【美食福井】福井県の「そば」は日本一の在来種の宝庫・香福の極み 越前蕎麦

【美食福井】福井県の「そば」は日本一の在来種の宝庫・香福の極み 越前蕎麦

福井県のそばは、インターネットアンケート「そばが美味しい都道府県」・そば鑑定士が選ぶ「おいしいそば産地大賞」で1位に輝きました。

福井県のそばが美味しい理由は、豊富な在来種と、石臼を利用する製粉方法、そして美しい自然が生み出した美味しい水にあります。


【収穫時期】夏そば:6~7月(キタワセソバ)、秋そば:10~11月(在来種)

【産地】県内全域

【動画】「そば」の美味しい魅力を凝縮

味や風味に優れた「在来種の宝庫」・「香福の極み 越前蕎麦」

福井県の「そば」の美味しさの原点は、「在来種」にあります。在来種とは、昔から特定の地域に伝わり、栽培され続けてきたそばのことです。

一般的なそばの実は、大粒に品種改良されたものですが、福井県内で栽培されているそばは、古くから地域に根付いてきた在来種です。


県内の在来種は小粒ながら味が濃く、香りに優れていることが特徴であり、「香福(こうふく)の極み 越前蕎麦」のキャッチフレーズでブランド化を行っています。

また、同じ県内であっても山間や平地、土質、日照条件などにより、見た目や味、特性が変わります。

他県でも在来種は栽培されていますが、全県域という大規模で栽培されているのは福井県だけ。

福井県は、まさに「在来種そば王国」なのです。

石臼によって引き出される濃い味と香り

福井県の特徴である在来種のそばの実の味と香りを引き出すために、県内の全ての製粉所が石臼によりそばを製粉しています。

熱はそばの風味を飛ばしてしまうため、効率的な機械挽きではなく、石臼でゆっくりとそばの実を挽き、サラサラとして味と香りの濃いそば粉を生み出しています。

また、福井県における一般的なそばは、少し黒っぽいのが特徴です。その理由は、甘皮全てを挽く「挽きぐるみ」という挽き方だからです。甘皮全てを挽くことで香りの高いそば粉になるのです。

美味しいそばを生み出す、清らかな名水

福井県の蕎麦の質の良さを語る上で欠かせないのが、気候と水。

日本海側のほぼ中央に位置する福井県は、四季がはっきりとした気候で昼夜の気温差が大きいため、香り高く風味豊かな蕎麦が育つのに適した環境です。

また、「蕎麦は水を食わす」という言葉があるように、水の良し悪しは蕎麦の味を左右します。福井県の冬は多くの雪が降り、雪がもたらす清らかな水に恵まれた土地でもあることが、美味しいそばを作り出す由来になっています。

全国的に有名な「越前おろしそば」

釜で茹でた後に水でしめたそばに冷たいつゆをかけ、大根おろしにカツオ節・ねぎなどをのせて食べる「越前おろしそば」。大根おろしは、ピリッと辛い越前辛味大根を使うことで、そばの味や風味を高めてくれます。

越前そばが全国的に有名になったのは、1947年(昭和22年)に昭和天皇が福井に訪れた際に、おろしそばを召し上がって仰った「越前のそばは大変おいしかった」というお言葉に由来しています。

県民食と言って良い福井のそば文化

福井県民の年越しそばは「おろしそば」で、冬でも冷たいそばを食べるのが一般的です。結婚式やお祝いの場にもそばが出てくるほど、そばを愛する県民性があります。

また、福井県の啓新高校や坂井高校、丸岡高校などには部活動として「そば打ち」を行う部が存在し、「第13回高校生そば打ち選手権大会」では啓新高校が県勢初の全国制覇、丸岡高校が5位入賞を成し遂げました。

Column

【おいしい豆知識】

おろしそばの誕生秘話


福井県におけるそばの歴史は、1471年(文明3年)、戦国大名の朝倉孝景が一乗谷に築城、短期間(約75日)で収穫できるそばを合戦の合間に栽培し、籠城用の食糧にしたことが始まりと言われています。(当時は「そばがき」のような形で食されていたそうです。)


江戸時代には、越前府中(今の越前市)を治めた本田富正が、飢餓にそなえた救荒作物としてそばの栽培を推奨しました。

栽培を推奨する中で、その食べ方を医師に相談して発案されたのが、大根おろしの汁でそばを食べる方法。ここに「おろしそば」が誕生しました。

【おいしい豆知識】

福井県産「そば」を食べられるお店の紹介

【美食福井とは】

福井県には、豊かな自然と生産者のこだわりが育む美味があふれています。

「美食福井」とは、それら海、山、里のプレミアムな食材24品目の魅力を余すところなく紹介する特設サイトです。