ふく旅

黒龍酒造「ESHIKOTO(えしこと)」潜入レポート@永平寺町

2022年6月に永平寺町の九頭竜川沿いにオープンした「ESHIKOTO(えしこと)」。福井が誇る「黒龍酒造」の新複合施設を詳しくご紹介します!

黒龍酒造「ESHIKOTO(えしこと)」潜入レポート@永平寺町

大森 望央 -Mio Omori-

ふく旅ライター「ミーハー担当(自称)」
生まれ育って今も暮らす福井駅前情報や、街をとび出し福井県全域の話題のスポットをお届けしていきます٩( ᐛ )و~♪

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大森 望央  -Mio Omori-

複合施設「ESHIKOTO」とは

2022年6月に永平寺町下浄法寺に、黒龍酒造のお酒を核に福井を中心とした北陸の食や文化を伝える複合施設「ESHIKOTO(えしこと)」が構想から10年をかけてオープンしました。

「ESHIKOTO」はそもそも黒龍酒造の親会社にあたる石田屋二左衛門のオリジナルブランドで、そこから施設の名前が付いています。


「えしこと」の「えし」は古語で“良い”という意味で、良い文化を伝える拠点として名付けられています。また、逆から読むと「とこしえ」となり“永遠・永久”、そして「永平寺」の“永”を意味します。


「ESHIKOTO」の舞台は九頭竜川沿いの、全敷地面積約3万坪の場所!その内の約1万坪に施設を建設しています。


【ESHIKOTO】

福井県吉田郡永平寺町下浄法寺第12号17

JR福井駅から車やタクシー・レンタカーで約30分

えちぜん鉄道 勝山永平寺線「永平寺口」駅で下車、タクシーで約5分

※開店時間は各店舗に準じます。
※毎週水曜日は閉館日です。

※20歳以上のご入場となっています。

※飲酒運転は法律で禁止されています。飲酒をされる方は、ハンドルキーパーやご来場方法の確認があります。

※ペットの同伴はご遠慮いただいています。

観光・ご飲食・お買い物でお越しの際は「酒樂棟」へ

「ESHIKOTO」の施設内は、発酵・熟成をさせる建物「臥龍棟(がりゅうとう)」とお酒や食事を楽しめる建物「酒樂棟(しゅらくとう)」に分かれており、「酒樂棟」にはお酒と伝統工芸の小売店「石田屋 ESHIKOTO店」レストラン「Apéro & Pâtisserie acoya」の2棟が併設されています。

今回は、観光で来た方も気軽に立ち寄れる「酒樂棟」について詳しくご紹介します!


※「臥龍棟」は通常、見学できません。今後イベント開催時に開放を予定しています。


株式会社 石田屋の水野真悠さんに案内をしていただきました!

現蔵元の8代目水野直人社長のご息女で、社内の広報のお仕事もされています。

「ESHIKOTO」施設内の魅力をいろいろ教えていただきました。

日本酒の購入やテイスティングがたのしめる「石田屋 ESHIKOTO店」

「石田屋 ESHIKOTO店」では、こだわりの空間のなか日本酒や工芸品などのショッピング、お酒のテイスティングができます。

酒樂棟は、設計を京都芸術大客員教授なども務める古谷俊一さん、アートディレクションをデザイナーの佐藤卓さんが務めています。

酒コーナーには15種類以上ものお酒がずらり!

「ESHIKOTO」シリーズや、黒龍酒造の定番のお酒など贈答品やお土産にぴったりなお酒が販売されています。どれを選んだらいいか悩まれる人も、お店のスタッフの方がそれぞれの商品の特徴を教えてくれたり、一緒に選んでくれるので安心です。

※限定酒は限られた時期に抽選での販売となりますので、詳しくはお店のスタッフにお尋ねください。

テイスティングコーナーでは、おすすめの3種類のお酒を提供しています。

取材した10月初頭には「ESHIKOTO」シリーズの「AWA Limited」「永 五百万石」「梅酒13」と全く異なった味わいのお酒が提供されていました。

テイスティングできる種類は、定期的に変更するそうなので訪れる度に違ったお酒がたのしめますよ。

また、アルコールを飲まれないお客様用にジュースなども提供しています。


テイスティング/45ml×3種類 1,500円(税込)

※1種類600円(税込)でも試飲ができます


オーダーすると店頭にいるスタッフの方がグラスにお酒を注ぎ、それぞれのお酒のこだわりや味わいを教えてくれます。

こちらは「AWA Limited」。15ヵ月以上瓶内熟成させたスパークリング清酒です。「ESHIKOTO」シリーズはすべて福井県産の酒米を使用しています。

テイスティングさせていただきました。シュワっと爽快な飲み口と、オリ本来の複雑な味わいと華やかな風味のバランスがよく、とても美味しかったです!


ふく旅ライター みお
購入する前に味を試せるのは嬉しいですね。また、スタイリッシュな雰囲気に包まれた店内で飲むと、さらに特別感が増して旅の思い出になります!
(株)石田屋 水野真悠さん
こちらの店舗では、店内の設えにもこだわっています。次からは館内の見どころをご紹介します!

福井の伝統工芸品いっぱいの装飾もポイント

まず「石田屋 ESHIKOTO店」の扉を開けるとお出迎えしてくれる黒龍酒造のロゴが入った箪笥は、福井の伝統的工芸品「越前箪笥(えちぜんたんす)」でつくられています。越前市の小柳箪笥店で特別に制作されたものです。

箪笥の一段目のショーケースには越前焼、越前漆器など福井の伝統技術でつくられた酒器が販売されています。手前は越前箪笥の技術でつくられたコースターです。

館内の黒い壁部分はすべて1500年の歴史を持つ越前和紙」が使用されています。美しく重厚感のある見た目と、革のようになめらかで柔らかな手触りが特徴の越前和紙の魅力を存分に堪能できます。

(株)石田屋 水野真悠さん
ここ「ESHIKOTO」が福井の伝統工芸と観光客のみなさんを繋ぐ架け橋になればと思っております。

床やカウンターの青い石はすべて笏谷石(しゃくだにいし)」が使用されています。継体天皇が1500年前に福井市の足羽山で発見したと言われる福井の伝統石材です。黒を基調とした館内のアクセントになっていますね。

受付テーブルや長椅子には、福井市美山で切り出された「美山杉」が使用されています。この杉は、水野社長が自ら美山へ赴き、黒龍の歴史と一緒な樹齢200年の杉を選んだとのことです。とても荘厳な雰囲気を醸し出しており、波打つ木目に長い年月を感じます。

お酒がディスプレイされているバックの布地は、お酒を絞る際に使われる手織木綿の酒袋が再利用されています。柿渋染めの風合いがとても趣深いです。

酒コーナーの背面にある作業場では、「ESHIKOTO AWA」の自然発酵が行われています。お酒のオリを抜くために逆さまにしていて、1日1回夕方頃に「ルミアージュ」というボトルを揺らす作業をしているところを見ることができるそうです。

館内の中心には、デザイナーの結城美栄子さんによるアートデザインが展示されています。お酒づくりに重要な「水」をモチーフに“水の精”をイメージしたアート作品です。店内を見守っています。


【石田屋 ESHIKOTO店】

福井県吉田郡永平寺町下浄法寺12-17 酒樂棟 2F-A

営業時間/10:00〜17:00

定休日/水曜日

九頭竜川の景色を眺めながらリラックス

さて、もう一つの棟に行こうと館内を出ると、広々としたデッキスペースが!

こちらで休憩しながら豊かな自然と九頭竜川の景色を一望することができます。

私が訪れた10月初頭はススキが揺れる秋の景色と九頭竜川のせせらぎが楽しめました。

福井県と岐阜県の県境にある能郷白山が九頭竜川の源で、お酒づくりに欠かせない存在です。「黒龍」の名前は、かつて九頭竜川が「黒龍川」という名だったことに由来しています。


九頭竜川では夕刻になると川辺にたくさんの鳥たちが集まって羽を休めています。「ESHIKOTO」もそのようにお酒を核に人が集まり、福井の文化を伝えていく場所になってほしいという願いが込められています。「ESHIKOTO」のイメージにぴったりなこの場所を探すのにも何年もかかったそうです。

(株)石田屋 水野真悠さん
春には桜、冬は雪景色と四季折々の景色をどうぞお楽しみください。
ふく旅ライター みお
福井の大自然を眺めながら、鳥や虫たちの音色を聞き、ゆっくりと過ごせるところも「ESHIKOTO」の魅力ですね!

「Apéro acoya」の特別な福井ランチを堪能

それでは「酒樂棟」のもう一方の館にある、菓子店が併設されているレストラン「Apéro & Pâtisserie acoya(アペロ&パティスリー アコヤ)」でランチをいただきます!


こちらも黒を基調とした洗練された店内です。

入口にあるカウンターで料理をオーダーし、料金を支払う(キャッシュレス対応となります)とスタッフの方が席までご案内してくれます。

店内の中央にあるテーブルは、大きな美山杉が使用されています。床は笏谷石が使用され、「石田屋 ESHIKOTO店」とも統一感のあるデザインとなっています。

「acoya」では、調理に「火」が大切だということでデザイナーの結城美栄子さんによる“火の精”をイメージしたアート作品が展示されています。

私は窓側の席を利用させていただきました。九頭竜川の景色に見惚れていると、ランチセットが運ばれてきました!

食事は永平寺の精進料理にちなみ“膳”で提供されます。フランス料理と永平寺ならではのスタイルを取り入れたスペシャルランチです!

ランチは肉料理と魚料理から選べます。

この日いただいたランチは「本日の肉料理 2,800円(税込)※ドリンクバー付き」です。

この日のお肉のメインは「黒龍吟醸豚バラのコンフィ」。黒龍の酒粕を食べて育った豚バラ肉を低温の油でゆっくりと火を通して調理されたお肉は、とても柔らかく感動しました!


小鉢は、福地鶏の卵を使用したフラン、九頭竜舞茸のソースがかかっていました。

福井産野菜をふんだんに使用したサラダと、バターナッツかぼちゃを使ったポタージュスープのお椀が付いています。

パンは、黒龍酒造の酒粕から丁寧に種を起こし福井市のカガセイフン粗挽きの蕎麦粉を使ってカンパーニュ風に仕上げているなど、こだわりがいっぱいです!


そして食器やトレーは越前焼や越前漆器、越前和紙など福井の工芸品を使用しています。


まさに福井づくしのスペシャルランチです!

ふく旅ライター みお
福井産食材をふんだんに使用し、主菜・副菜のバランスが取れていて味も絶品なのはもちろん、福井の伝統工芸品に盛られて見た目も美しく、からだの外側と内側の両方から整うランチ。大満足です!

お品書きに生産者の表記もされています。見てください、福井の企業がずらり!


「料理の礎となる生産者の方々と織りなす膳を通して、福井を存分に感じて欲しい」という想いを込めて、福井県敦賀市出身のシェフ 竹内賢太郎さんやスタッフの方々は調理をし、料理を提供しています。

ランチはドリンクバー込みとなっていて、カウンターに取りに行きます。ハーブウォーター、豆入り番茶、玄米茶、宇治焙じ茶、コーヒーなどが選べます。

ここにもこだわりが!

コーヒーは「ESHIKOTO」の近くにある永平寺町「Cozzy Coffee(コージーコーヒー)」のオリジナルブレンドとなっています。豊かなコクと味わいのバランスが抜群!おすすめです。


ちなみにストローは、福井県で栽培収穫された大麦をストローにしています。まさしくオール福井!

作り手の方々へ感謝しながら、ゆったりと贅沢なランチタイムを過ごすことができました。


「Apéro acoya」の「アペロ」とは食前酒「アペリティフ」の略称で、おつまみと一緒に軽くお酒を飲むスタイルを意味します。ランチの際にはもちろん「ESHIKOTO AWA」や「黒龍大吟醸」などのお酒もたのしめますよ。


また、土日祝限定のモーニングや、SNSやメディアで話題のパフェなどが提供されるデザートタイムもあります。是非「acoya」のホームページを参考にしてみてください。


  • 【Apéro & Pâtisserie acoya】

  • 福井県吉田郡永平寺町下浄法寺12-17 酒樂棟 2F-B

  • 平 日 / 11:30-17:00
    土日祝 / 8:00 - 17:00
    定休日 / 毎週水曜日 、 第1・第3・第5火曜日

    〈モーニング 土日祝限定〉8:00 - L.O.9:30

    〈ランチ〉11:30 - L.O.13:30

    〈イートインデザートタイム〉14:00 - 16:00

    〈テイクアウト〉10:00 - 17:00

  • 席数/44席

  • ※イートインは事前予約がおすすめです

「Pâtisserie acoya」では黒龍酒造のスイーツ土産を販売

「Pâtisserie acoya(パティスリー アコヤ)」では、黒龍酒造蔵元のお酒をテーマとしたここでしか味わうことのできない特別なケーキや焼き菓子を販売しています。

こちらの内装は真っ白で、レストラン側とはまた異なった魅力を放っています。

  • 大吟醸と塩CAKE
  • 黄金梅酒CAKE
  • Le mont livreの生マシュマロ

黒龍酒造の大吟醸の酒粕を使用したケーキや、梅酒をつくる際に漬け込んだ黄金梅を贅沢に使用したケーキ、果実のコンポートとガナッシュを詰め込んだしっとりもっちり食感がアクセントの生マシュマロが販売されています。


■大吟醸と塩CAKE/2,600円(税込)

■黄金梅酒CAKE/3,300円(税込)

■Le mont livreの生マシュマロ8個入り/2,900円(税込)


自分へのご褒美や大切な方へのプレゼントにもぴったり!

ケーキはランチタイムにたのしめるデザートとしても注文可能です。


また、黒龍大吟醸の酒粕を使用したソフトクリームもオーダーできますよ。


  • 【Pâtisserie acoya】

  • 福井県吉田郡永平寺町下浄法寺12-17 酒樂棟 2F-B

  • 平 日 / 11:30-17:00
    土日祝 / 8:00 - 17:00
    定休日 / 毎週水曜日 、 第1・第3・第5火曜日

(株)石田屋 水野真悠さん
「acoya」ではSDGsの達成にも取り組んでいます。ケーキの箱を次回お買い上げの際に持ってきていただくと、300円(税込)の値引きを行なっています!

「ESHIKOTO」にこれからも注目です

「ESHIKOTO」プロジェクトはまだ進行中で、酒造施設や宿泊施設などを今後新たに設ける予定だそうです。

日本酒ファンのみなさん!グルメ好きのみなさん!福井大好きなみなさん!美味しいお酒や食事を食べに、ぜひ足を運んでみてください。

【おまけ】

「酒樂棟」には全部で4体のピエロがいます。お越しの際はぜひ探してみてくださいね!

(株)石田屋 水野真悠さん
「ESHIKOTO」へのみなさまのご来場を心よりお待ちしております!

大森 望央 -Mio Omori-

ふく旅ライター「ミーハー担当(自称)」
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大森 望央  -Mio Omori-

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