道の駅であらためて痛感する、名米どころが産んだ料理の底力
まちの駅 こってコテいけだ
また随分と下手な名前をつけたもんだ。
池田町のまちの駅、「こってコテいけだ」である。
地元の特産品の販売と食堂を併設した交流施設、つまり道の駅なのだが、入り口に気になる貼り紙があった。
「あのパンあります」
なんだ? あのパンとは。「あのパン」は固有名詞なのか、それともテレビなどで話題になっているのか?
早速購入すると、それは米粉のクロワッサン、「米ワッサン」 であった。


見た目は小麦粉のそれと変わらない。だが、ちぎろうとすると伸びる、伸びる。池田町のもち米で作った餅のような根性を見せる。
食べれば外皮はカリカリとして甘く、中はもっちりとしながらしなやかである。これは誰もが笑顔になるクロワッサンだろう。フランス人に食べさせて、どんな反応をするか見てみたいと思った。
次にレストラン「村の食堂」で昼定食を食べた。
メインは、優しい甘みが心を和ませるかぼちゃと人参のコロッケ。そこにたぬきワカメうどんとお新香、ふろふき大根と里芋がついた定食である。


黒いお新香は大根の醤油漬けだろうか?

「これは おこもじ です」。
そう地元の方に教わった。
「おこもじ」とは漬物を指す池田町の方言で、天日干しした地元の野菜を酒粕と塩で漬けたものだという。食べればボリボリ、シャキシャキとして、ほんのりとした酒粕の甘い香りがよい。これでおいしい池田町のご飯をもりもり食べたい。
さらに池田町の食事を深掘りしたく、店内の惣菜売り場から数点購入し、食堂に持ち込んだ。



里芋のころ煮、おから、五目煮、ポテトサラダなどである。食べていると、親戚のおばあちゃんの家でご馳走されているような、温かい気分になる。
特に気に入ったのが里芋のころにであった。もっちり、ねっちりとした池田町の里芋をさっと煮たものだという。
味付けも淡く、里芋の良さが素直に伝わる味であった。
さらには欲張ってカレーも食べ、小豆ときな粉のぼた餅も食べた。


庶民的なカレーも良ければ、半殺しにした餅米もまたうまい。
やはり、優れた米どころにはおいしいおかずもあるのだな。

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(株)味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。年間700軒ほど国内外を問わず外食し、雑誌、テレビ、ラジオなどで食情報を発信。そのほか虎ノ門横丁プロデュース、食文化講師など実施。日本ガストロノミー協会副会長、日本食文化会議理事。最新刊は「どんな肉でもうまくする。サカエヤ新保吉伸の真実」世界文化社刊。
7年前に小浜地区の仕事を通じて福井の食材の豊かさに惚れこみ、今回の福井各地の美味しいを探す旅のきっかけとなった。