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名子の浜(敦賀市)
   
稲も干し且つ海老も干し
名子の浜 
高浜虚子


ほのぼのとした田舎の風景が残る名子の浜。

 海水浴とヨットハーバーの利用客が多い名子の浜。シーズンオフともなると、静かな海と砂浜が、心身をリフレッシュさせ落ち着かせてくれる。
 「稲が干され、さらに海老が干してある名子の浜。農業と漁業が盛んな豊かな土地なのだなぁ」と、名子で詠んだ高浜虚子。稲が干されているからにはおそらく秋頃だったのだろう。時が静かにゆっくり流れる田舎の海の町にたたずみ、仕事をほんのひと時忘れた虚子は、一瞬、子供の頃を思い出していたのかもしれない。というのも、幼少の頃に過ごした愛媛の田舎の自然が、彼にとっての原風景になっているといわれているからだ。
 目の前に日本海、背後に山が迫り、その間で人々が自然と共に暮らしている。厳しくもあり優しく温かくもある本当の自然の姿を知る虚子にとって、この名子の浜は自分の田舎を思わせる、懐かしい場所として映ったのだろう。


人物紹介
高浜虚子 (一八七四〜一九五九)
本名高浜清。和歌を愛した両親の影響から、自然に文学に親しむ。明治24年(1891)に正岡子規と文通。彼より虚子の号を得、交流を深める。明治25年に小説家を目指し上京、31年に『ホトトギス』の発行人となり、夏目漱石の小説を掲載。その後『ホトトギス』を俳句誌とする。自然界の現象を重視した”花鳥諷詠“を句の基本とし、多くの俳人を指導。昭和29年(1954)には文化勲章を受章。

名所を巡る

敦賀市街地から20分のドライブで名子の浜に着く。その近くには、弁天岩や星野立子が詠んだ猫崎も眺めることができる。(敦賀市名子)

ヨットハーバー
海水浴客はもちろん、ヨット愛好者にも人気の浜。数多くのヨットが停泊している。(敦賀市名子)