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【美浜町・民宿体験レポ】女子旅・子連れ旅に福井の民宿が楽しくて美味しくて最高すぎた

【美浜町・民宿体験レポ】女子旅・子連れ旅に福井の民宿が楽しくて美味しくて最高すぎた

海なし県出身の筆者。元々「海」に対する強い憧れがあります。幼少期は毎年夏に家族旅行で海に行くのが定番でした。そして宿は民宿でした。宿のお兄ちゃんが近くで獲ってきたウニの美味しさに感動したり(獲りたてでまだ動いていた!)、朝の漁港ですっころんで父に笑われたり、思い出は今も鮮やかによみがえります。

そんな私も気が付けばアラフォー、一児の母に。私も息子に民宿の楽しさを教えたい!というわけで今回は「福井の民宿」に泊まる旅のレポートです。子連れでなくても、「美しい海の近くで」「美味しいお魚とお酒をじっくり堪能して」「その土地の風土と人情を感じたい」というそこのあなたにおすすめ。それではいざ、福井の民宿旅!

「土地柄・人柄・味覚」を堪能するなら民宿に泊まる選択肢をおすすめしたい

  • 宿の方との交流も旅の醍醐味!
  • 散歩してその土地の空気を感じてみよう!
  • 海の民宿の舟盛りは控えめに言ってサイコーです。

「民宿」と聞くと、「なじみがない」「釣り客の方が泊まる場所」「予約するのに勇気がいる」と思う方も多いかもしれません。それはもったいない!なぜなら民宿はその土地を満喫するのにベストな宿泊なのですから。
民宿は、ホテルに比べリーズナブルに宿泊できる上に、アットホームな雰囲気が魅力。地元在住のオーナーさんや他の宿泊者との交流、その土地特有の料理を楽しみたい方にぴったりです。

さらに海の近くだと地元漁師さんが経営しているところも多く、ここでしか味わえない新鮮な魚介が楽しめちゃうんです。夏場は海水浴と合わせて民宿を利用する人も多く(私の幼少期がまさにそれ)、ファミリーやグループには絶対的におすすめ!地元の穴場スポットも教えてもらえるかもしれません。田舎の親戚の家に泊まりに行くようなアットホームさと、その土地の味覚や魅力を感じたい方は民宿で決まりですよ!

今回の旅の目的地は美浜町!海山湖、美浜町は絶景の宝庫や~♪

  • 駅から駆け出す息子。美浜駅はコンパクトですがレンタサイクルや観光案内も兼ねているので旅のスタートにはもってこいです!
  • 思えば遠くへ来たもんだ。。と浸れる美浜駅構内。
  • 夏は美しい海水浴場へ!
  • 天気の良い日は三方五湖を一望する三方五湖レインボーライン公園へ。絶景です!!

はじまりました、民宿旅!今回訪れたのは福井の嶺南地方に位置する美浜町です。敦賀から車で約20分強。関西からの旅行客も多く、大阪からは高速道路を使って約2時間半のアクセスです。電車では小浜線というローカルな単線で敦賀駅から約20分強。本数は少ないですがこちらものんびりした旅情が味わえるのでおすすめです。

美浜町は白い砂浜と遠浅で透き通る海が特徴の「水晶浜海水浴場」をはじめ、8つの海水浴場があります。美しい海を目当てに毎年15万人の海水浴客が訪れる人気のエリアなんです。
また、ラムサール条約に登録された三方五湖周辺は自転車やバイクのツーリングやボートを楽しめたりとアクティビティも豊富!湖と山の織りなす美しい景観は息をのむほどです。

2024年春の北陸新幹線延伸で関東からのアクセスが良くなります。関東圏のみなさま、美浜へどうぞ~!

Column

JR美浜駅前にオープン!道の駅「はまびより」は終日楽しめる立ち寄りスポット

2023年6月にオープンした道の駅「はまびより」。JR美浜駅の目の前なので、美浜町観光の玄関口として旅のスタートにうってつけのスポットです。私たちはちょうどお昼に訪れたのでランチタイムを堪能しました。
食事処もイタリアンに和食にと様々あるのが嬉しいポイント。道の駅に行ったら必ず寄りたい物産販売コーナー「みはまの市場」は充実のラインナップ!新鮮な野菜を手に入れるなら午前中に立ち寄るのがおすすめです。その他、子どもを預かってくれる施設(なんとおむつの自動販売機もあり)や、イベントスペース、夜オープンするBAR「51Bar Uragawa」(※名前の通り裏側にあるのがニクイ!)まで!本当に1日中居られそう。
「はまびより」は地元の方も旅行者も楽しめるおすすめスポットです。ぜひお立ち寄りください。


道の駅「若狭美浜はまびより」webサイトはこちら

https://hamabiyori.com/

JR美浜駅前にオープン!道の駅「はまびより」は終日楽しめる立ち寄りスポット

民宿に到着!今夜のお宿は「旅館入舟」

  • 玄関で女将が出迎えてくれました。
  • 「なんて名前?あ、裸足に靴はいてたからここでの名前は純一君や!」女将さんのおしゃべりにグッと心を持っていかれます。
  • 「入舟」から海までは目と鼻の先!

美浜町内には30以上の民宿があります。「料理にお宿の個性が出る」とも言われるほどで、それぞれの宿が料理にこだわりを持っているのも特徴の一つ。
夏は三方五湖産の天然ウナギや旬の魚、美浜でつくられるへしこ(主に鯖の糠漬け)など。冬は若狭湾で育った良質で身が引き締まったトラフグ、美浜町日向(ひるが)で水揚げされた寒ブリ、日本海の冬の味覚の王様、越前がになどが味わえます。三方五湖の幸と日本海の海の幸、種類豊富に味わえるのは贅沢の極みです!


今回泊まるのは三方五湖の一つ、日向湖(ひるがこ)沿いに位置する民宿「入舟」さん。玄関を開けると元気な女将の「いらっしゃーい!」という声が!入舟さんは1968年の創業。今の女将は3代目です。現在は大女将とふたりで宿を切り盛り。2020~2021年に2年かけてリフォームした館内は掃除が行き届いていて、すみずみまでピカピカ。うーん、なんて気持ちよいんだ!お世話になりまーす!


美浜町の宿に関してはこちらをどうぞ。各宿のこだわりや、女将や旦那のインタビューが載っていて、宿の特徴が分かります。  

部屋からのオーシャンビュー!夕暮れ時、夕食前にひと散歩

  • 漁に出ていく漁船を見送れます!
  • 角部屋は和室。大きくひらけた二つの窓から海を望む贅沢よ。
  • 堤防にできた小さな潮だまりには小魚がキラキラと泳いでいました。
  • 息子が大きな声で「いってらっしゃーい!」。手を振り返してくれました。
  • 地元の小学生たちと犬の散歩のおじいちゃん。このあとワンちゃんをナデナデ。

チェックインの後はお部屋へGO!今日のお部屋はオーシャンビューの角部屋で、若狭湾と日向湖をつなぐ日向運河(江戸時代に開拓)が目の前に広がります。日向運河では毎年1月に豊漁を祈る神事の「日向の水中綱引き」が行われます。1月も泊まって観たい!

夕飯まで少し時間があるので目の前の沿岸を散策。犬の散歩をしている人や、釣りをしている人(ハゼが釣れるよと教えてくれました)に会いました。これからイカ釣りに行く漁船に「行ってらっしゃーい」と手を振って、学校から帰ってきた小学生のみんなに「おかえりなさーい」と声をかけます。まるで映画のワンシーンのような時間が過ぎていきます。

おまちかねの夕食タイムはどどーんと舟盛り!そして魚介尽くしのフルコース!

  • 鯛にヒラメにカンパチにハマチ、アオリイカに甘エビに…。舟の中で魚介類が輝いています!
  • テンションが上がって撮影しまくる私たち。
  • 女将さんの丁寧な説明も耳に入らないくらい目を奪われる筆者(右)。
  • 先付けのひとつひとつが美味しい。
  • カレイの煮付けは卵がたっぷり。
  • 鯛の塩焼きはひとり一匹でいいんですか。。
  • かんぱーい!満面の笑みが思わずこぼれます。
  • 舟盛りを手づかみで食べる5歳児。相当な量のお刺身をたいらげました。
  • おいしーい!
  • もうおなかに入りません。ごちそうさまでした!

さあ、今回の旅のメインディッシュと言っても過言ではない夕食タイム!「夕飯の時間ですよ~」と呼ばれて、夕食会場のふすまを開けたら。。どどーん!!目の前にキラキラ輝く舟盛りが!!

この舟盛りでテンションが上がらない人はいない!舟盛りに、煮付け、茶碗蒸し、カニ鍋、鯛の塩焼きなどなど。新鮮な魚介を使ったボリューム満点の料理が続々と運ばれてきます。どれも本当に美味しい!ついついお酒もすすんでしまいます。


あとでお伺いしたところ、ふぐの調理を含め、舟盛りや煮付け、焼き魚の担当は大女将。その他の料理は女将と分担して調理しているそう。目利きの大女将が、毎日せりに行って魚介類を競り落としています。美味しい料理に大大大満足、お腹がはち切れんばかりでした!


夜も更けて、お風呂に入って部屋でまったり~。

  • こんなですもの。。もうこのまま寝ちゃえます。
  • 入舟さんは離れに大きな家族風呂が!「温泉みたいで楽しい~」と息子は大喜び。
  • リフォームされた館内。共有部にウォーターサーバーや冷蔵庫が配置されているので部屋でもう一杯という人たちには嬉しい心遣いです。

夕食後はくつろぎタイム。重たいお腹を抱えながら部屋に戻るとお布団がスタンバイされていました。ああ、なんて幸せなんだ。。

今回の旅は平日だったため、私たちの他に一組の宿泊でした。「今日はお子さん連れだし、畳の角部屋に。もう一組のお客さんとは一番離れた部屋にしたから多少にぎやかでも大丈夫だからね」と女将。子連れのお客さんが多い時は、子連れのお客さん同士をお隣にしたりとお客さんが気持ちよく過ごせるように気を配るそう。女将のホスピタリティが光ります。

入舟さんは浴衣や歯ブラシ、入浴用のタオルなどありますが、民宿のアメニティはその宿それぞれで違います。パジャマやバスタオル持参のところもあるので事前にHPなどを確認しておきましょう!

朝の散策で漁港や湖をまわってみたら、海の男たちのやさしさに触れた

  • 旅先の朝ってなんだか特別感があっていいですよね。
  • 停泊中の船とカモメが漁師町の風情を漂わせます。
  • 日向漁港で漁師さんにお魚を沢山みせてもらいました。
  • 鮮度バツグンの魚たち。
  • 多種多様な魚に夢中になりました!

夜、漁船が通るとライトが室内を照らし、息子とその都度ワ―、キャー言っていましたが、ぐっすりと夢の世界へ。気が付けば朝のやわらかい日差しが障子越しにさしていました。まだ昨晩の夕ご飯がお腹に残っているような。。腹ごなしがてら漁師町の朝の様子を見に、散歩に出かけます。

部屋の窓から見えた日向漁港にも足を延ばしてみました。漁港がにぎわう時間はその日によって異なりますが、大体早朝5時半から漁に出て、7時前から仕分けがはじまることが多いそう。仕分け終わった魚たちは敦賀の市場へ届けられます。

「今日は早い時間に漁も仕分けも終わったよ」と言われましたが、少しだけ魚たちを見せてもらえました(海の男たちはちょっと強面ですが優しい人たちです)。10月末から定置網が始まり、日向漁港の漁場は3ヵ所あるそう。定置網の期間はアジやツバス(※ブリの幼魚)、サゴシ(※サワラの幼魚)、カンパチ、カマス、カワハギなど多様な魚が獲れると教えてもらいました。
魚を見ていたらまたお腹がすいてくるんだから不思議なもんです。さあ、朝ごはんを食べに宿へ戻るぞー!


朝食もやっぱりサイコーでした。

  • これぞ日本の朝ごはん!
  • なんと言ってもアラ汁!
  • ずずっ
  • あー沁みる。。サイコー。。(美味しすぎて語彙力が下がります)

宿へ戻るとちょうど朝ごはんの時間でした。アジの開きに、梅干(大女将の手作り!)、アラ汁に納豆、目玉焼きなど。朝からこんなに食べられるのか!?とちょっと心配になりましたが、一口食べはじめると箸が止まらない。ああ、本当に美味しい。。ああ、沁みる。。日本人でよかった。。

民宿のごはんはなぜこんなにも美味しいのでしょうか。そして2日間でこんなに豊富な魚介類をいただくなんて。お腹の中で海の魚たちが泳ぎ回る幻想が浮かぶほどです。本当にごちそうさまでした!

そしてチェックアウトの時。「来たくなったらすぐ電話してや~!」また絶対来ます!!

  • 笑顔の素敵な大女将と女将。本当にお世話になりました。

あっという間にチェックアウトの時間に。お会計をしながらおふたりとしばし会話を楽しみました。「コロナ禍になってからすっかりグループのお客様は少なくなって。家族や数人の旅行になったね」とのこと。「2年かけてリフォームしました。がんばりましたよ!」と笑顔の女将。お二人は嫁姑の関係ですが実の親子の様に仲良しです。「お母さん83歳になったらカフェよしこやるんやろ?」と、大女将(今年80歳とのこと!本当に見えない、お若い!)とのやり取りがとても明るく微笑ましいです。

入舟さんはフグや越前ガニの冬がハイシーズン。「若狭湾の魚は美味しいのよ!都会の子も美味しいって食べてくれるのが嬉しいね」と大女将。「来たいと思ったらすぐ電話してー。家族やちびっこ大歓迎よ」と女将。ポジティブで笑顔の素敵なお二人にぜひ会いに入舟へ(私も家族でまた来ます)!

※追記。入舟さん、2024年プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選の審査員特別賞『日本の小宿10選』に選ばれました(原稿のやりとりをしているときに女将さんからご報告いただきました)!泊まった筆者は納得でしかありません。本当に心地よいお宿です!


二次交通の手段が少ない美浜町。今年からデマンド交通が「チョイソコ美浜」が始まりました!電車を乗り継いで来てくださった方はこちらを使うと便利ですよ!

民泊旅行は夢のような時間の連続だった

  • イカ釣り船の人たちが手を振り返してくれたな~。
  • 美味しすぎて思わず顔を見合わせて笑っちゃったね。
  • 旅の道中、美浜町の海際で大冒険タイム!
  • 三方五湖も気持ちよかった。

美浜の民泊旅行レポートはいかがでしたか。今改めて写真を見直しながら記事を書いていても、「楽しかった!美味しかった!サイコー!絶対また行きたい!」という単純な言葉の羅列しか出てこない筆者です。
5歳の息子は日向の漁師町で海を見ながら「夢みたいだねー、なんて素敵な町なんだろう」とずっと私たちに夢中になって話しかけていました。小さい頃の旅の記憶を「夢みたいだ」と覚えてくれていたらそれはきっととても幸せなことでしょう。子連れ旅に、家族旅行に、大切な人との思い出づくりに。民宿の旅、おすすめですよ。

牛久保星子
福井駅前のカフェ店主。福井で暮らしはじめて9年目。5歳のやんちゃ坊主の子育て中。好きな福井の日本酒は花垣。好きな福井の酒の肴は塩雲丹。