テーマ別ナビ

恋歌コース 一覧へ戻る 戻る 次へ

気比浦(敦賀市)
   
けひの浦に寄する白波しくしくに
妹が姿は思ほゆるかも
柿本人麻呂


海の穏やかさが寂しい心にしみわたる。

 現在でも観光名所としてその名を全国に知られている気比の松原。その景観は穏やかな日本海と東西1・5kmも続く砂浜で、昔から親しまれている場所だ。「気比の浜辺にひたひたと寄せる白波を見ていると、恋人の面 影が浮かんでくるようだ」と、柿本人麻呂がこんな風に歌うのも、海の様子が穏やかな証拠。確かに冬の日本海は荒く激しいが、春や秋は静かで、気持ちまで落ち着いてくる。だからだろうか、一人ただずむ人麻呂の心の中に恋人が浮かんできてしまったのは……。
 もし人麻呂が恋人と共に気比の海を見ていたら、どんな感じだったのだろう。多分、気比の穏やかさと同じように、二人でいるというだけで満足だったのではないだろうか。


人物紹介
柿本人麻呂 (生没年不詳)
天武・持統・文武の三代の天皇に仕えた歌人。作品も宮廷を背景にしたものが多く、各天皇、皇子、皇女たちが形成する後宮社会において、詩歌や文章に深く携わっていたと考えられる。中でも天武・持統天皇に関わるものが多い。また36歌仙でもあり『万葉集』には84首を残している。さらにその後活躍する山部赤人や笠金村らの歌にも彼の影響がみられる。『柿本麻臣人麻呂歌集』がある。

名所を巡る

東西1.5kmも続く気比の砂浜と約1万7000本もの松林。そして穏やかな日本海。そのすべてが観光名所としての名を高め、四季を通して来訪者も多い。(敦賀市松島町)

気比の松原石碑
観光名所にふさわしく、石碑も建てられている。常に人々の憩いの場として賑わっている。(敦賀市松島町)