【美食福井】福井が誇る「越前がに」は、ズワイガニのトップブランド

【美食福井】福井が誇る「越前がに」は、ズワイガニのトップブランド

日本海の豊かな海の幸に恵まれた福井県。特に「越前がに」は、ズワイガニの最高級ブランドで、漁が解禁になると待ちわびたファンが全国から訪れます。

絶妙な塩と茹で加減で旨みを最大限引き出す「茹でガニ」をはじめ、刺身や「焼きガニ」のおいしさは冬の味覚の王者です。


【漁獲時期】11~翌3月

【産地】坂井市、越前町、敦賀市、小浜市

冬の味覚の王者「越前がに」

「越前がに」は、福井県内の港に水揚げされたズワイガニで、脚には黄色いタグが付けられています。タグは産地を証明するもので、1997年に全国で初めて採用されました。2018年にはズワイガニで初めて、地理的表示(GI)保護制度に登録。「越前がに」はズワイガニのトップブランドとして広く知られています。


越前がには資源保護のため、漁期が毎年11月6日から翌年3月20日に限られています。10回以上の脱皮を繰り返して成長し、大きいものは甲羅の幅が15㎝以上にも達します。脚には身が詰まり、旨みが凝縮。ぷりぷりの甘い身の奥深いおいしさは、まさに“冬の味覚の王者”。一度食べたら忘れられないと多くの食通を虜にしています。

地元ならではのカニ料理を堪能

越前がにの代表的な食べ方が「茹でガニ」です。各店が絶妙な塩加減と時間で茹で上げ、カニのおいしさを存分に引き出します。大きな甲羅にぎっしりと詰まったカニみそも絶品。日本酒との相性も抜群です。身を甲羅に入れ、カニみそと混ぜて食せば、コクと旨みが倍増します。


生きたまま水揚げされる越前がには、刺身も美味。生のカニの身を冷水に浸すと、花が開くように美しく広がり、とろけるような味わいに。また、「焼きガニ」は凝縮された旨みに香ばしさが加わり、最高に贅沢です。

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【おいしい豆知識】

日本で唯一の皇室献上ガニ


皇室に献上されるズワイガニは、「越前がに」が唯一。皇室への献上は明治42(1909)年から福井県だけが行っています。

その日水揚げされた越前がにの中から大きさ、重量、見栄えなどすべてにおいて極上のものだけが選ばれ、皇室に献上されます。

【おいしい豆知識】

「水がに」や「せいこがに」も絶品

「カニ王国」福井県には、越前がに以外にも、知る人ぞ知るカニもあるんです。その一つ「水がに」は脱皮直後の雄のズワイガニのことで水分が多く、地元では殻から身を抜くときに「ズボッ」という音が出ることから「ズボガニ」とも呼ばれています。味わいは甘みが強くジューシー。漁期は2月19日から3月20日までと非常に短く、県外にほとんど出まわらないご当地グルメです。


また、雌のズワイガニは甲羅の幅が8㎝前後と雄に比べて小さく、「せいこがに」と呼ばれます。お腹の内子と外子の味わいが格別で、濃い橙色の卵巣である内子は「赤いダイヤ」と呼ばれる珍味です。外子は受精卵でプチプチとした食感がクセになります。芥川賞作家の故・開高健はせいこがにを大変気に入り、「海の宝石箱」と評しました。漁期は11月6日から12月31日までです。

漁業者自ら漁場の環境改善に尽力

福井県底曳網漁業協会は、昭和25(1950)年に前身となる組織が発足し、越前がに漁の発展に尽力してきました。中野良一会長は、越前がにがトップブランドに上り詰めた要因として、全国でも類を見ない「選別」の厳しさがあるといいます。福井の港に水揚げされたカニはセリにかけられ、まず特に上質な雄ガニだけを選別。大きさや甲羅の硬さ、脚折れの有無等について厳しく選別され、「硬がに」として出荷されます。


また、漁場の環境を守る取り組みも注目されています。福井県の漁場では、禁漁の時期である毎年5~7月に漁業者が自ら「海底耕耘(かいていこううん)」を実施。土を耕すように海底を耕すことで環境を改善し、生き物が生息しやすい豊かな漁場を育みます。

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【おいしい豆知識】

越前がにをさらに“極めた”ブランド


2015年に誕生したのが、ズワイガニの最高級「越前がに」をさらに“極めたブランド「越前がに極(きわみ)」。重さ1.3㎏以上、甲羅の幅14.5㎝以上、爪の幅3㎝以上が認定基準で、「極」のタグが認定された証です。


該当する越前がには全水揚量の約0.05%、1シーズンで約100匹に満たないといわれ、ぎっしりと詰まった身の旨味や濃厚なカニみそなど、味わいはまさに極上の逸品です。

【おいしい豆知識】

「越前がに」を食べられるお店の紹介

【美食福井とは】

福井県には、豊かな自然と生産者のこだわりが育む美味があふれています。

「美食福井」とは、それら海、山、里のプレミアムな食材24品目の魅力を余すところなく紹介する特設サイトです。