福井が誇る7つの伝統的工芸品〜工房見学や体験も楽しもう! ~

福井が誇る7つの伝統的工芸品〜工房見学や体験も楽しもう! ~

福井県内では7種類の伝統的工芸品がつくられています。長いものでは1500年以上もの歴史があり、その土地の風土や歴史を反映した興味深く美しい工芸品ばかり! それらの特徴や歴史のほか、博物館や体験施設、お土産を購入できる場所などもご紹介します!

美しい光沢に惚れ惚れ! 1500年以上の歴史がある「越前漆器」

起源は古く、6世紀にまで遡ると伝えられている越前漆器。第26代継体天皇(けいたいてんのう)が幼少の頃、現在の鯖江市河和田(かわだ)の塗師が冠の塗り替えを命じられ、その際に手塗の食器も献上しました。その光沢の見事さに深く感動し奨励されたのが始まりと伝えられています。


トチノキ、ミヅメ、ケヤキなどを立木挽き(木目に対して直角に挽くこと)し、塗りは花塗(塗立。研ぎや磨きをせず光沢がある状態に仕上げること)が特徴。光沢と優雅なつくりには定評があり、主産地の名をとり河和田塗としても知られています。


また、サイズや用途もさまざまで、最近は食洗機で洗える漆器も登場しているため、普段使いもしやすくなっています。

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越前漆器の主産地である鯖江市河和田地区は、山間にある自然豊かな地域です。一帯には漆器工房が無数にあり、木地づくり、塗り、加飾などの工程を分業で行っています。なかには見学や購入ができる工房も。地区の中心部ある「うるしの里会館」では、製造工程や歴史的資料などの展示や、伝統工芸士による実演などが行われており、体験も可能です。

国内外に根強いファン多数! 一流料理人も選ぶ「越前打刃物」

1337年に京都の刀匠・千代鶴国安(ちよづるくにやす)が刀剣製作に適した地を求め、現在の越前市に来住し、近郷の農民のために鎌を作ったことから始まったと言われています。江戸時代には福井藩の保護政策などにより、販路も全国に拡大。現在は日本古来の技術を守りながら、包丁、鎌、鉈、刈り込み鋏などを主製品としています。


用途によってさまざまな種類があり、一流料理人たちも愛用するなど、料理にこだわりのある方を中心に、国内外にファンが増えています。中には手元に届くまで数年待ちという包丁も。包丁作り体験や研ぎ体験ができる工房もあり、人気を博しています。

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「タケフナイフビレッジ」では、越前打刃物の製造、販売などを行っています。12社もの刃物会社が集まる共同工房を見学できるのは全国でもここだけ。作業風景を一望出来るスロープからは、職人たちの大胆かつ繊細なプロの技を目にすることができます。


体験工房では、職人の指導のもと、メタルキーホルダーやペーパーナイフ、本格的な包丁作りなどが可能です。

現在のお札にもその技法が息づく「越前和紙」

1500年の歴史を持つ越前和紙。奈良時代から仏教に必要な写経用紙を漉き始めたとされ、その後、「奉書」と呼ばれた将軍家の正式文書や「檀紙」という公家の正式文書にも使われていました。その品質の高さから、明治元年に出された日本最初のお札に採用され、現在のお札にも使われている透かし技法「黒透かし」は、もともと越前和紙に伝わる技法が採用されたものです。


産地である越前市今立地区は、現在も60社以上の製紙会社が集中する和紙の産地として知られています。地区内にある「越前和紙の里」では、紙漉き体験などができるほか、和紙を使ったアイテムの購入も可能。文具や雑貨、アクセサリーなど種類やデザインが豊富で、お手頃価格のものも多いため、お土産にもぴったりです。

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越前和紙の産地・越前市今立地区にある「越前和紙の里」。博物館やお土産物店、体験施設、プロの紙漉きが見学できる江戸時代の紙漉き小屋などが、伝統を感じる自然豊かな街並みの中に集中しています。


近隣には1500年前に紙漉きの技を伝えたとされる川上御前を祀る「岡太神社」もあります。春の例祭「神と紙の祭り」で行われる神事は県の無形民俗文化財。期間中、和紙の里通りでは和紙の即売などのイベントが開催されます。

日本六古窯の1つ! 温かみのある素朴な美しさが魅力「越前焼」

日本六古窯の1つに数えられる越前焼。その歴史は今から約800年前の平安時代末期にまで遡ります。現在では150基以上の古窯が発見されており、大規模な古窯では、平安時代末期から鎌倉、室町、江戸時代にかけて、かめ、壷、すり鉢、舟徳利、おはぐろ壷などの日用雑器が焼かれていたとされます。


丈夫で使い勝手の良い器が多く、温かみのある土の味わいを秘めた素朴な美しさが魅力。土の性質や焼き方によっても風合いが全く異なるので、お気に入りを見つけたら迷わず手に入れて!

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越前焼発祥の地と言われる、越前町小曽原にある「越前陶芸村」。四季折々の風景とアート作品が美しく調和した憩いのスポットです。敷地内にある「福井県陶芸館」には、越前焼の歴史や魅力を紹介する資料館や陶芸教室があります。さらに、越前焼の研究拠点として開館した「越前古窯博物館」、窯元直売所「越前焼の館」のほか、温泉や宿泊施設、お食事処などが点在し、越前焼と越前の山里の魅力を存分に体感できます。

重厚感のある美しさは現代のインテリアにもマッチ「越前箪笥」

越前箪笥の始まりは江戸時代後期頃。越前市本町、元町のあたりには江戸時代後期より木工技術を持った職人が住みはじめ、明治中期ごろに「タンス町」がつくられました。


越前箪笥にはケヤキなどの無垢材を使用し、ほぞ接ぎ技術で釘を使わず組み上げ、表面は漆塗り、越前打刃物技術で作られた鉄製の飾り金具で仕上げます。耐久性も高く、艶やかな光沢を帯び、重厚感のある美しさが特徴です。


現在では、婚礼用よりも調度品として使われることが多くなり、現代のインテリアに合わせたモダンなデザインも増えていますが、その独特の風合いや品質は今も変わらず継承されています。


また、タンス町には現在も和洋家具のお店や建具商などが数十軒立ち並んでいるので、歴史ある街並みを歩いてみては? お土産には、箪笥の技術を使った木工品がおすすめ! 雑貨や玩具など、さまざまなアイテムが販売されており、幅広い世代にファンが多いです。

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タンス町の近くにある「越前箪笥会館」は、越前箪笥の製品や技術を紹介する拠点となっています。各工房自慢の箪笥や指物製品、キャリーバックなどを展示紹介しており、越前箪笥のショールームともいえる存在。越前指物組子を組み込んで制作された会館の入り口にも注目!

独特の模様が美しい! 塗りと研ぎを繰り返してつくる「若狭塗箸」

小浜市でつくられる若狭塗箸は、国内生産塗箸の80%以上を占めます。江戸時代初期、小浜の豪商が国外から入手した漆塗盆を、漆塗職人が模して作ったのが始まりとされており、その後、藩主の手厚い保護のもと独特の技法が完成し、若狭塗と命名されました。


「若狭塗」には、漆を幾重にも塗り重ねては研ぐという「研ぎ出し技法」が用いられます。貝殻、卵殻、金箔で模様をつけ、漆を塗っては石や炭で研ぎ出すことを繰り返すため、完成までには数か月を要します。海の底を表すとも言われる細かな模様と独特の重厚感は、家具や什器などとして幅広く愛用されています。


また、手作業でつくるので、模様は職人によって千差万別。さまざまなデザインの箸があるため、自分用のお土産としてもプレゼントとしても人気です。

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小浜市にある「箸のふるさと館WAKASA」は、若狭塗箸の製造、販売などが行われる、いわばショールーム。3000種類ものお箸が展示されているので、お気に入りの一膳がきっと見つかるはず! 研ぎ出し体験もできるので、世界でたったひとつの自分だけのお箸をつくってみませんか?

美しい光沢と繊細な細工はまさに最高級!「若狭めのう細工」

めのうとは、年輪状の模様をもつ半透明の石英という石のこと。若狭めのう細工は、焼入れにより美しく発色させた原石を、金剛砂(こんごうしゃ)を使って削り、丹念に磨き上げてつくられます。透き通った繊細な光沢と丹念に作られる細工は最高級品と呼ぶにふさわしい逸品です。


奈良時代に玉を信仰する鰐族(わにぞく)が若狭に来て、玉をつくることを仕事としたのが始まりといわれています。一時期は衰退しましたが、享保年間に再興。美術工芸品としての彫刻の技術は明治に入ってから創始されたものです。


鶏などの置物やお椀、箸置き、香炉、盃、珠などのほか、アクセサリーも多く作られており、贈り物にもおすすめです。

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「御食国若狭おばま食文化館」にある「若狭工房」では、めのう磨きとめのう薄板の模様付けといった体験が可能です。インストラクターがサポートしてくれるので、気軽に申し込んでみては? どちらもペンダントまたはキーホルダーとして持ち帰ることができるので、旅の思い出にもなりますよ!

江戸しおり

関東出身、福井在住のフリーランスライター・編集者。
2015年に福井県鯖江市で体験移住をして以来、福井が大好きに!
現在は福井県に移住し、ライターとして福井県の魅力や観光情報を発信するお仕事もしています。
福井の伝統工芸品も大好き! アクセサリーやインテリア、日々の暮らしに色々取り入れています。リビングのテーブルは職人さんに手ほどきを受けて手作りした越前箪笥風。