江戸時代から続く餅屋の力が生きた苺大福

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江戸時代から続く餅屋の力が生きた苺大福

福井は、日本有数の餅食文化が江戸時代から根付いている県である。
江戸中期以降、北国街道沿いには餅屋が軒を連ね、大福やぼた餅が広く普及した。
元々、古代の稲作時代からもち米の生産地であったうえに、信心深い風土がその基盤となったといわれる。

そうした風土の中で、静岡から伝わったあべかわ餅も独自の進化を遂げ、大正時代には「羽二重餅」という銘菓も誕生した。
あべかわ餅や羽二重餅だけでなく、福井にはさまざまな餅菓子屋が存在する。

ここ国府にも、長年続く餅菓子屋があった。

「四季の餅 あめこ」は1782年創業、現在13代目を数える、244年続く老舗の餅店である。
1782年といえば天明2年、天明の大飢饉の前で、世の中はまだ潤いのある時代だった。

店頭には、あべかわ餅、豆大福、宇治抹茶アーモンド大福、よもぎ大福、パンプキン大福、もち米を使った赤飯など、さまざまな餅菓子が並ぶ。

中でも圧倒的人気は「苺大福」だという。

さっそく「苺大福」を購入し、いただいた。

手に持つと、赤ちゃんのほっぺのように滑らかで、思わず頬ずりしたくなるほどだ。
口に運べば、餅は薄いながらも伸びやかで、餅そのものの甘みがしっかりと感じられる。
あんこは黒あんではなく白あんで、その優しい甘さがいちごの風味をいっそう引き立てている。
大きないちごがあんこの甘さと抱き合い、新鮮な酸味と甘みが口いっぱいに広がる。
あんこの量も絶妙で、甘みと酸味のバランスが素晴らしい。
いちごのみずみずしさ、たくましい餅の存在感、穏やかな白あんの甘みが三位一体となった美しい味わいである。

苺大福の主役は、あんこでもいちごでもなく、餅なのだということを学ばせてくれる味でもあった。


「あべかわ餅」 もいただいた。
きな粉がまぶされ、黒蜜を後がけするスタイルのあべかわ餅である。

まんまるの餅は根性のある伸びを見せる。
毎朝つきたての餅を使うというが、その魅力が存分に詰まった一品だった。

午後1時に伺ったが、ほとんどの商品が売り切れていた。
このおいしい餅菓子を確実に求めるなら、午前中の来店がおすすめである。

江戸時代から続く餅屋の力が生きた苺大福
マッキー牧元
(株)味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。年間700軒ほど国内外を問わず外食し、雑誌、テレビ、ラジオなどで食情報を発信。そのほか虎ノ門横丁プロデュース、食文化講師など実施。日本ガストロノミー協会副会長、日本食文化会議理事。最新刊は「どんな肉でもうまくする。サカエヤ新保吉伸の真実」世界文化社刊。
7年前に小浜地区の仕事を通じて福井の食材の豊かさに惚れこみ、今回の福井各地の美味しいを探す旅のきっかけとなった。

お店の場所はこちら

四季の餅あめこ

〒915-0076

福井県越前市国府1丁目6-5

TEL: 0778-22-1272 

https://amekomochi.com/



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