【美食福井】福井の海が育む「岩牡蠣」と「牡蠣」は磯の香りと濃厚な旨味が抜群

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【美食福井】福井の海が育む「岩牡蠣」と「牡蠣」は磯の香りと濃厚な旨味が抜群

四季折々の表情を見せる小浜湾では、夏には天然の「岩牡蠣」(イワガキ)、冬には養殖の「牡蠣」(マガキ)が旬を迎えます。

大ぶりの身とプリプリとした食感、濃厚な旨味が魅力でミネラルも豊富。その味わいはまさに「海のミルク」そのものです。


【漁獲時期】岩牡蠣6月〜8月、牡蠣12月〜翌3月

【産地】小浜市

【動画】「若狭の岩牡蠣・牡蠣」の美味しい魅力を凝縮

小浜湾で獲れる味覚の代表格・夏の天然「岩牡蠣」と冬の養殖「牡蠣」

福井県の若狭湾の支湾・小浜湾で獲れる牡蠣といえば、天然の「岩牡蠣」と養殖の「牡蠣」が絶品です。


6月から8月に素潜り漁で水揚げされる天然の岩牡蠣は「夏ガキ」と呼ばれており、冬の牡蠣より殻が厚く、身は3倍の大きさです。大ぶりの身には旨味が凝縮され、ふっくら張りがあり食べ応え抜群。生食はレモンやポン酢をたらすと、甘みが際立ちます。


12月から3月に旬を迎える養殖の牡蠣は、岩牡蠣よりも殻は小ぶりながらも身がぎっしり。加熱しても縮まず身の締まりが良く、濃厚でクリーミーな味わいです。殻付きのまま焼きや蒸し牡蠣で食べると、磯の風味と旨味を存分に味わえるほか、フライやグラタンなどの料理もおすすめです。

御食國若狭が誇る格別な味わい。地形を活かした良質な漁場で育てる

福井県小浜市は、古くから「御食國(みけつくに)」として海産物を朝廷に献上してきた歴史があります。さらには、「鯖街道」を通じて「若狭もの」と評される海産物を都へ運び、日本の食文化を彩ってきました。


小浜湾はリアス式海岸の複雑に入り組んだ地形によって荒波の影響を受けにくく、周囲の山々から清らかな雪解け水が流れ込み、餌となるプランクトンが豊富。そんな恵まれた環境の中で、じっくりと時間をかけて成長した牡蠣は、ミネラルを蓄えて身締まりが良く、風味豊かな味わいに育ちます。

安心・安全が第一。しっかり滅菌処理・管理された天然「岩牡蠣」を全国へ

天然の岩牡蠣は食べ頃まで5年から10年もの歳月をかけて、美味しさを育んでいきます。

若手の漁師・村古崇誌さんは、海岸から船で10分ほどの岩場において一人で水深5m前後まで潜り、岩に張り付いた牡蠣を一つひとつ丁寧にはがし取ります。1日に一人の漁師が獲れる量は、200個まで。貴重な資源を守るために漁獲量が制限されています。


水揚げされた岩牡蠣は安心して生食できるように、殺菌冷海水で約20時間以上洗浄処理を行うほか、定期的に貝毒検査も行うなど安全管理が徹底されています。最盛期には市場に岩牡蠣のトロ箱がズラリと並ぶほど競りが活気づき、小浜市内外の多くの飲食店などで新鮮な岩牡蠣がメニューに登場します。

Column

【おいしい豆知識】

岩牡蠣の安心・安全を保証する殺菌処置


水揚げされた岩牡蠣は、安心して食べてもらえるようにしっかりと洗浄し、菌や不純物を取り除きます。

福井県漁連小浜支所では「紫外線滅菌装置」を導入し、水槽内の海水を濾過しながら紫外線を当て殺菌処理を行います。

漁業者たちは、新鮮で安全な岩牡蠣を確実に届けるために日々努力を重ねています。

【おいしい豆知識】

90年以上手がける高品質の養殖「牡蠣」

夏の岩牡蠣に対して、冬に旬を迎えるのが養殖の牡蠣です。小浜湾では、1930年頃から牡蠣の養殖が盛んです。


養殖業を営む川端嘉幸さんは、海岸近くのイカダから稚貝の付いた貝殻を海中に吊るし、約1年かけて立派な牡蠣を育て上げます。

海中でホヤなどの付着物が増えると、餌のプランクトンが奪われるため、9月から10月頃には船上に牡蠣を一旦引き揚げ、2日間じっくりと天日干しを行い付着物を除去して品質を高めます。

殻長約9cm、殻幅約5cmに成長した頃が水揚げの頃合い。収穫した牡蠣は付着物を洗浄し、大きさや形を選別してから出荷します。優れた品質は、こうした丁寧な作業の賜物です。

Column

【おいしい豆知識】

見栄えよく、手作業で掃除


水揚げした岩牡蠣と牡蠣は、一つひとつ選別し、ゴツゴツした見た目を見栄え良くするため、専用の牡蠣ナタや機械でこびりついた石や付着物などを削り落とします。

牡蠣自体を傷つけないように掃除するのは手間のかかる作業ですが、こうしたひと手間が価値をより際立たせています。

【おいしい豆知識】

「若狭の岩牡蠣・牡蠣」を食べられるお店の紹介

地元の人に聞く「若狭の岩牡蠣・牡蠣」のおすすめレシピ

若狭岩牡蠣の越前治部煮

【材料(1人分)】

牡蠣 3個

ほうれん草 30g

えのき 20g

白葱 30g

人参 少々

そば粉 適量

小麦粉 適量


-越前治部煮出汁-

出汁 390㏄

酒 30㏄

薄口しょうゆ 30㏄

みりん 30㏄


【作り方】

①越前治部煮出汁を鍋に合わせる

②ほうれん草はボイルし、冷水におとしてカットする。白葱は焼き目をつけておく

③①の鍋に、えのき、白葱、人参を入れ火にかける(強火で沸騰したら中火)

④牡蠣に小麦粉をまぶし洗う(汚れをとるため)

⑤④の水気をとりそば粉をまぶす

⑥③に火が通ったら、⑤を入れて火を通す

⑦器に盛りつけて完成


<レシピ監修 IZUMO GROUP 料理長 馬場康成さん>

【美食福井とは】

福井県には、豊かな自然と生産者のこだわりが育む美味があふれています。

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