遊びや恋愛、音楽に彩られた懐かしき青春時代。
戦災と震災。2度の打撃を被った昭和29年頃の福井市で、青春を謳歌する高校3年生の3人組。復興しつつある福井で、その勢いに負けないくらい元気に生きていたのが彼らだ。市内を走る路面
電車や足羽山、足羽川を舞台に、勉強よりも”元気に逞しく生きる“ことが重要視されていた時代。そこには確かに人間同士の温もりがあり、町全体に活気があった。文面
からはその強さが感じられる。 |

俺たちの行進曲
(文藝春秋・1981年発行)
昭和29年、越前高校3年生の3人組は、音楽部に在籍。後輩の面
倒を見ながらも、自らの遊びや恋愛に熱中する日々を送っていた。福井弁の会話が物語を更に面
白くしている。 |

有明 夏夫
(ありあけ・なつお)
昭和11年(1936)大阪府生まれ。昭和47年『FL無宿のテーマ』で小説現代新人賞、昭和54年には明治期の大阪を舞台にした連作捕物帳『大浪花諸人往来』で第80回直木賞を受賞した。福井を舞台にした作品は本書の他に、若き蘭学者の生涯を描いた本格歴史小説『幕末早春賦』がある。その他に『東海道星取表』『マティーニの妖術』『誇るべき物語』などがある。 |
|


路面電車と裁判所
今や全国でも珍しくなった路面電車(福井鉄道・福武線)。始発の武生を出発して、福井市のシンボルともいえるフェニックス通
りを走り、裁判所前を過ぎ、終点は田原町駅。 (福井市春山) |

足羽山からの展望
物語中、初のテレビ受信に成功したのが足羽山博物館屋上。現在でも足羽山からは福井市はもちろん、日野川、足羽川、九頭竜川、三国港まで見渡せる。(福井市足羽上町) |

足羽川堤防
九十九橋〜桜橋
春の足羽川堤防沿いは、桜並木で美しく彩られる。物語の中では桜橋から九十九橋への右岸は“アベック専用”となっている。(福井市つくも) |
| |
|
|