ふく旅

【NEWオープン】「オーベルジュほまち 三國湊」を徹底紹介!

2024年1月28日、江戸時代、北前船の寄港地として栄えた「三国湊エリア」に、福井県初の本格的な分散・滞在型オーベルジュ「オーベルジュほまち 三國湊」がオープンしました。レトロな三国湊の街並みの一角にあるフレンチレストラン「タテルヨシノ 三国湊」では、フレンチ料理の巨匠である吉野建氏のフレンチも贅沢に堪能できます。

【NEWオープン】「オーベルジュほまち 三國湊」を徹底紹介!

桜子

福井でみつけた美味しいもの、きれいなもの、四季の移り変わりの楽しみなどを発信します。
好きなこと/温泉めぐり、花、和楽器の演奏/

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桜子

分散型オーベルジュ「オーベルジュほまち 三國湊」とは?

北陸新幹線のあらたな駅となる「芦原温泉駅」から車で約20分。えちぜん鉄道三国芦原線の三国駅から徒歩5分。かつて北前船の寄港地としてにぎわい、いまもノスタルジックな街並みの面影を残す三国湊を舞台に、2024年1月28日、一棟貸しの町家が点在する分散型スタイルのオーベルジュ「オーベルジュほまち 三國湊」が誕生しました。総支配人の関田清志様に、お話をお伺いしてきました。


ふく旅ライター 桜子
「オーベルジュほまち三國湊」は、いま注目の「分散型&滞在型」スタイルのホテルだそうですね。
総支配人 関田清志様
北前船の豊かな交易がもたらした日本文化や、風情ある三国湊の街並みを楽しんでいただこうと、エリア一帯に点在する伝統的な町家を9棟16室の一棟貸しのホテルにリノベーションしました。いずれの町家もフロント棟から徒歩約12分以内の範囲にあります。
ふく旅ライター 桜子
エリア一帯の、まちごとホテルなのですね!このあたりは、ノスタルジックな街並みも風情があって、まち歩きも楽しみですね

総支配人 関田清志様
はい、町家で非日常の時間を楽しみながら暮らすように三国湊の魅力を感じていただきたいので、まち歩きや郷土料理体験、日替わりで毎日違う町家に泊まれるなど、お客さまの心に残るアクティビティを多数ご準備しています。

ドラマチック!ほまちの名前の由来とは?

  • 「鱗」(うろこ)の部屋
  • 「立湧」(たてわく)の部屋

「オーベルジュほまち三國湊」の「ほまち」という響き、可愛らしくありませんか?

実はこの「ほまち」には、二つのストーリーがあるそうです。江戸時代中期から明治時代、北海道から日本海をまわり、瀬戸内や大阪方面に物資を売り買いしながら輸送していた北前船。当時の北前船のイメージは、ふんわりと巨大な帆一枚で走る千石船。まさに一獲千金の「宝船」だったようです。

船底の安定に福井県でしか採掘できない青い石「笏谷石」も使われていたそうです。三國湊のような寄港地に船を停めて波がおさまり、良い風が吹くのを待っている状態を、「ほまち」と呼んでいたようです。そして、もうひとつの「ほまち」の意味は、三国では子どものお駄賃、ご褒美のことを「ほまち」と言うそうです。次の羽ばたきに向けて羽を休める帆船のように、「ここに来るお客さまが、次の目的に向かわれるまで、この地での滞在が忙しい日常のご褒美になるように」と願いをこめているそうです。

【おすすめ①】青い帆船のようなフロント棟

  • 青い帆のような天井
  • ウエルカムドリンクは福井の地酒
  • 華やかな引き札です

では、早速、フロント棟からご案内します!まさに「オーベルジュほまち 三國湊」の司令塔。帆船の舵の部分ですね!

1)玄関アプローチの笏谷石

フロント棟の前の階段には笏谷石。かつて福井県でしか採掘できない笏谷石を積んで日本海を走っていた北前船。現在では採掘できなくなった稀少な石をふみしめ、ここから北前船の時代にタイムスリップ。非日常でリュクスな時間が始まります。

2)青い帆のような天井

目に飛び込んでくるのは、まるで大きく風をはらみ出航するようなブルーに波打った布。日本海を走行していた宝船に乗船しているかのような雰囲気に気持ちも自然とあがります。

3)ウエルカムドリンクは、福井の地酒

ウエルカムドリンクには、福井県の銘酒がずらり。伝統工芸の越前焼の器にて楽しめます。お酒が飲めないかた向けに、ソフトドリンクもあります。

4)「引き札」(ひきふだ)

壁に多数飾られている華やかで美しい彩色の絵は「引き札」(ひきふだ)といって、江戸から大正時代にかけて、商店や問屋さんが宣伝のため作っていた現代の「広告チラシ」だそうです。当時は引き札はとても人気の高いものでした。丹念に色合いなどを復元したそうです。ギャラリーのように、アート鑑賞も楽しめます。

【おすすめ②】文人の通った明治の元料亭の町家に泊まれる!

  • 「枡」のダイニング
  • 「枡」の寝室
  • 「枡」の二階のたたみのお部屋
  • 七宝の寝室
  • 七宝のお風呂からみえる窓

三国町安島の海女さんが、昔、仕事の合間に行っていたという刺し子でよく使われていた日本古来の文様。美しく繊細で、ひとつひとつに幸せを願う意味が込められているものですが、客室名も、日本古来の文様から着想を得て、テーマごとに分かれています。

糸を紡いでいくように大切に受け継がれてきた日本古来の文様の名前に、古き良き町家への想いが宿ります。「七宝」(しっぽう)と、「枡」(ます)のお部屋をみせていただきました。しっとり落ち着いた和の空間。明治初期の町家とは思えない和モダンな雰囲気。三国には文人が多く、三国に滞在した三好達治が通った元料亭「たかだや」もお隣にあり、当時の交流をものがたる資料の数々が残されています。「枡」の町家はテーマを「料亭・文学」に定めて、2階には当時の町家で使われていた大きな風格のある屏風も飾られています。忘れていた「日本」の心を感じられるひとときです。

【おすすめ③】江戸時代からの伝統「かぐら建て」の町家に泊まれる!

  • 「分銅」のロフトのあるリビング
  • 「分銅」のバス
  • 「青海波」の中庭
  • 「青海波」の寝室
  • 通り抜けできる奥行きのあるつくり

三國の町家の伝統的な建築様式に「かぐら建て」という建て方があるそうです。屋根の形をふたつ繋げたような形状で、奥行きが長いのです。かつて北前船の豪商問屋の持ち物だった江戸時代から続く「かぐら建て」の町家を見せていただきました。

ひとつの町家のなかに、さらに4つのゆったりした部屋のとれるスケールの大きさ。現在は、「分銅」(ぶんどう)「青海波」(せいがいは)、蔵鍵(くろかん)亀甲(きっこう)という、4つの独立したお部屋が作られています。奥行きのある町家で、通りから川沿いまで通り抜けできて、川沿いに船が着くと、そのまますぐに荷物を降ろして町家に運べるようになっています。骨太でたくましく、豪商問屋の活気あふれる栄華を思わせてくれます。お部屋「分銅(ぶんどう)」はバリアフリーの段差をなくした設計の平屋建て。車いすが楽に移動できるような、開放感のある設計でした。「青海波(せいがいは)」は、リビングから坪庭が見れる贅沢な環境です。2階の寝室も落ち着いた雰囲気です。

【おすすめ④】日本海ビューのテラスのある明治・大正のリュクスな蔵に泊まれる!

  • 「蔵鍵」の寝室
  • 「蔵鍵」のリビング
  • 「蔵鍵」のバス
  • テラスから臨む海
  • テラスの光景
  • 亀甲お風呂
  • 亀甲

さきほどの江戸時代のかぐら建て町家の「蔵」部分にあたるのが「蔵鍵」「亀甲」のお部屋。ゴージャスな天井高と梁の太さと、外国風のインテリアに、豪奢なアウトドア感があります。

これだけの大きな蔵が二つもあったなんて、どれだけ豪商だったのでしょうか。(塩問屋さんだったそうです)しかも、こちらのお部屋は、屋外から目の前の海の見えるテラスつき。潮風と絶景を楽しめる美観スポットも至福のひとときになりますね。

【おすすめ⑤】「タテルヨシノ 三国湊」で巨匠のフレンチがいただける!!

  • 冷製ボルシチ
  • ちりめんキャベツ・フォアグラ・トリュフ

伝統的でハイエンドな日本家屋に、しっくり似合ってしまう「タテルヨシノ 三国湊」のフレンチ。「大地(テロワ)の料理」というコンセプトで日本のフランス料理の草分け的存在の吉野建氏のフレンチは、福井産の食材がお皿のうえで美しい絵画に形を変え、感動と新鮮な驚きの連続でした。お料理は日によって変わるので、メニューと写真は一例です(写真とメニューは一部違います)。


冷製ボルシチ

ムース状でふわふわ。なめらかな口あたりです。

越前蟹

力強い越前の幸がゆずと北前船ゆかりの昆布で越前蟹のうまみを引き出しエレガントなスープに。

甘エビ・キャビア

テリーヌ風。甘エビの優しい色合のソースが早春にぴったりでした。

ちりめんキャベツ・フォアグラ・トリュフ

ミルフィーユ状にフォアグラが入って、着物の柄みたいな美しさ。キャベツ本来の甘みや味の奥行きを感じました。

甘鯛・雲丹

福井の海の幸が絶品でした。ウニのソースに、三国産のラッキョウが合いました。

若狭牛・はまぐり 

柔らかく旨味のある最高級若狭牛です。

喜界島アイスクリーム

喜界島は、吉野シェフのふるさとだそうで、特産のざらめとラム酒でかおりつけの濃厚でさっぱりとしたジェラートでした。

フォンダンショコラ

プティフール 

ペアリングワイン・ロゼのシャンパーニュ・白ワイン シャトー・ギロー・赤ワイン・シャトー・プピーユ

ワインやシャンパーニュも、ペアリングをコーディネートしてくださいました。

お水は「若狭の名水」うりわりの水を出していただけました。

【おすすめ⑥】江戸時代の町家「千鳥」に泊まったら心地よすぎて最高でした!!

  • 三国祭りの山車を目前で見れる特等席
  • 外観
  • 総ヒノキのお風呂
  • 嘉永元年に建築された時の柱

さあ、いよいよ本日、宿泊する町家「千鳥」に着きました。江戸時代に建てられた「かぐら建て」の町家ですが、暗証番号でワンタッチで入ることができてオートロックになっています。江戸時代や明治のころからの町家に実際に泊まるのはどんな感じなんだろうと思いましたが、現代の家屋以上に快適で心地よくて最高でした。

すべてモダンに新しく快適な作りになっているのですが、昔ながらのしっかりした梁や格子などはそのまま大切に残してあり、江戸時代に流れていた時間の記憶が温もりとなって包み込んでくれます。

「嘉永元年」という、当時の棟梁の手書きのサインの残る柱がそのままに残されていました。建築に厚みがあるというか、防音もしっかりとしており、空調も快適で暑すぎず寒すぎず、床暖房まであって、真冬の一月に泊まっても暖かく快適に過ごせました。お庭には笏谷石が青く光り、お風呂は総檜のお風呂で、気分がやすらぐ檜の香りに包まれて入浴することができます。

二階にあがると三国湊の最大の豪奢な祭り、毎年5月19日から21日に行われる三國神社の例大祭である「三國まつり」の巨大な高さ6mにも及ぶ武者人形の山車を、二階の窓から歌舞伎の花道のように目前で見られるつくりとなっています。三國の華である「三國まつり」は、街中が祭り一色になり湧きたちます。「千鳥」のテーマが「三國まつり」というのも納得です。四季を通じて、現代と昔の交差する三国時間の美しさを感じられ「オーベルジュほまち三國湊」を堪能できるお部屋です。

【おすすめ⑦】レトロなまち歩きも楽しい!

  • レトロな通り
  • 旧森田銀行本店
  • 三國バーガーの食べられる三國湊座

「オーベルジュほまち 三國湊」のフロント棟近辺には、レンタサイクルを貸し出す三国湊町家館や、材木商の岸名家が代々住んでいた町家「岸名家」、海運業をいとなみ、北前船の交易で莫大な財をなした豪商森田家の創業した銀行「旧森田銀行本店」。そして、美味しいものもいっぱいあって、名産のらっきょうの入ったハンバーガー「三國バーガー」の食べられる「三國湊座」、三国を代表するお菓子のひとつ「酒まんじゅう」の「にしさか」、「小山屋」。世界観のある街並みの中にぎゅっと魅力が濃縮している三國湊。ぜひ、まち歩きもお楽しみください。


ラグジュアリーのなかにも、キッチンや最新式のドラム式洗濯機も備えられて「暮らすように泊まれる」ので、できれば連泊されてみて、日常の空気感をゆっくりと体感していただけると、魅力がさらに伝わると思います。町家は、想像していた従来の古民家とは全く違って、細やかさがあって、あまりの快適さに、ずっと暮らしてみたくなるほどです。

忙しい毎日のなかで、一棟貸しのレトロ贅沢な時間と福井のガストロノミーと、巨匠のフレンチのコラボの美食を、ご自身へのご褒美にいかがでしょうか。

桜子

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