精緻にして穏やか、斬新にして滋味深い。福井の大地と海にしっかりと足をつけた料理の凄みを味わう

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2024年3月21日、大阪「き川有尾」などで修行された小幡恭介氏が開店。
古き良き風情が残る浜町に、カウンターと個室からなる立派な割烹を構えられた。

十月にいただいたコースは、
まず 梅香茶 から始まった。紅映梅のエキスを湧水で仕立てたお茶である。

続く一皿目は 「朝どれ小蕪、蕎麦の実味噌」
ひと口で心が洗われる。小蕪の慈愛に満ちた味わいが広がり、少し粗野な蕎麦の実と華奢な小蕪との組み合わせが実に良い。

奥井海生堂の蔵囲い昆布と本枯節による出汁を猪口で。

「角麩、胡瓜、赤バイ貝、柿、椎茸甘露煮の地辛子酢味噌和え」
 甘みの奥から辛味がすっと立ち上がる。各食材の風味も見事に調和している。

一日いけこしした 「敦賀の鯛、山ウニポン酢添え」
むちっとした歯触りから、気品ある甘みが流れ出す。きわめて上質な鯛であろう。

「紅ズワイしんじょう、黄柚子」
帆立と浮き粉で繋いだしんじょうは、ふわりと崩れて、次第に汁のうまみを深めていく。

「軽く炙ったサワラとアオリイカ」
昆布醤油千切り、茗荷、昆布醤油、ネギ塩麹、生姜。
炙って締まったサワラの甘みが素晴らしい。

「天ぷら」甘エビ、大野すくもかぼちゃ、あわら蓮根、甘鯛
甘エビの天ぷらは珍しい。
小ぶりのものを寄せ、殻ごと揚げた甘エビの香ばしさと独特の食感に思わず惚れてしまう。
南瓜はとろりとして繊維が緻密、蓮根も力強い。甘鯛の色気ある旨みも心地よい。

「干し蕨のひろうす、福井の春菊、越前春菊」
ひろうすは穏やかな豆の甘みを滴らせ、手間暇かけて戻し炊いた干し蕨には、生の蕨にはない“しぶいうまみ”が潜む。取り合わせも自然。

「白ごはん」
お供は、胡瓜、山芋おしんこ、奥井海生堂のおぼろ昆布の佃煮、
「おあえ」(大根の間引き菜・唐辛子の葉・麹味噌・青大豆きなこを合わせた郷土料理)。

味噌汁はナメコとうち豆。
鯛のゴマだれ和え、メギスの塩煮(塩水でやさしく炊いたもの)。

いずれも、毎日食べても飽きない温かさと力強さがある。

続いて、炒り米のアクセントが心地よい 鯛と梅のお茶漬け をいただく。
これもまたセンスが光る。

葛焼き 新生姜と胡桃。

若干32歳の小幡さんの、誠実な滋味がひたひたと打ち寄せる料理をいただくことができた。


精緻にして穏やか、斬新にして滋味深い。福井の大地と海にしっかりと足をつけた料理の凄みを味わう
マッキー牧元
(株)味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。年間700軒ほど国内外を問わず外食し、雑誌、テレビ、ラジオなどで食情報を発信。そのほか虎ノ門横丁プロデュース、食文化講師など実施。日本ガストロノミー協会副会長、日本食文化会議理事。最新刊は「どんな肉でもうまくする。サカエヤ新保吉伸の真実」世界文化社刊。
7年前に小浜地区の仕事を通じて福井の食材の豊かさに惚れこみ、今回の福井各地の美味しいを探す旅のきっかけとなった。

お店の場所はこちら

日本料理 越前がに 浜町 緒ばた 

〒910-0006 

福井県福井市中央3丁目13−16

TEL: 0776-37-4365  

https://obata-mikuni.jp/


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