とあるお寺のほとけさま─秘仏観音と伝来の古仏─
小浜市内のとある村落の小さな寺院に、ひっそり伝わったほとけを紹介します。33年に一度ご開帳される本尊観音菩薩立像は壇像風の仏像で、多田寺の三尊に通じる裳の浅い彫られた衣紋と、天衣の鋭い彫り口の衣紋の対比は、本像の見どころのひとつでしょう。すがりたくなるような華麗なおすがたは一見に値します。この他平安時代にさかのぼると考えられる8躯のほとけは、いずれも破損仏ながら一木造によりその量感をよく留めており、かつての美しいすがたを彷彿とさせます。いずれのほとけも当館初公開です。この機会にぜひご覧頂きたいと思います。