東京にもない、手間暇かけた本格的ベトナム麺、本格フォーの店を発見した!!
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朝からフォーである。
朝9時からのフォーである。
バトナムでもあるまいし、こんな朝方フォーを食べる人がいるのかと、余計な心配をしてしまう。
元々福井県は人口比率的にベトナム料理店が極端に少ない過疎地である。
フォーというものがどういうものか知らない人も多いだろう。
それなのに朝からフォーであるメニューには、「蒸し鶏のフォー」350円と「牛肉のフォー」450円という安さで掲載されている。
ほぼベトナム現地の値段である。
こんな安価で本格的フォーが食べられるわけがないそんな偏見を持ちながら、まずスープを飲んだ。
一口で腰を抜かした。透明なスープは、滋味が優しく、味に一切の濁りがない。
それでいて各種スパイスの香りが絶妙に鼻腔をくすぐって、スプーン持つ手が止まらない。
麺をすすって腰を抜かした。
自家製生麺なのである。唇当たりが実に優しく、つるんふわりと唇を過ぎて舌の上に滑り込み、噛めばほんのり米の甘みがある。
この麺とスープの抱擁に惚れる。
聞けば麺は、独自に育てた長粒米系を米粉にして、麺を打っているのだという。
一方スープは、牛骨をたたき割り、二日間かけて作っているのだという。
時間をかけるだけでなく、ご覧のように,シナモンや八角,グローブなどをどっさり入れて作っている。
こんなスープと麺は、東京にだってない。
いや現地でも少ないだろう。
このフォーの値段をもう一度言おう。
朝だとフォーガーが350円、フォーボーだと450円。
ちなみに米粉の鳥の唐揚げも美味しいぞ。
こんな誠実な仕事がこの値段で食べられるなんて。
福井の人は幸せだ。
お店の場所はこちら
越麺屋
〒910-0052
福井県福井市黒丸町14-48-1
TEL:0776-89-1825
(株)味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。年間700軒ほど国内外を問わず外食し、雑誌、テレビ、ラジオなどで食情報を発信。そのほか虎ノ門横丁プロデュース、食文化講師など実施。日本ガストロノミー協会副会長、日本食文化会議理事。最新刊は「どんな肉でもうまくする。サカエヤ新保吉伸の真実」世界文化社刊。
7年前に小浜地区の仕事を通じて福井の食材の豊かさに惚れこみ、今回の福井各地の美味しいを探す旅のきっかけとなった。