これぞ地元の味!福井で味わいたいご当地B級グルメ

これぞ地元の味!福井で味わいたいご当地B級グルメ

「越前がに」や「越前おろしそば」などの特産グルメもいいけれど、福井はソウルフードも絶品なんです!今回は、地元の人もこよなく愛する、福井のご当地グルメをたっぷりとご紹介します。観光の合間や宿泊先でぜひお楽しみください。

福井の代表的なソウルフード「ソースカツ丼」

福井のソウルフードといえば「ソースカツ丼」。「カツ丼」と注文すると、玉子とじのカツ丼ではなく、「ソースカツ丼」が出てくる方が一般的です。薄めでカリッと揚げたカツを特製ソースにくぐらせ、白米の上に豪快につみ上げるという、いたってシンプルな料理ながらも、一度食べたらやみつきに。カツにしっかりと染み込んだ特製ソースが食欲をそそります。県内のあらゆるお店で出会えますが、ソースやお米などに店ごとの特徴があるので、食べ比べて好みのものを探してみるのも楽しみ方の一つです。

トンカツとオムライスの夢の組み合わせが実現「ボルガライス」

越前市武生(たけふ)エリアのご当地グルメ「ボルガライス」は、オムライスの上にトンカツをのせ、その上から特製ソースをかける、人気洋食メニューが合わさった夢のような一皿。30年以上前から同エリアで親しまれているグルメですが、その発祥や由来は未だ明らかになっていません。2010年ごろから徐々に注目を集め、現在では市内に20店舗以上の提供店があります。オムライスの中身やソースはお店ごとに異なり、チキンライスをはじめ、チャーハンやピラフが入っていることも。ソースもデミグラスから中華風のあんかけまで、店の個性が光ります。

溢れ出す肉のうま味と歯ごたえがやみつきになる「焼鳥」

福井県民がこよなく愛するグルメといえば、焼鳥!少し意外かもしれませんが、実は福井県は、県民1人当たりの焼鳥の消費量が全国トップクラスなんです。焼鳥店では、あたり前のように一人で何十本も食べてしまいます。そんな福井の焼き鳥事情で特徴的なのは、「ひね鳥(親鳥)」の焼鳥を好んで食べるところ。ひね鳥とは、産卵を終えたメス鳥のことで、一般的によく食べられる若鶏よりも身がかたく、熟成されたうま味成分がたっぷり含まれているといわれます。コリコリとした程よい歯ごたえと、噛めば噛むほど溢れ出すうま味が焼鳥にぴったりなのです。

「敦賀ラーメン」は昔懐かしい屋台ラーメンがルーツ

敦賀駅周辺で営業をはじめたラーメン屋台が発祥とされる「敦賀ラーメン」。豚骨・鶏ガラベースの濃厚な醤油スープに中細麺が特徴のラーメンは、初めて食べた人もどこか懐かしさを感じる味わいです。国道8号線でトラック輸送が盛んだった昭和の頃には、ドライバー達を中心に人気が広がっていき、最大15軒もの屋台が国8沿いに並んでいたことも。敦賀では、今でも国8沿いにラーメン屋台が出店しており、まちなかには屋台を発祥とするラーメン店がいくつも店を構えています。夕食に食べにくる親子連れから、繁華街から〆のラーメンを求めてやってくる人々まで、幅広い層に愛される地元の味です。

名水のまちで生まれたあっさり味の「醤油カツ丼」

福井のカツ丼はソースカツ丼だけではありません!「名水のまち」大野市には、「醤油カツ丼」なるソウルフードがあります。大野では、その美味しい水を活用した醤油づくりが盛んですが、「醤油カツ丼」はそんな大野の老舗お醤油屋さんが専用のタレを開発したことをきっかけに広まっていった名物です。ご飯の上にカツだけをのせたソースカツ丼に対し、醤油カツ丼には野菜がたっぷりと盛り付けられ、あっさりとした味わいが特徴です。野菜の組み合わせに規定はなく、大根おろしだけや、キャベツの千切りに大葉などバリエーションも豊富なので、いろんなお店の味を試してみたくなります。

じんわりとやさしく胃袋を満たす「たけふ駅前中華そば」

越前市武生エリアのグルメといえば、ボルガライスのほかに「中華そば」も名物の一つ。JR武生駅の周辺には蕎麦屋や大衆食堂など20店舗近く「中華そば」を出す店があり、別名「たけふ駅前中華そば」とも呼ばれています。


ラーメンのスープは、焼き豚の煮汁や醤油・みりんなどでつくった“かえし”に豚バラや鶏ガラを炊いたガラスープを注ぐのが基本的なつくり方ですが、越前市の「中華そば」は、“かえし”ではなく、蕎麦つゆを使うのがポイント。中華そばの具はネギにメンマ、かまぼこ、そしてチャーシューが一般的で、チャーシューの代わりに昔ながらのハムをのせている店もあります。あっさりとした透き通ったスープはお酒を飲んだあとの〆としても絶品ですよ!

ユニークな丼も続々登場!

海と山の幸に恵まれ、「コシヒカリ」発祥の地でもある福井県は、地域の素晴らしい食材を活かした豊かな丼文化が根付いています。実は、福井は丼文化の先進県として名乗りを上げており、福井から世界へ丼文化を発信する「福丼県(ふくどんけん)プロジェクト」が立ち上がるほど。福井の丼といえば、ソースカツ丼を真っ先に思い浮かべる方が多いかもしれませんが、それ以外にもさまざまな丼があり、福井県内の各地域で愛されています。


にしやま あやか
創意工夫に溢れる福井県の人々の生き方に憧れ、コロナ禍で東京から移住。現在は敦賀市の地域おこし協力隊としての活動をするかたわら、県内外のメディアでフリーライターとしても活動中。趣味で「流しのおでん屋」をやるなど、料理・食べることがとにかく好き。