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給食で少し出てきたくらいで、小さい頃からシウマイに対してのイメージがありませんでしたから、買う機会もなかったんです。でも、大学生のときに読んだマンガ『酒のほそ道』で崎陽軒のシウマイが取り上げられていて、それがすごく美味しそうだったんです。それがシウマイのイメージになって、関東に行く機会もないですから、いつか食べてみたいとずっと思っていました。

そしてやっと、関東に行く機会があってシウマイ弁当を買ったのですが、もう感動でした。お弁当の世界観が秀逸で、そこからはシウマイの虜です。母親があるとき家庭料理研究家の奥薗壽子さんのレシピから、シウマイを作ってくれたことがあったんです。玉ねぎをすりおろして、砕いた麩にしみこませて、野菜多めのシウマイで。これが非常に美味しかったので、結婚した先で料理教室を開いたときの最初のメニューにこのシウマイを作りました。

駅弁って冷めているからあまり手を出さなかったのですが、そのイメージを変えたのも崎陽軒のシウマイ弁当でした。だから自分でシウマイ弁当を真似て、子供のお弁当を作ったこともありました。その時は崎陽軒についていた醤油の入れ物を使うこともしましたよ。

子どもにとっては、シウマイはおかずのメインとしては弱いんですが、お酒のおつまみには最適です。今ではバラエティに富んだ既製品もたくさん出てきて、我が家の冷凍庫にはシウマイは常備されています。それに大人になってからのお弁当には立派なおかずになりますから。

蒸し器はなくても家庭で簡単に蒸すことができます。フライパンにクッキングシートを引いて、水を入れて蒸せば大丈夫。家で作ってみても上から皮をかぶせれば簡単に包めますよ。24年春以降にキッチンスタジオも作っていくので、料理教室が再開したら、シウマイを作っていこうと思います。

シウマイって、福井にいた頃は食べることがなかったですし、あったとしても揚げシウマイだったので、シウマイとはこういうものだ、という認識しかありませんでした。学校を卒業して大阪で働くことになるんですが、友人に南京町に連れて行ってくれたときにシウマイに初めて出会ったんです。シウマイって蒸し料理なんだ、と（笑）　当時、小籠包が流行っていたこともあって、シウマイと小籠包は若い女性の間では同じものという認識があったと思います。だから誘われるときもシウマイを食べに行こうという言葉が出ていましたね。

でも、シウマイって食べてみて思ったのですが、中華料理の醍醐味が詰まっていると思うんです。せいろで出されてふたを開けると一気に湯気が出てきて、その湯気がなくなったときに現れるという演出。視覚からでも美味しさを伝えていますよね。それに蒸し料理というのは他の調理法と違って素材の旨さを全部閉じ込めているんです。豚肉の美味しさを最大限引き出す料理じゃないかなとも思います。

必ず比較されるのが餃子だと思います。餃子って餡も大事ですけど皮も同じくらい大事な要素になっています。シウマイは純粋に餡が絶対的に大事。だから具材の良し悪しで味が決定的に変わる料理です。それに蒸しもそうですが、揚げ、焼きなど食感の違う食べ方ができることに加え、自分好みの味付けができるバリエーションの豊富さもあると思います。

大阪にいたときにある店に出会い、鉄板焼きのお店だったんですがワインを片手に食事をしている姿が忘れられなくて、福井に帰ってきたときワインでも楽しめる鉄板焼きのお店を開こうと思い、今のお店を作りました。自分で調理するからいろいろと考えられるんですよ。まかないでもよく出していますしね。みんな美味しい美味しいと言ってくれるので、みんなシウマイ好きなんだと思っていたら、意外と食べないことに気付きました（笑）

自分が美味しいな、と思うのは、蒸した後少し焼くことです。表面のカリカリさと、中のジューシーさを残す感じが好きです。一般的には蒸し料理にはビール、というイメージがありますが、少し焼いてカリッとしたシウマイをポン酢でいただくと、ハイボールとの相性がいいですよ。

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