突き抜けたうまさ。個性的なカレーとオムライスにハマるの巻。
「お昼を福井市内で食べるとしたら、どこがおすすめですか?」
そう二人の別の飲食店店主に聞いたところ、返ってきた答えが駅前の「モーニングトマト」だった。
カレーとコーヒーの店だという。
早速出かけた。
メニューを開けば、品数が多い。
チーズやポーク、シーフードやキノコのカレー、バターナス、キーマ。
珍しい舌平目とキノコのカレー。
石焼の混ぜご飯各種、タイ風カレーやほうれん草とチーズのカレーなどカレーだけで、28種類もある。
それにスパゲッティや混ぜご飯も加えれば全43種類。
これは迷うなあ。
二つはいけない。
そこで悩みに悩み、「当店一番人気」と書かれた「スペシャルベンガルカレー」をお願いした。
やがてソースカップに入れられた、カレーとご飯が運ばれた。

生クリームが流された焦茶のカレーからスパイス香が立ち上がって、胃袋を刺激する。
きれいに盛られたご飯の真ん中には、干し葡萄とチーズが乗っている。
たまらずソースをご飯にかけて、スプーンで口に運んだ。

穏やかなうまみが広がり、その後をヒリヒリと辛味が追いかける。
辛味はすぐ引くが、残り香が豊かで、それに惹かれてスプーン持つ手が加速する。
ゴロリと入った鶏もも肉も、スパイスの香りが染みており、その滋味と香りだけでご飯が進んでしまうのだな。
辛味は次第に積もっていくが、福神漬やらっきょうの甘みで、時折救いながら食べるといいだろう。

食後は有機栽培コーヒーをいただく。
辛味が居残る口中を、コーヒーのコクとうまみ、苦味と香りが流れていく感触がたまらない。
まだピリリする舌先を、コーヒーの優しさが撫でていく。
これは癖になっちゃうな。
店を出て10分経つと、無性にまた食べたくなってきた。
それで翌日も出かけたのである。
今度はもう一つの名物、「特製石焼オムライス」をお願いした。
来るまでに、お姿を想像したが、まったく外れた。

カレーご飯の上に薄焼き玉子が乗ってくるかと思いきや、「リゾット風カレーご飯のチーズがけ」といったお姿なのであった
リゾット風と書いたが、カレーピラフでもカレーリゾットでもカレーおじやでもない、カレー混ぜご飯である。
それもカレーソースをかけて、よくよく混ぜ込んであるのだろう。
コメ一粒一粒が茶色に染まっている。
その上に溶けたチーズが、しなだれているのであった。
では、オムライスのオムはどこか?
スプーンを差し込んだ。判明する。
石焼器の縁を、ぐるりと薄焼き卵が囲っているのであった。


どうして作ったのだろうか?
唯一無二のオムライスである。
このカレーと玉子の出合いがいい。
カレーの辛さと玉子の優しい甘みという、相反する組み合わせに虜となっていく。
これは食べて気づいたが、スプーンよりフォークで食べるのがおすすめである。
両者の味がダイレクトに感じて、スイスイと食べ進んでしまう。
薄焼き玉子は、混ぜご飯の上に乗せても、卵で包んで食べても、細かく刻んで混ぜ込んでも、それぞれのおいしさがある。
様々に楽しんでみてほしい。
個性的なオムライスを食べ終えた。だがまだ気になる料理がいくつかある。
また食べに来なくちゃね。

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(株)味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。年間700軒ほど国内外問わず外食し、雑誌、テレビ、ラジオなどで食情報を発信。そのほか虎ノ門横丁プロデュース、食文化講師など実施。日本ガストロノミー協会副会長、日本食文化会議理事。最新刊は「どんな肉でもうまくする。サカエヤ新保吉伸の真実」世界文化社刊。
7年前に小浜地区の仕事を通じて福井の食材の豊かさに惚れこみ、今回の福井各地の美味しいを探す旅のきっかけとなった。