泰澄ゆかりの地をめぐろう
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泰澄のふるさと福井県には、今もその心が息づくスポットが数多く点在する。人の心と暮らしに寄り添ってきた泰澄と信仰の面影をゆっくりと訪ねてみよう。
「越前禅定道」の越前馬場 平泉寺白山神社
養老元年(717)、泰澄が白山登拝の拠点として庵を結んだことに始まり、白山信仰の越前側の禅定道として栄華を誇った『平泉寺』。木漏れ日にしっとりと濡れた青苔が映える幽玄な旧境内は、日本の道百選、歴史の道百選、かおり風景百選、美しい日本の歴史的風土百選など4つの日本百選に選出。参道に広がる杉の菩提樹や室町末期に造られた泰澄大師廟、白山の神が現れ、平泉寺の地名の由来となった御手洗の池、一向一揆の焼き討ちを生き延びた齢数百年の大杉など、当時の名残が数多く点在している。
- 本社
- 寛政7年(1795)、福井藩主の寄進で建立。本社右手には別山社、左手には越南知社があり、白山三山の神が祀られている。
- 参道と菩提林
- 参道の石畳は、多くの僧が九頭竜川から運んだもの。両側には、杉やブナ、ケヤキなどの菩提林が生い茂っている。
- 国名勝 旧玄成院庭園
- 江戸時代の平泉寺の中心的な坊院で、現在は社務所になっている。庭園は室町幕府管領・細川高国がつくったとされる。
- 拝殿裏の大岩
- 3mを超える大きな石は、弘治年間(16世紀中頃)に、平泉寺の有力な2人の僧が競い合って積んだと伝えられる。
- 中世の石畳
- 中世には、48社、36堂、6千坊が立ち並ぶ一大都市として、北陸有数の勢力を誇った『平泉寺』。戦国時代に一向一揆で全山を焼失し、その後は境内の中心部は再興されたが、その多くがずっと埋もれていた。平成元年度から始まった遺跡調査では、河原石が敷き詰められた石畳道や坊院跡が姿を現し、今では中世宗教都市としての当時の繁栄ぶりを見ることができる。
■住所/勝山市平泉寺町平泉寺
■時間/境内見学自由
■料金/白山神社境内国名勝「旧玄成院庭園」のみ拝観料50円
■休み/無休
■お問合せ/0779-88-1591 - もっと見る
白山平泉寺歴史探遊館 まほろば
国史跡白山平泉寺旧境内にある総合案内施設。平泉寺の歴史や現在の発掘状況、史跡散策の見どころをハイビジョン映像やタッチパネル、出土遺物などでわかりやすく紹介。白山の歴史・自然・文化に関する展示もあり、白山信仰泰澄・越前禅定道について詳しく知ることができるので、ぜひ立ち寄ってみよう。
■住所/勝山市平泉寺町平泉寺66-2-12
■時間/9:00~17:00
■料金/無料
■休み/毎週水曜日・年末年始
■お問合せ/0779-87-6001
■URL/http://www.city.katsuyama.fukui.jp/heisenji/mahoroba/
エリア別スポット紹介
越前馬場である平泉寺白山神社の他にも、福井県内には泰澄ゆかりの地が数多く点在。
そこで、魅力たっぷりのオススメスポットを4つのエリアに分けてご紹介!1300年の歴史とロマンを感じながら、泰澄の歩んだ軌跡をじっくりと巡ろう!
エリア①
勝山市/大野市/永平寺町
- 大矢谷白山神社
- 境内に入ると神社の拝殿に迫りくるような約20mを超える巨大な岩塊に圧倒される。数万年前に起こった大規模な山体崩落によって運ばれてきたもので、泰澄大師が泊まった「一の宿」という言い伝えがある。
■住所/勝山市平泉寺町大矢谷
■時間/境内見学自由
■休み/無休
■お問合せ/0779-88-8126(勝山市ジオパークまちづくり課)
- 岩屋観音の大杉
- 白山信仰の拠点寺院である豊原寺から白山への登拝路沿いに位置した霊場と伝えられている。境内の大杉は幹回り17mと県内で一番太く、市の文化財に指定されている。
■住所/勝山市北郷町岩屋
■お問合せ/0779-88-8117(勝山市観光政策課)
- 篠座神社
- 泰澄が白山登拝前に清水が湧き流れる篠座で十日ほど過ごし、登拝後、この地に戻り、空からのお告げを受けて祠を建てたことが篠座神社の始まりと言い伝えられている。今でも境内に湧き出る御霊泉は、眼病に良い水として重宝されている。
■大野市篠座42-5
■時間/境内見学自由
■お問合せ/0779-65-1455
- 曹洞宗大本山永平寺
- 寛元2年(1244)、道元禅師によって開かれた曹洞宗の大本山。道元が宋から帰国する前夜に、白山権現が写本を助けたという伝承があり、白山権現は永平寺の守護神・鎮守神といわれている。
■住所/永平寺町志比5-15
■時間/8:30~16:30
■料金/拝観料500円、坐禅体験1,000円(要予約)
■休み/無休
■お問合せ/0776-63-3102 - もっと見る
エリア②
福井市/坂井市/あわら市
- 一乗谷朝倉氏遺跡
- 戦国時代、100年余に渡り越前を支配した朝倉氏は、白山権現に帰依し、平泉寺を祈願所としていた。織田信長の越前侵攻により焼失した城下町は、現在復原され、その貴重さから金閣寺などと並ぶ国の三重指定を受けている。
■住所/福井市城戸ノ内町28-37
■時間/9:00~17:00(復原町並)
■料金/大人210円、中学生以下・70歳以上無料(復原町並)
■休み/年末年始(12/28~1/4)
■お問合せ/0776-41-2330(朝倉氏遺跡保存協会) - もっと見る
- 泰澄寺
- 養老元年(717)、泰澄が生誕した地に、両親のために創建したと伝えられている。本尊は大日如来と十一面観音像で、十一面観音像は泰澄が自ら彫ったものを安置したと言われている。境内には、泰澄の産湯の池や座禅石、自作の墨書などの史跡が残っている。
■住所/福井市三十八社町11-12
■時間/境内見学自由
■休み/無休
■お問合せ/0776-38-0904
- 東尋坊
- 迫力ある断崖絶壁が続く奇勝で、国の天然記念物・名勝。昔、平泉寺の暴僧であった東尋坊が恋敵の僧によって海へ突き落とされた。それから49日間、海は大荒れとなり、この地が「東尋坊」と呼ばれるようになったという伝説がある。
■住所/坂井市三国町東尋坊
■時間/自由
■料金/なし
■お問合せ/0776-82-5515(坂井市三国観光協会) - もっと見る
- 瀧谷寺
- 永和元年(1375)に創建された、三国町最古の寺院。本尊の薬師如来像は泰澄の作と伝わっている。また、国の名勝庭園指定の庭園をはじめ、宝物殿の国宝や重要文化財など見どころが多い。
■住所/坂井市三国町滝谷1-7-15
■時間/8:00~17:00(11/1日~2/末は16:30まで)
■料金/大人500円、中高生300円、小学生200円
■休み/無休
■お問合せ/0776-82-0216
- 北潟湖
- 福井県の北端部にある淡水湖で、周辺にはアイリスブリッジや北潟湖畔公園、サイクリングロードなどがある。古来より白山を望む聖地でもあったとされ、近くの夢ぐるま公園の展望デッキからは、北潟湖から白山までが一望できる。
■住所/あわら市北潟
■お問合せ/0776-78-6767(あわら市観光協会)
エリア③
越前町/越前市/鯖江市/池田町/南越前町
- 大谷寺
- 持統天皇6年(692)に泰澄大師が開創したと伝えられる古刹。白山を開いた泰澄は、767年大谷寺に戻り、座禅を組んだまま86歳で遷化したと言われている。境内に祀られている国指定文化財の九重の石塔は、泰澄大師の墓であると伝えられる。
■住所/越前町大谷寺42-4-1
■時間/境内見学自由
■料金/無料
■休み/無休
■お問合せ/0778-34-5045
- 越知神社
- 泰澄が青年時代まで修行したとされる越知山。頂上付近には、奥の院や大師堂、社務所、日吉神社、本殿、拝殿があり、そのなかの本殿が越知神社にあたる。境内には泰澄ゆかりの史跡が残る。
■住所/越前町大谷
■時間/境内見学自由
■料金/無料
■休み/無休
■お問合せ/0778-37-1234(越前町観光連盟)
- 朝日観音福通寺
- 養老元年(717)、泰澄により開かれた古刹。泰澄が霊木より彫り上げたという「朝日観音」の伝説を持つ正観世音菩薩や千手観音などが安置されている。
■住所/越前町朝日7-61
■時間/境内見学自由
■料金/無料
■休み/無休
■お問合せ/0778-34-0621
- 中道院
- 泰澄大師が建立して、比叡山延暦寺の座主・元三大師が再建した寺。悪病に苦しむ庶民を助けようと始めた護摩炉の加持秘法「すりばちやいと」は、古くから信仰を集めている。現在では、頭がよくなるということから受験生の参拝も多い。
■住所/鯖江市長泉寺町2-7-7
■時間/境内見学自由
■料金/無料
■休み/無休
■お問合せ/0778-51-1870
エリア④
敦賀市/美浜町/若狭町/小浜市/おおい町/高浜町
- 金前寺
- 天平8年(736)年、聖武天皇の霊夢により、泰澄が十一面観音を本尊として建立。寺名は天皇親筆の金光明経を金櫃に封じ埋めたことに由来するという。
■住所/敦賀市金ヶ崎町1-4
■時間/境内見学自由
■料金/無料
■休み/無休
■お問合せ/0770-22-1909
- 青蓮寺
- 霊亀2年(716)に創建。泰澄が開いたと言い伝えられている。国指定重要文化財の観音菩薩立像は、現在、県立若狭歴史博物館で展示されている。
■住所/美浜町佐柿26-5
■時間/境内見学自由
■料金/無料
■休み/無休
■お問合せ/0770-32-6705(美浜町商工観光課)
- 芳春寺
- 寺伝によると、養老4年(720)、元正天皇の勅命により泰澄が神岳山寺を建立したのが起源という。戦国時代には、越前朝倉氏が裏山に城を築き、若狭侵攻の陣を置いた歴史をもつ。
■住所/美浜町佐田106-8
■時間/境内見学自由
■料金/無料
■休み/無休
■お問合せ/0770-38-1007
- 天徳寺・瓜割の滝
- 泰澄が開基したという高野山真言宗の寺。17年ごとに御開帳を行う馬頭観音像は、養老年間に泰澄大師が宝篋ケ山で彫ったと伝えられ、天徳年間にここに移されたという。境内奥には、山あいの岩間から湧き出る澄んだ清泉「瓜割の滝」がある。
■住所/若狭町天徳寺38-3
■時間/境内見学自由
■料金/無料
■休み/無休
■お問合せ/0770-62-1038
- 神宮寺
- 若狭一の宮の神願寺。和銅7年(714)に、元正天皇の勅命により、泰澄大師の弟子沙門滑元が創建したと伝えられる。毎年3月2日、奈良の東大寺二月堂に香水を送る神秘的な「お水送り」の神事が行われている。
■住所/小浜市神宮寺30-4
■時間/9:00~16:00
■料金/拝観料400円
■休み/2月中旬~3月5日
■お問合せ/0770-56-1911
- 暦会館
- 名田庄は平安時代の安倍晴明を祖とする土御門家が天文暦道を行った地で、その史料を展示している。いち早く神仏習合が根づいた若狭は、平安時代も当時最先端をゆく思想や学問の地であった。
■住所/おおい町名田庄納田終111-7
■時間/9:00~16:30(入館は16:00まで)
■料金/高校生以上200円、小中学生100円
■休み/水曜(祝祭日の場合は開館、翌日休館)、年末年始他
■お問合せ/0770- 67-2876
- 中山寺
- 天平8年(736)、聖武天皇の勅願により泰澄が創建し、釈迦・阿弥陀・観音の3尊を安置したと伝えられる。鎌倉初期、覚阿上人が寺名を一乗寺とし、頭上に馬頭を載き、三面八臂忿怒のお顔で、人間の持つ悪業障を砕くとされる馬頭観音坐像を本尊に再興を図ったという。
■住所/高浜町中山27-2
■時間/境内見学自由
■料金/拝観料400円
■休み/無休
■お問合せ/0770-72-0753
白山開山1300年記念事業(平成29年)
イベント名 | 主催団体 | 日程 | 内容 | |
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福井県 | 秋季企画展「白山開山1300年記念展泰澄(仮)」 | 福井県立歴史博物館 | 10月21日~11月26日 | |
泰澄、白山信仰ゆかりの神仏をめぐるバスツアー | 福井県文化振興課 | 10月、11月(予定) 原則、土、日、祝 | 白山開山1300年を記念し、泰澄ゆかりの寺社などをめぐるバスツアーを実施 | |
泰澄ゆかりのスタンプラリー実施 | 福井県観光振興課 | 平成29年3月~平成30年3月 | 県内十一カ所にてスタンプラリーを実施。泰澄ゆかりの十一面クイズに答えて抽選で、泰澄関連グッズをプレゼント | |
勝山市 | "白山平泉寺開山1300年記念 来場者プレゼント" | 白山平泉寺開山1300年記念 PR事業実行委員会 | 1月1日~12月31日 | 記念ポストカードの配布ウォークラリーの実施 |
"白山平泉寺開山1300年記念 食と音楽の祭典(仮)" | 7月15日~17日 | 白山平泉寺1300年を記念し、ジャズやハープといったしっとりとした雰囲気の音楽を聴きながら平泉寺の雰囲気を楽しめます | ||
平泉寺白山神社宝物館 特別公開 | 7月15日~8月21日 | 宝物館 特別開館の実施 | ||
大野市 | 篠座神社 御鎮座1300年 奉祝大祭 | 篠座の伝統的風景を守る会 | 4月20日~23日 | 里神楽奉納、奉祝大祭、伝統芸能奉納、稚児行列など |
坂井市 | 「白山開山1300年記念 シンポジウム(仮)」 | 坂井市教育委員会 | 8月5日(土) | 専門家・学芸員により豊原寺に関するこれまでの研究成果などを報告します。 |
みくに龍翔館「白山開山1300年記念 霊峰白山豊原寺の歴史と遺産」(仮) | みくに龍翔館 | 10月28日~12月3日 | 豊原寺の関連資料を中心に、坂井市内に残る白山およびその信仰に関する資料を公開 | |
越前町 | "泰澄・白山開山1300年記念 2年連続講演会" | 織田文化歴史館 | 7月・10月・1月 | 平成28年度から2年間にわたり、泰澄や越知山・白山に関係する連続講演会を開催 |
泰澄に関する展覧会(仮) | 10月~12月 | 泰澄大師に関する展覧会の開催 | ||
"越知山トレイルコース(白山開山1300年記念)" | 農林水産課 | 5月・11月 | 泰澄大師の修行道を歩くトレイルの実施 | |
越知山トレイルコース整備(仮) | 商工観光課 | 未定 | 越知山のトレイルコースの再整備 | |
朝日観音開創1300年記念 | 朝日観音御開扉実行委員会(朝日区・内郡区・福通寺) | 4月7日~9日 | 養老元年に泰澄大師が朝日観音を開創されてから1300年になるのを記念し秘仏本尊正観世音菩薩を御開扉します。 |