愛する人と過ごす、憧れの田舎の生活。 妻子ある男性と恋に落ち、敦賀市沓の民宿で夏を過ごすことになった眉子。大阪の都会育ちの彼女にとって、海と民宿だけの”田舎の生活“は憧れであり、愛する人と過ごす時間は貴重なもの。 クーラーがなくても「こんな原始的な風景がいい」と喜ぶ。多方面 で季節感がないといわれる昨今だが、山海に恵まれた福井でなら、贅沢すぎるほどに四季を満喫できる。 |  愛の幻滅 (文藝春秋・1981年発行) 眉子は妻子ある男性との恋愛を楽しむ28歳のOL。しかし敦賀での夏休暇を機に、心の中に何か違和感を覚えるようになる…。関西弁での会話が軽快で小気味良い。 |  田辺聖子 (たなべ・せいこ) 昭和3年(1928)大阪府生まれ。昭和39年に『感傷旅行(センチメンタル・ジャーニィ)』で芥川賞、昭和62年『花衣ぬ ぐやまつわる……』で女流文学賞、平成5年『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞など、数多くの文学賞を受賞。平成7年には紫綬褒章も受ける。また数々の小説、エッセイの他に古典関係の著書も多く、現代語訳『新源氏物語』が好評。 | |   沓海水浴場 敦賀半島に位置する沓地区。穴場的な海水浴場で、夏の長期休暇を民宿で過ごす人も少なくない。もちろん民宿のすぐ前は敦賀湾だ。(敦賀市沓) |  手ノ浦 眉子らが沓滞在中に出掛けた隣の地区、手ノ浦海水浴場。沓に比べ遠浅で、多くの家族連れで賑わう。 (敦賀市手町の浦) |  常宮神社 気比神宮の奥宮といわれ、海上安全と安産の神様として有名。地元では「お産のじょうぐうさん」と親しまれている。沓はこの神社からすぐ。(敦賀市常営) | | | |