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【夏の奇祭】あわら湯かけまつりが想像以上だった

「あわら湯かけまつり」っていう、なんだかほんわか楽しそうなネーミングからは想像できないガチの奇祭へようこそ。

【夏の奇祭】あわら湯かけまつりが想像以上だった

ちりり

ディープな福井を愛する独身アラサー。
趣味・特技:ひとり食べ歩き飲み歩き
主な生息地:片町のスナック
あっと驚く福井の新発見を、一緒に楽しみましょう!

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ちりり

あなたは真の湯かけを知っているか

私の町、あわらには「金津音頭」というローカル音頭があって、小さい頃、運動会に向けて毎年校庭で練習していた。

その振りの中で「お湯かけお湯かけ~」というパートがあり、みんなでほっこりと、しとやかにお湯かけの振り付けをしていたのを覚えている。


で、おとなになって出会ったのが、この「あわら湯かけまつり」だ。

そこで私は、この「お湯かけお湯かけ~」のイメージを根底から覆される体験をするのであった。

温泉街に漂うまつりのムード

焼けるような夏の日照りが柔らかくなった夕方ごろ、私はあわらの温泉街へと出かけた。

そこでは太鼓を乗せた花車が、男衆たちに曳かれて温泉街に太鼓の音色を轟かせている。

花車をきらびやかに飾る提灯の灯り、威勢良く響く男衆たちの声、踊り、沸き立つ聴衆・・・

いよいよまつりが始まるという高揚感が漂う。



お祭りムードに沸く芦湯

温泉街の真ん中には「芦湯(あしゆ)」という足湯があり、湯かけ会場にもなるここは夕方からお祭りムード一色に染まる。

広場一体にずらりと立ち並ぶ地元の露店、夜の帳が下りるとともに、会場をほのかに照らす竹灯り、あわら温泉の女将さんがサーブしてくれる生ビール・・・

地元の温泉旅館の人に聞くと、今日は温泉の神様に改めて感謝を伝える、一年に一回だけの特別な日だそうだ。



広場の特設ステージでは歌やダンスで盛り上がり、観客はネオンに照らされながら手拍子やサイリウムでステージの熱気に応戦する。飛び跳ね、はしゃぎまわる子どもたちの笑顔がそこいら中に弾け飛んでいる。


そして始まる真の湯かけ

あたりは完全に暗くなり、広場に設置された特大のやぐらの周りには溢れんばかりの人が集まり、静かに、その時を待っている。

そう、それはまさに嵐の前の静けさだった。



そして、その時が・・・やってきた!!


お湯かけじゃあ〜〜〜!という合図とともに、一斉に何本ものお湯が宙へと噴き出し、待ってましたとばかりに人々がひしめき合い、一心不乱にお湯をかけてかけてかけまくる!!



その様は、ある意味狂気とも言えよう。今日このときだけは老若男女が我を忘れて踊り狂い、お湯をかけ、かけられ、頭から爪先までずぶ濡れになる。

そしてひしめき合う人々の中を、何台ものお湯かけやぐらが温泉をブンブンぶっかけ回しかけながら進んでゆく。



そんな狂気耐えられる気がしない?

いや。湯かけの魔力で、あなたはどんどん湯かけハイになり、ザバザバ降り注ぐお湯にまみれて、踊り狂うことになることを保証しよう。

ただ、濡れてもいい格好で来るのをお忘れなく。

スマホが壊れる?そんなこたあここでは関係ないのだ。


踊り、飛び跳ね、かけられ、かけまくり・・・水鉄砲で攻撃をしかける子どもたちのなんと愛らしいことか。

こうしてあわらっ子たちはお湯愛を深めながら育ってゆくのだろう。


奇祭こそ人生

普段、多かれ少なかれストレスを抱え、忙しく生きている私たち。

まつりは普段の暮らしのありがたみに感謝し、自分自身を開放し、自分が一瞬しかない今を「生きている」ことを実感する貴重な機会だと言えよう。



もちろん地元民以外も参加大歓迎のこの祭り。

濡れてもいい服を来て「あわら湯のまち駅」の前に集まればもう準備完了だ。


さあ、一緒に一心不乱にお湯を浴びて、アドレナリン全開で最高の夏にしようじゃないか!

Are 湯 ready?

ちりり

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