若狭歴史博物館では若狭地域の仏像を広く紹介するため、定期的に仏像の展示替えを行っています。今回は、多田寺(小浜市多田)に伝来した木造阿弥陀如来坐像(福井県指定文化財)を期間限定で公開します。
多田寺には、現在3躯の阿弥陀如来坐像が安置されていますが、本像はそのうちの1躯です。衣を偏袒右肩にまとい、来迎印(右腕を曲げて胸前で掌を正面に向け、左腕は脚の上において掌を上に向け、ともに第1指と第2指を捻じる)を結び、右脚を上にして結跏趺坐する姿をしています。頭頂の肉髻は高く、目じりはあがり、頬や身体は引き締まっていることから、平安時代後期から鎌倉時代前半(12世紀頃)の製作と考えられます。ヒノキの一木割矧造で、内刳りが施されており、古風な造りの仏像です。
※会期中の休館日:3月22日(月)・4月12日(月)