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【永平寺】伝統工芸とカフェの新施設「Hikari Terrace 輝坊」を現場リポート!

大本山永平寺参道に誕生した商業施設「Hikari Terrace 輝坊(ヒカリテラスキボウ)」。
鋳物メーカー「能作」と人気コーヒー店の新業態「ごはんカフェ」、伝統工芸品のセレクトショップの複合店に行ってきました。

【永平寺】伝統工芸とカフェの新施設「Hikari Terrace 輝坊」を現場リポート!

大森 望央 -Mio Omori-

ふく旅ライター「ミーハー担当(自称)」
生まれ育って今も暮らす福井駅前情報や、街をとび出し福井県全域の話題のスポットをお届けしていきます٩( ᐛ )و~♪

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大森 望央  -Mio Omori-

永平寺参道に誕生した「Hikari Terrace 輝坊」へ

福井県永平寺町にある曹洞宗大本山永平寺。寛元2年(1244年)に道元禅師によって開かれた日本最高峰の禅の修行道場であり、毎日多くの方が参拝に訪れる福井県が誇る観光スポットです


大本山永平寺までは、お土産店や飲食店が並び観光客が行き交う「永平寺門前通り」と、境内を流れる永平寺川沿いに続く石畳の景観と静かに響く川のせせらぎが風情のある「永平寺参道」の2つがあります。

画像の永平寺参道は1600年代の古地図をもとに、2019年に復元されました。この通りにある宿泊施設「親禅の宿 柏樹關(はくじゅかん)」の向かいにオープンした新しい商業施設を今回はご紹介します!

商業施設「Hikari Terrace 輝坊(ひかりてらす きぼう)」は、2024年10月2日にオープンしました。永平寺所有の山林から切り出した杉をはじめ、福井県産材をふんだんに使用した木造建築は、石畳の永平寺参道と調和しています。


施設内にはテナントとして鋳物販売店「能作 永平寺店」と飲食店「ごはんカフェ DDC Eiheiji」、伝統工芸品のセレクトショップが出店しています。

越前志比の環境を守り、禅の心に触れようと国内外から福井県に来訪される方々に応えられる場を守り継承してゆく“禅の里をつくる”という理念のもと、こちらの施設を手掛ける株式会社輝峰の志賀さんに「Hikari Terrace 輝坊」をご案内していただきました。

永平寺とご縁のある鋳物メーカー「能作」高岡銅器を今に伝える商品の数々

まずは正面入口から入って右手にある「能作(のうさく)」へ。大正5年(1916年)創業の「能作」は、富山県高岡市にて400年以上の歴史をもつ伝統工芸「高岡銅器」を今に受け継ぐ鋳物(いもの)メーカーです。鋳物とは、熱して液体にした金属材料を型に流し込み、冷やして形状にしたものをいいます。


高岡市の鋳物は仏具との縁が深く、「能作」も長年にわたり大本山永平寺の仏具の製作や修理に携わっています

ふく旅ライター みお
株式会社能作の代表取締役会長は福井県坂井市三国町出身という福井県との繋がりもあるそうですよ!

こちらのお店では、錫(すず)の食器や真鍮(しんちゅう)の花器といったインテリアアイテムなどを300点以上取り揃えています

能作の製品は全て、職人から職人へと受け継がれてきた高度な技術と丁寧な手作業により製作されています。

永平寺店限定の商品は要チェックです!永平寺の寺紋「久我龍胆(こがりんどう)」をあしらった錫100%製の商品「ビアカップ」「ぐい呑み」「茶托」「お香立て」の4点が限定商品として販売されています。旅の思い出やお土産にどうぞ。

「能作」を代表する錫100%の曲がる「KAGO」シリーズもあります。スタッフの方が実際に曲げる様子を見ることができ、錫の滑らかさを体感することができますよ。

もうすぐクリスマスの季節ということもあり、クリスマスパーティーのディスプレイがなされていました。使用シーンが伝わってきてイメージがとても湧きやすいです。また、錫製のアクセサリーなど親しみやすい商品ラインナップも魅力です。

「ごはんカフェ」リラックスした空間でのランチ&ティータイム

正面入口から入って左手には「ごはんカフェ DDC Eiheiji」があります。ガラス張りの明るく広々とした空間でランチやスイーツがたのしめます。

「ごはんカフェ DDC Eiheiji」でまず目に留まったのが、カウンター横にあるコーヒー豆がたっぷり詰まった大型のコーヒーマシン。DDCとはDrip&Drops Coffeeの略で、ごはんカフェのオーナーは群馬県みなかみ町でDrip&Drops Coffeeというカフェを営んでいます。コーヒー豆の卸問屋が開いたコーヒー店で、世界中から厳選輸入した生豆を自社焙煎所にて鮮度を保つために少量ずつ丹精込めて焙煎したものが「ごはんカフェ」でも提供されています。自社焙煎所は群馬県みなかみ町にある成田山水上寺の寺院内にあり、焙煎後にお寺で祈祷をしてから出荷されているとのこと。

「ごはんカフェ」という食事もたっぷり提供するカフェはDDCにとって新しい取り組みだそうです。

ふく旅ライター みお
ごはんカフェのオーナーの実家は曹洞宗のお寺で、大本山永平寺にもご縁があるそうですよ!

注文は、入店時に席を確保してから券売機またはカウンターでオーダーとなります。タッチパネル式の券売機では英語も対応しているので海外からのお客様も安心して利用ができます。

お水は「能作」の錫100%のタンブラーでいただけるサービスとなっています!

錫の重厚な高級感、水を入れると指先から冷たさが伝わり、ひんやりとした口当たりを実感することができます。錫製の商品がどのような飲み心地かを購入する前に試すのにもオススメです。

私は「本日の御膳A(メイン肉料理)|税込1,600円」を注文しました。週替わりのランチ「本日の御膳」は、メインを肉料理または魚料理から選べ、いずれも国産食材を使用しています。


この日の肉料理は、和牛の牛皿御膳。大きな牛肉にタレがしっかりと絡んでいて、永平寺米のご飯が進む!ボリューム満点の定食です。お野菜は福井県内で調達されています。

鯖をぬか漬けした若狭の伝統食「へしこ」永平寺名物の「ごま豆腐」など小鉢5品が付いています。へしこには「能作」の商品が使用されています。

参拝に来られた方に気軽に立ち寄ってほしいという思いのもと「ごはんカフェ」は営業しています

永平寺門前にある飲食店は、おろしそばやソースカツ丼などの福井グルメや精進料理が食べられるお店や団体客で賑わうお店が比較的多いですが、一人でも居心地のよい空間の中でランチをゆっくりと食べられるのが、永平寺での過ごし方のバリエーションが増えてとても嬉しいなと私は思いました。私がお店にいる間も、おひとり様や少人数グループのお客様、女子旅や外国人観光客の方などが多く訪れていましたよ。

福井出身のパティシエがつくるオリジナルスイーツの数々も「ごはんカフェ」の魅力です。画像は「ベイクドチーズケーキ(オレンジピール)プレート|税込700円」と「カフェラテ|税込600円」。チーズケーキは濃厚でオレンジピールのフレッシュさと柑橘の香りがアクセントとなっていてとても美味しかったです!また、ラテアートも可愛くて心も体も温まりました。週末はパティシエもお店にいるそうです。


「ごはんカフェ」では他にも、カレーライスやパンケーキ、DDC人気のフィッシュアンドチップスやアルコールなどのメニューがあります。

伝統工芸品などが購入できるセレクトショップも併設

「ごはんカフェ DDC Eiheiji」には、福井の伝統工芸品などを購入できるセレクトショップが併設されています。商品はカフェでも使用されていて、実際に使って気に入ったものを購入することができます。

現在、福井県内の工芸は3つのメーカーが入っています。1つ目は、1500年の歴史をもつ越前漆器の漆を塗る前の土台となる木地作りをルーツとする木製雑貨「Hacoa(ハコア)」。名刺ケースや時計などの雑貨は、木のぬくもりが感じられると共に、一つ一つ木目の出かたが異なるので世界でたった一つの柄となっています。

2つ目は、大本山永平寺御用達の漆塗師屋の「漆琳堂(しつりんどう)」。越前漆器は伝統工芸品であると同時に、日々の暮らしで使われる生活道具でもあることを意識したデザインや食洗機対応といった使い勝手いい食器が数多く並んでいます。黒や朱色の昔ながらの色合いから、ピンクやオレンジなどカラフルな食器もあり、生活に彩を添えてくれます。

3つ目は、小浜の透き通るような青い海をイメージした“OBAMA blue”の鮮やかなコップなどが印象的な「ガラス工房 KEiS庵(けいずあん)」。福井県嶺北地方で、嶺南地方に位置する小浜市の「KEiS庵」の商品を見て触れて、購入することができるのはとても貴重です!

他にも美濃焼の食器や、水引きの髪留めやピアスなどのアクセサリーも販売されています。

ふく旅ライター みお
1つの場所で様々なものづくりの技と出会い、購入することができるのも特長です!

ワンちゃん同伴OK!テラススペース

「Hikari Terrace 輝坊」の外のお茶席のようなベンチは無料で休憩することができます。ワンちゃんとのお散歩の方もお立ち寄りいただけます。

大本山永平寺はゲージに入ったワンちゃんも寺内に入って一緒に参拝ができます。ワンちゃんと一緒の方にも気軽に活用してほしいとテラス席にはリードを結ぶ場所も備えていて「ごはんカフェ」の利用が可能となっています!大切な家族である愛犬との旅行に嬉しいですね。

永平寺参拝にぜひ立ち寄ってみて

「Hikari Terrace 輝坊」は永平寺に新しい風を吹かせる商業施設であると共に、「能作」などの工芸を通して伝統を受け継いだ本物と触れ合うことで心が研ぎ澄まされ、「ごはんカフェ」で心地よいひとときを過ごすことで自分の心と向き合う、“禅”に通じるものがここにあると私は感じました。

大本山永平寺への参拝や門前まち散策に、あなたもぜひ訪れてみてください。



【Hirari Terrace 輝坊】

住所|福井県吉田郡永平寺町志比24-27


■能作 永平寺店

営業時間|9:00〜16:30

定休日|年中無休

TEL|0776-58-2788


■ごはんカフェ DDC Eiheiji

営業時間|9:00〜16:30(カフェは10:00〜16:00)

定休日|年中無休

TEL|090-3293-0008


※営業時間は変更になることがあります。各店舗のホームページをご確認ください。

大森 望央 -Mio Omori-

ふく旅ライター「ミーハー担当(自称)」
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大森 望央  -Mio Omori-

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