越前宇坂から始まった小次郎の人生。
佐々木小次郎といえば、宮本武蔵との厳流島での戦いが有名だが、その生い立ちの詳細は不明とされている。同書の著者である村上氏は、小次郎の生まれを孤児とし、その青春時代の舞台にフィクションとして、福井市(旧美山町)の宇坂と福井市の一乗谷を選んだ。そこで小次郎は、武道に燃えながらも、恋愛をしたり、自分を認められたいと悩んだり、人間味溢れた姿で登場している。
彼は宇坂を修業のために離れ、福井へと入る。そのフィクションは大きな話題を呼び、つばめ返しの岩などを生み出している。その後、様々な紆余曲折を経ながら自分というものを見つけていく佐々木小次郎。福井を離れた後も回想シーンで取り上げられており、小次郎の心のふるさととして一役買っている。
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佐々木小次郎
(講談社・1995年発行)
佐々木小次郎の一生を描いた作品。戦後初めての新聞連載の時代小説として、大きな人気を呼んだ。小次郎が福井で過ごし、剣の修業を積みながら宮本武蔵との厳流島での戦いに至るまでを描く。風貌も、考え方も宮本武蔵とは全く対象的に描かれており、それが読者を一層惹きつける。
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村上元三
(むらかみ・げんぞう)
明治43年(1910)朝鮮元山府生まれ。幼少の頃より同人雑誌を創るなどしていたが、一時文学とは無縁の生活を送る。昭和9年、サンデー毎日大衆文芸に応募した作品が選外佳作となり、作家を志す。昭和16年、『上総風土記』によって第12回直木賞を受賞。以後数多くの作品を世に送り、時代小説家という新しい分野を確立した草分け的存在である。
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師匠であり、親でもある冨田勢源と暮らしたという宇坂。
(福井市宇坂大谷町) |

つばめ返しの岩
小次郎がつばめ返しを編み出したといわれている岩。一乗滝のそばにある。(福井市浄教寺町)
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一乗滝
一乗滝の下流には、小次郎が恋人である兎弥との逢い引きの場所とされていた岩もある。(福井市浄教寺町)
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一乗城山
最後の回想シーンで小次郎が思い出したのは美しい一乗城山。(福井市) |
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