ふくいの旬の食カレンダー 夏(6月〜8月)

ふくいの旬の食カレンダー 夏(6月〜8月)

福井県は四季折々の豊かな食材にあふれています。夏(6〜8月)の時期が旬といわれる食材をご紹介します。

越のルビー

その甘さは、太陽のめぐみ

福井県オリジナルのミディトマト「越のルビー」。
手のひらにすっぽりと入るくらいのちょうど良いサイズ。
艶やかで鮮やかなその赤い実は 「ルビー」 と呼ぶのにふさわしい美しさです。

福井県内で「越のルビー」 を生産している地域のひとつ、福井市白方町は日本海に面する三里浜という砂地の一角にあります。 

この地区では昔から水はけのよさを生かしてさまざまな農作物が栽培されてきました。 「福井すいか」や「花らっきょ」などが特に有名です。


平成元年からこの地区で越のルビーの栽培が取り組まれていますが、 水質管理が難しい砂地でのトマトの栽培は、なかなかうまくいかず栽培を始めた当初は苦労の連続だったそうです。


生産者の一人浜中広之さんは「水の量が少ないと劣化してしまう。 逆に量を多くすると糖度が下がってしまう。 ほかの農作物と比べて何倍も手間がかかるデリケートな作物なんですよ」と語ってくれました。


越のルビーはビニールハウスの中で栽培されます。 トマトの育つ適温は27度前後。けれど、外の気温が高くなるとたちまちハウスの中は40度を越えてしまいます。 そのため、換気や日よけのカーテンをするなど、 温度管理の面からも目が離せません。

「トマトは話をしてくれないから水が欲しいとか、室温が高いとか小さな変化に気付いてやらなければなりません。 思うとおりにしてあげないと良い実がならないんですわ」 と、浜中さんが目を細めて語ってくれました。


このように、太陽と土と生産者の愛情をいっぱい受け、はじめて甘くて美しい 「越のルビー」ができるのです。

福井梅

肉厚の福井梅は、丁寧に手作りされたミネラルたっぷりの美容と健康の食材です。

福井県若狭地方の特産である「福井梅」は、近年大手コンビニエンスストアのおにぎり やお弁当などの商品に多く採用され、 好評を博しています。 好評の理由は何よりも美味しいことですが、その他にもいくつかあります。


例えば、梅干し作りでは添加物は一切使用せず、 梅とシソ、 塩のみで作っています。そ して手間のかかる土用干し (天日干し) も、丁寧に手作業で行っています。 また福井梅は、他県産に比べてカルシウムやカリウムなどのミネラル量も豊富で、 美容と健康を気にする現代人にとって心強い味方です。


人気が高い福井梅ですが、 その発祥は江戸時代の天保年間(1830~1844)頃まで遡ります。 福井梅生産の中心でもある西田地区(旧西田村)の2軒の家にあった梅の木から始まったといわれています。 その後、明治時代に品種改良が重ねられ、 梅干し用の「紅サシ」と梅酒用の「剣先(けんさき)」となりました。

梅はご存知の通り、2月下旬頃に芳しい花を咲かせ実を結び、 初夏の頃から収穫が始まります。

「美味しい福井梅を作るためには、 当然のことながらまずは花が咲くかどうかが重要です。花が咲くことで実がつき、収穫につながります。 そのためにも収穫後は翌年の収穫に備えて肥料をしっかり与え、 土壌を整える“お礼肥”を徹底しています。 もちろん生産者の方への情報発信や指導、 交流も行ないながら、地元を盛り上げています」とは梅の里会館の館長である坊さん。 


「梅の里会館」は、 福井梅生産・加工・販売の中心的存在。前述のコンビニエンスストアで使用される食材として、あるいは百貨店へのPR も、数十年前より積極的に行ってきました。 そして近年、ようやくその成果が実ってきたとも話します。


昨今の美容や健康ブームもあり、 健康食品でもある梅人気はますます広がっていくはず です。 福井梅も生産者の努力と関連施設の協力のもと、さらなる品質の向上や梅を活用した新商品の開発、地元を盛り上げるイベントを増やしていく予定です。 ご期待ください。



梅林が広がる2月下旬から3月中旬にかけては、白い花が咲き誇ります。福井梅 は種が小さくて果肉が多いことで食べておいしいと高く評価され、 大相撲の優勝 力士にも贈られていることでも有名です。 江戸時代から受け継がれてきた伝統の風 味をぜひご家庭で味わってみてください。

ヒレがピンと大きく、身がキリリ

全国の太公望の憧れ、激流の 「九頭竜 (くずりゅう)」


福井県下随一の長流、 九頭竜川。 その原流は、 毘沙門岳、 荒島岳、 平家岳など1,500メ ートル級の山々が連なる、 深いブナ原生林に覆われた我が国屈指の豪雪地帯です。これら 急峻な山々から雪解けを含む豊富な水量が勢いよく流れ下ります。 清らかな流れには、澄んだ水の生き証人といわれるサクラマスや、 生息地が国の天然記念物に指定されているアラレガコを見ることができます。 「水量豊富」「速い流れ」「清らか」 の条件が揃う九頭竜川には、新鮮ないい苔が育ち、特上の鮎を育てます。


勝山市の川村和作さんは、「九頭竜川の鮎は豊富な水量と激流をかきわけて力強く泳ぐため、ヒレがピンと大きく、身がキリリと締まっておいしい。」 と話します。さらに、九頭竜川には海から遡上する豊富な天然鮎に加え、日本海側で最大とも言われる稚鮎放流がされるため、良く釣れる川として知られています。


全国水質調査ランキング 第3位の 「北川」


 国土交通省が発表した平成十四年の全国一級河川の水質ランキングにおいて 『北川』は第3位に選ばれました。鮎は 別名「香魚」とも呼ばれ、 北川をはじめ清流が数多く残る福井では、スイカのような香りがする鮎が獲れます。



福井では、鮎が古くから暮しの中に溶け込み、塩焼き、 田楽、 甘露煮、 鮎すし等多彩に料理され食されてきました。 また、 夏場だけでなく、 獲れた鮎を冷凍して保存しておき、 来客時や法事等の家庭内行事でふるまわれてきました。 美山町にはその名を「あいくいてえ」 という鮎料理店がオープンしているのをはじめ、 九頭竜川や足羽川等の川沿いには、地元の鮎を使った料理が楽しめる食事処があります。



若狭ぐじ

舌の上にふわり広がる上品な甘み 若狭 ぐじの若狭焼き

若狭湾が育んだ京料理の高級食材 「若狭ぐじ」。

若狭湾で獲れるアカアマダイは「若狭ぐじ」と呼ばれ、昔から鯖や若狭がれいとともに京に運ばれていました。

舌の上にふわりと広がる上品な甘さ、 その気品漂う姿は今なお京料理には欠かせない高級食材となっています。

「身が繊細で傷つきやすい」というデリケートなさかな 「若狭ぐじ」。 釣り漁で獲れたぐじ専用の保冷ボックスに入れられ、厳重に温度管理されて港へと運ばれます。 この中から姿が美しく、大型のものだけを厳選して、さらに直接氷が触れないなど特別な管理体制の取り扱いがされたものだけが 「若狭ぐじ」を名乗ることができるのです。


調理法としては、背開きにしたぐじの鱗を落とさずにそのまま焼き上げる 「若狭焼き」 が有名です。京ではこの若狭焼きの善し悪しが、板前の腕の目安とされるほど伝統のある料理です。その他にも蒸し物、 揚げ物など多彩に調理され、多くの人々を魅了し続けてい ます。




京料理の主役を務める美味しく美しいさかな。


魚のうろこを取らずに一塩して、そのまま焼き上げる料理を 「若狭焼き」といいます。 この日本の食文化の粋ともいえる極めて繊細な料理で使われる魚が 「若狭ぐじ」 です。

若狭ぐじは和名をアカアマダイといいます。 アマダイの名は身肉に甘味があることに由来していて白身の魚で淡白な中にも味わいの深い、大変美味しい魚です。


福井県では夏場に刺し網漁で漁獲される他、延縄(はえなわ) 釣りで一年中漁獲されている魚です。


アカアマダイはその角張った頭の形から「屈頭魚(くつな)」と呼ばれていましたが、 それがなまって「くじ」「ぐじ」と呼ばれるようになったといわれています。


しかし、 若狭湾で獲れたすべてのぐじを 「若狭ぐじ」と呼ぶわけではありません。福井がほこるブランド魚 「若狭ぐじ」と呼ばれるのには幾つもの高いハードルを越えなければならないのです。


まず第一に釣りや、延縄 (はえなわ) 漁で漁獲されたものであること。 網で獲れたものはその時点で若狭ぐじになる資格を失います。 鮮度が良く姿形が美しいこと。それらをク リアした大型のアマダイだけを厳選し、はじめて 「若狭ぐじ」というブランド品として出荷することができます。


こうして厳選された若狭ぐじは魚体を傷つけないよう慎重に取り扱われ一尾ずつ、港の名前と捕獲した船の名前が入った専用ラベルが貼られます。


出荷までの過程も厳しく取り決めがされています。 指定の魚箱に氷を入れ、その上に直接氷に身が触れないようウレタンシートを敷いて若狭ぐじを並べます。 さらにその上に魚の乾燥を防ぐためのパーチと呼ばれる特殊なビニールをかぶせ最後にふたをして販売準備が完了します。 仕立て後も販売の時間まで鮮魚冷蔵庫で厳重に保管されます。

若狭ぐじは味や姿の美しさはもちろん、取り扱いを含めて全てが特別な逸品なのです。


72時間後まで刺身OK

身が繊細で、鮮度が落ちやすく取り扱いが難しいといわれていた 「若狭ぐじ」ですが、福井県立大学の研究では県を上げて取り組んでいる鮮度管理マニュアルによる取り扱い法によって、 概ね水揚げ後72時間後 ( 3日後) まで生でも食べられるほど鮮度が保たれることが分かっています。



お魚の女王 若狭ぐじ(甘鯛)

三國清三シェフが福井県が誇る海の幸の食材お魚の女王と呼ばれる、 若狭ぐじ(甘鯛)の魅力を紹介します。 若狭ぐじを使った洋風炊き込みご飯を調理します。


越前うに

江戸時代から知られる日本三大珍味 「越前うに」。

福井の海の岩場には、餌となる良質の海藻が生えます。 その海藻を食べて、ウニが美味しく育つのです。
「越前うに」の味わいは、福井の食文化です。 温かいご飯や酒の肴にピッタリ。
また、日本料理はもちろん、近年はフランス料理の高級食材としても注目されています。

日本三大珍味の一つ「越前うに」。江戸時代後期の書物 「日本山海名産図会」 でも「塩辛中の第一」とされる福井の名産品です。


この「越前うに」はバフンウニの塩漬けのこと。 使われるバフンウニは、直径3〜4 cm程の小さなウニで、ウニ類で最も味が濃いと言われますが、塩漬けにするとさらに味が凝縮されます。


福井の越前海岸で獲れるバフンウニは、 他産地のものと異なり、 えぐ味が少なく、 生食できるほど美味です。 このため古くからバフンウニ漁が盛んとなり、 流通・保存の関係で塩漬けとされ、その技術・文化が伝承されています。


越前海岸でのバフンウニ漁は7月20日に解禁され、 約2週間で終了。 このため 越前うにが作られるのもこの期間に限られています。 バフンウニを一つひとつ手作業で割り、 中身が崩れないように絵筆を使って丁寧に取り出します。 次に海水に塩を加え、氷で冷やすことで身崩れを防ぎます。 そこから内臓を取り分け、塩漬け作業を行います。


100gの製品を作るのに、 実に100個以上ものウニが使われます。 豊潤な磯の香り、繊細でいて濃厚な味わいを持つ「越前うに」は、福井の人が受け継いできた日本を代表する逸品です。


早朝6時半頃から海女さんが続々と集まってきます。 7時ちょうどに一斉にウニ漁が始まります。 時間は10時までと決まっています。 その間、休むこともなく、 何度も潜り、 ウニを獲ります。 その後は加工作業になり、夕方近くまで続きます。




200余年の伝統を誇る「越前うに」。 日本三大珍味と呼ばれています。「越前うに」はバフンウニの塩漬けのことで、夏だけしか作られない食べ物です。

若狭の岩牡蠣

磯の香りあふれる海のミルク

若狭の海は岩牡蠣を美味しくする条件が揃っています。
美味しい岩牡蠣が育つ条件は海がきれいなこと。
そして海に面した山々をはじめとする自然が豊かなこと。
身の良く締まった新鮮で美味しい若狭の岩牡蠣を召し上がれ。

岩牡蠣は冬の「マガキ」 に対して 「夏ガキ」と呼ばれ、 その風味豊かな味わいは生食に最適です。マガキと比べてその大きさは3倍以上にもなります。 そして、磯の風味豊かなその濃厚な味わいが最大の特長です。


岩牡蠣は海のミルクとも呼ばれ、 アミノ酸やビタミン、ミネラル、グリコーゲンなどが豊富に含まれています。 昔からその栄養価の高さと独特の風味が親しまれています。夏場の体力回復のための滋養強壮にも良いとされてきました。


美味しい岩牡蠣は海がきれいであることはもちろん、その海に面した山々が豊かでなければなりません。 若狭湾は豊かな山々にいだかれた河川から、 豊富な栄養が海へと注ぎ込み、まさに美味しい岩牡蠣が育つ条件が揃っています。


若狭の岩牡蠣はすべて天然もの。 岩牡蠣は文字どおり海底の岩にしっかりとくっついているため、漁師さんは捕獲するのに大変労力を要します。 海中に潜りバールで岩牡蠣を丁寧にはがし、一度海面にでて呼吸を整えた後ふたたび海中に潜って捕獲します。


こうして水揚げされた岩牡蠣はすぐに市場に出ることはありません。 福井県漁連小浜支所では初夏の6月から8月にかけて、この若狭の岩牡蠣を生食できるように漁業者が捕獲 した岩牡蠣を殺菌冷海水で洗浄処理し市場に送り出しています。 この殺菌冷海水で最低 20時間以上洗浄され、はじめて安全・安心で美味しい若狭の岩牡蠣となることができるのです。

若狭の岩牡蠣を美味しく食べるのにはやはり生食が一番です。ポン酢やレモンをお好み でかけて口の中に入れた瞬間、 口の中が磯の香りで満たされて何ともいえない美味しさが いっぱいに広がります。 もちろん牡蠣フライ、牡蠣グラタン、 牡蠣メシなどにしても最高ですが、まずは生食でその豊かな風味を体験してみてください。


大ぶりで身がよく締まり、 栄養豊富な若狭の岩牡蠣。

上方に美味しい食材を提供してきた、歴史の深い 「御食国(みけつくに)」の新ブランドです。その濃厚な美味しさをぜひ味わってみてください。


漁師さんの声

豊かな若狭の海で岩牡蠣は育ちます。 この岩牡蠣、 海の中ではまさに 「岩」といってもい いくらい頑固に海底にくっついていて、 素もぐりで捕獲するのは大変苦労します。 美味しくて栄養まんてん。 若狭の海からの贈り物といえる、 天然物の美味しさを、ぜひたくさんの人に味わっていただきたいと思います。


若狭の岩牡蠣を購入するなら・・・

[購入方法はHPもしくはお電話で]

福井県漁業協同組合連合会 小浜支所

TEL 0770-52-2310