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福井県若狭で生まれる「組子細工」のアクセサリー

福井県の最西端にある高浜町で伝統工芸「組子細工(くみこざいく)」の技術を使い美しいアクセサリーを作っている「Domoto Kougei(どもとこうげい)」をご紹介します。

福井県若狭で生まれる「組子細工」のアクセサリー

maruekaho

福井県若狭地方出身のmaruekahoです。
若かりし頃はネオン街に憧れて東京に浮気もしましたが、やっぱり若狭が大好き!という事に気づき帰郷しました。日々カメラの目を通して若狭の風景やお祭りを写し撮っています。

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組子細工とは

皆さんは日本に古くから伝わる伝統工芸「組子細工(くみこざいく)」をご存じでしょうか。

釘を一切使わずに木を幾何学模様に組み付ける木工技術で、建物や障子や欄間などの建具の装飾に使われています。

組子細工の歴史は古く、約1400年前の仏教伝来の際に寺院建築の技術の一つとして伝わり、現存する最古の木造建築とされる法隆寺の金堂や五重塔、中門などにも見ることができます。

とても繊細な加工による組子細工は職人の情熱と想いにより現在まで受け継がれています。

組子細工の現状

組子細工の現状は、ライフスタイルの変化による需要の減少や、職人の高齢化などにより廃業する工場が増えています。

日本が誇る繊細な伝統工芸の組子細工が途絶えてしまう危機感の中で、伝統を守りながらも、現在のライフスタイルに合わせた組子細工や新たな商品開発をして高度な技術が消えてしまわないように頑張っています。

今回、紹介する「Domoto Kougei」の土本さんも、組子細工の技術を未来に残すために、伝統を守りながらも新たな組子細工の魅力を発信している一人です。

「Domoto Kougei」

「Domoto Kougei(どもとこうげい)」は、福井県の最西端にある高浜町上瀬にある建具と伝統工芸の組子細工の工房「土本工芸(どもとこうげい)」が長年培ってきた組子細工の技術を広く知ってもらうために、代表の土本聡美さんとご主人の恭義さんが二人三脚で立ち上げた事業で、アクセサリーや雑貨の制作、ワークショップなどを開き、組子細工の魅力を世界に広める活動をしています。

今回は、JR小浜線の青郷駅の近くにある工房へお伺いしてお話をお聞きしました。

Domoto Kougeiの始まりは、素敵な出会いから。

「Domoto Kougei」は、土本夫婦が、株式会社和える(aeru)代表の矢島里佳さんと出会ったことから始まりました。

この出会いで土本工芸の技術に目を向けた矢島さんが、思い描くイメージをカタチにするために新商品の制作を依頼しました。

恭義さんが、矢島さんの期待に応えて完成したのが"0歳からの伝統ブランドaeru”の「福井県から 組子細工のオーナメント」です。

このような活動を通じて、組子細工の匠の技術を次世代につなぐために、伝統を守りながらも新たな挑戦をする「Domoto Kougei」を夫婦二人三脚で立ち上げました。


オリジナルブランド「くみことは」

組子細工の繊細な匠の技術や美しい文様の魅力を身近に感じてほしいと、組子とステンドグラスを組み合わせたアクセサリーや雑貨を商品化したオリジナルブランド「くみことは」を作っています。

制作の様子

アクセサリーに使う組子細工の加工の様子を見せていただいたのですが、お手製の治具を使い真剣な表情で、とても繊細な加工をしていく土本さんが、時折に見せる優しい眼差しがとても印象的でした。

組子細工に込められた想い

組子の美しくデザインされた模様(文)には、魔除けや祈願などの願掛けや縁起を祝う意味などが込められています。

「Domoto Kougei」で作られているサンキャッチャーには、麻の葉亀甲という文様が使われているのですが、麻の葉文と亀甲文の二つが合わさった文様で、麻の葉文は、麻の成長の早さや、すくすく伸びる丈夫な性質に重ね、子供の健やかな成長を願ったものです。亀甲文は亀の甲羅を意味する六角形をしていて、長寿などの縁起を担いでいます。

とても素敵な屏風も見せていただきました。

恭義さんが作られた素敵な屏風も見せていただきました。

麻の葉亀甲などの文様に、散りばめられたステンドグラスが光を浴びてキラキラと輝き、何ともモダンで可愛い屏風です。

土本さんもステンドグラスの加工を手伝った力作です。

洋室のインテリアとしても、とても素敵で毎日が楽しく過ごせそうです。「Domoto Kougei」では、このような屏風や建具などの制作もしています。

「くみことは」取り扱いShop

嶺南では、高浜町の「青葉山ハーバルビレッジ」や、おおい町の「暮らしの複合施設hibi」などで販売しています。

青葉山ハーバルビレッジ

青葉山の麓に作られた自然豊かな場所に、SHOPや山野草やハーブを使ったカラダ想いのメニューが楽しめるカフェ、青葉山周辺を案内する「ビジターセンター」やキャンプ場などからなる施設です。

カフェの薬膳カレーや薬膳茶もオススメです。

暮らしの複合施設「hibi

築230年の古民家を移築した暮らしの複合施設「hibi」では、生活雑貨やハンドメイド作品の販売や地元食材を使ったパイやコーヒーの販売、レストランでは地元食材を使った創作料理がランチでいただけます。

2階では、女性限定のよもぎ蒸しサロンやワークショップなどができるスタジオがあり、色々なワークショップやイベントも開かれますので情報は「hibi」のインスタグラムをご覧ください。

工房見学について

「Domoto kougei」では、工房の見学も対応していますが、所要の為に不在になることもありますので事前に電話(090-7301-8854)や公式HPのお問い合わせからご連絡をお願いいたします。

イベント出店やワークショップの情報は

「Domoto kougei」では、少しでも組子を身近に感じていただけるようにイベントなどの出店やワークショップを開き、組子細工の普及にも努めています。

イベントへの出店やワークショップ開催の情報は、インスタグラムをご覧ください。

すべては組子細工を未来へ残す。

日本の伝統工芸がどんどん衰退していく中で、先人が長い年月をかけて作り上げてきた組子細工の技術を途絶えさせてはならないと、土本さん自らが組子細工の繊細な技と文様を継ぎつつ、新たな挑戦の中で現在のライフスタイルに合わせたアクセサリーや雑貨の制作、様々な伝統工芸とのコラボなどによる新たな商品開発、ワークショップを通じて組子細工を作って、楽しんで、知ってもらう活動などを行っています。

大変なこともありますが、作品が完成した時の喜びや、お客様からの感謝の気持ちを糧に組子細工を未来へ残すために今日も頑張っています。

maruekaho

福井県若狭地方出身のmaruekahoです。
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