなどを仕上げて、とても満足そうでした。
自分だけのめのう細工を作るのに、大変な作業をこなしたからこそ得られる喜びだと思います。
世界にひとつだけのめのう細工を作りたい方、若狭めのうに関心を持った方は、ぜひ一度、御食国若狭おばま食文化館へアクセスしてください。
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