福井の郷土料理が朝食で食べられる【おすすめホテル2選】+1
旅の朝ごはんは、一日の元気の源。福井を訪れたなら、郷土の味を朝から楽しみたいものですね。今回は、福井の郷土料理が朝食でしっかり楽しめる宿2軒と、駅近で福井らしい朝食が味わえるビジネスホテル1軒をご紹介します。朝食でより福井を知って、旅の体験を深めてくださいね。

桜子
福井でみつけた美味しいもの、きれいなもの、四季の移り変わりの楽しみなどを発信します。
好きなこと/温泉めぐり、花、和楽器の演奏/

朝食で知る福井の食
「越山若水」と称される福井県は、山の恵み豊かな越前と、水の美しい若狭からなる自然あふれる土地です。新鮮な海の幸や発酵食など、福井ならではの味覚も多彩。せっかく訪れるなら、旅の始まりは朝食から楽しみたいもの。今回は、福井の魅力を味わえる朝ごはんが自慢のホテルをご紹介。料理に込められた人の思いを感じながら、福井の食と文化を体験してみませんか?
【リバージュアケボノ】すべては「素敵な朝」のために
「リバージュアケボノ」は、福井の魅力を五感で体験、上質な朝を迎えるために整えられた美食と癒しのホテルです。
朝ごはん、朝風呂、朝の散策——。朝の良さを体感できる立地とおもてなし。これらを整えているのは、すべてお客様に“素敵な朝”を迎えていただきたいという思いから。「あけぼの」という旅館の代からの名前にこめられた「朝への想い」を大切にしています。
暮らすような福井の朝を「お幸ざい朝食」
北陸新幹線の福井延伸を控えた頃、ホテルリバージュアケボノでは「地域の魅力を、ホテル・旅館が一体となってどう伝えられるか」と考え“朝食”に着目されたそうです。
もともと同館で提供していた「福井のおふくろの味・お惣菜バイキング」が好評だったことから、「福井らしい家庭の味を、朝に届けたい」との想いが芽生え、代表取締役の清水さんが郷土の味を伝えるお惣菜の総称を《お幸ざい》と名付けました。
取り組みは2020年「北陸新幹線開業アイデアコンテスト」で最優秀賞を受賞。「お幸ざいを食べに福井に」という声も多く届くようになり、今ではリピーターの楽しみのひとつに。旅先でほっとする味に出会える喜び。福井の暮らしに出会える朝がここにあります。
福井を味わい尽くす「お幸ざい」(1)
60品目以上の小鉢がずらりと並ぶ、福井らしい心づくしの朝ごはんのひとつひとつに郷土の味と丁寧な手仕事が息づきます。まるで福井の家庭の朝ごはんを体験しているかのよう。旅行者にとっては“福井暮らし”の疑似体験ができる時間です。
福井県産のブランド米をはじめ、発芽16雑穀米やおかゆ、数種類のパンなど、和洋どちらの朝食スタイルにも対応。地元野菜をたっぷり味わえるサラダバー、季節の果物をふんだんに使ったフルーツも豊富で、朝から心も体も満たされるラインナップです。急ぎの方には、小鉢を詰め合わせた「お幸ざい弁当」のテイクアウトもご用意。移動中でも、福井のやさしい味わいを楽しめるのが嬉しいポイントです。かつては大皿から取り分けるスタイルでしたが、衛生面と見た目の美しさを考慮し、一口サイズの小鉢で提供するスタイルに。「安心して楽しめる」「選ぶのが楽しい!」と評判、楽天はじめ旅行サイトでの感想も好評で「お幸ざいを食べに福井に行きたい」と、旅の目的にもなっています。
福井を味わいつくす「お幸ざい」(2)
福井各地の郷土食オールスターはじめ、季節ごとに替わるメニューも豊富です。
◯ 里芋の煮っころがし
全国でも名高い大野産の里芋を、じっくりと炊き上げた一品。ねっとりとした食感とほのかな甘み、心までほっとほどける“朝のごちそう”です。
◯ 越前おろしそば(ミニサイズ)
福井の定番ご当地そばを、朝にぴったりのミニサイズ。ピリッとした大根おろしと冷たいそばの喉ごしが爽やかで、目覚めの一杯としてぴったりです。
◯ 麩の辛子和え
地元「麩市」の地辛子を使用。麩に酢味噌と辛子を絶妙に絡めた福井の知恵が光る一皿です。
◯ たくあんの煮たの
甘辛く煮含めた「たくあんの煮物」は、福井の家庭に根づく定番の味。
◯ 鯖の味噌漬け焼き
「鯖街道」でも知られる福井で親しまれてきた味覚。味噌の風味がしっかり染みた鯖を香ばしく焼き上げた一切れは、ごはんがすすむこと間違いなし。
◯ へしこ
塩と米ぬかで鯖を熟成させた伝統的な発酵食品。その深い旨みとコクは、お茶漬けにしても格別です。
ライブキッチンで味わう、カリッと焼きたて!谷口屋さんの油揚げ
全国でも“一世帯あたりの消費金額日本一”を誇る、福井のソウルフード「油揚げ」。中でも大正14年から続く老舗・谷口屋さんの油揚げは格別です。魅力は外は香ばしくカリッと、中はふっくらジューシーな食感。目の前で丁寧に焼き上げられる様子は見た目にも楽しく、食欲をそそられます。じゅわっと広がる旨みと香り、ふくよかな大豆の風味がたまりません。
デザートには、福井ならではの伝統菓子「胡麻団子」や「わらび餅」はもちろん、いちご、チョコ、プレーンとバリエーション豊かなシュークリームもご用意。いずれも素材の良さが引き立つ、甘すぎず上品な味わいです。
暮らすように、福井の食卓を朝食で楽しんでみませんか?
リバージュアケボノ お幸ざい朝食
朝食:6:30~10:00(L.O 9:30)
料金:大人 2,200円 / 小学生以下 1,100円
リバージュアケボノ 宿泊者限定「早朝の散策」で福色のふれあい
リバージュアケボノ 宿泊者の希望者限定で、早朝の散歩企画も開催されており、案内役は代表の方が務められています。わたしたちが訪れた日は、福井初訪問という大学生グループが参加。朝食後、ロビーに集合し、静かな足羽川沿いへ出発しました。川辺に続くのは「桜百選」にも選ばれた、2kmを超える桜並木。やわらかな光に包まれた道を歩くうち、福井の近代化を支えた日下部太郎と親交のあったグリフィス像が現れ、学生たちが地元の歴史に耳を傾ける姿が印象的でした。
足羽山は北前船にも使われた「ふくいブルー」と呼ばれる青みがかった「笏谷石」の産地。どことなく像にふくいブルーの色彩を感じながら、市民に親しまれている足羽山に続く坂の階段へ。息がはずむその先には、神社の境内にある樹齢380年超えのしだれ桜。壮大な存在感に学生たちも歓声をあげます。途中、創業150年余の老舗「麩市」に立ち寄ると、店主が丹精込めた見事な薔薇園が出迎えてくれました。
地元の人の温かさに触れながら歩く時間は「旅の深度」を感じさせる体験。宿泊の際にはぜひ、ガイドブックに載っていない福井の朝を体感してみてください。
(不定期開催:所要時間1時間ほど・フロントにお問い合わせください)
【コートヤード・バイ・マリオットホテル福井】絶景朝日のパノラマビュー
福井県初の外資系ホテルとして、2024年春の新幹線開業とともにオープンした「コートヤード・バイ・マリオットホテル」。
12室のスイートを含む全252室の客室をはじめ、会議室、宴会場、オールデイダイニング、日本料理レストラン、ラウンジ、バーも完備。宿泊者専用フィットネスセンターもあり、福井でいちばんの高層階として見晴らしも抜群。
15階のレストラン「サブスタンス」は、福井市内を一望できる抜群のロケーション。大きな窓から朝日に照らされる白山や荒島岳の見事な眺望を楽しみながら、季節ごとに変わる自然の色彩を五感に刻み、特別な朝を始めることができます。
福井の恵みにこだわった和洋充実の食材
身体にやさしい地元食材をふんだんに使いながら、国際ブランドならではの洗練されたクオリティを融合させた朝食。季節ごとの日替わりメニューもあります。
〇平飼い卵
自然な環境でのびのび育った鶏から生まれる平飼い卵は濃厚な味わい。シンプルな目玉焼きも、ふわとろのオムレツも、そのひと口で素材の良さが際立ちます。
〇こだわりのお米
福井で、ぜひ味わいたいのがブランド米の美味しさ。名水で有名な「大野米」と、注目の「いちほまれ」「コシヒカリ」。噛むほどに甘みが広がり、ついおかわりしたくなる贅沢なごはんです。
〇自家製豆腐と永平寺ごま豆腐
丁寧に仕込まれた自家製豆腐は、やわらかな口当たりとほのかな大豆の甘みが特長。永平寺名物のごま豆腐は、とろりと濃厚で、胡麻の香ばしさが広がる一品。
〇福井産青豆納豆
良質な青豆を使った福井の納豆は、大豆本来の甘みとしっかりとした粒立ちが魅力。さっぱりとした風味で、朝の食卓にぴったりの一品。
〇越前おろしそば(こだわり出汁)
福井名物の「おろしそば」。特筆すべきは、2日かけて丁寧に仕込まれる自家製の出汁です。まろやかで深みのある味わいが、そばの香りとともに朝の食欲を心地よく刺激します。
〇へしこ
福井のソウルフード、鯖のぬか漬けのへしこもスライスとフレークの二種類を用意。
〇味噌汁
大本山永平寺御用達の創業200年の福井の老舗「米五」の味噌を使っています。
ライブキッチンで味わう炭火焼き魚やエッグステーションの卵料理
目の前で調理される臨場感にわくわくする、ホテルならではのライブキッチン。
炭火でじっくり焼き上げるカサゴや鯛などの新鮮な魚は、香ばしい香りとともに、ふっくらとジューシーな旨味が広がります。カウンター内の焼き魚が載っている器には越前焼が使われています。
エッグステーションでは、地元の平飼い卵を使い、お好みに合わせてエッグベネディクトやホワイトオムレツをオーダーメイド。とろけるようなコクと、ふわふわの仕上がりを楽しめます。スパイスが香る本格カレーや、旨味がぎゅっと詰まったホエー豚の厚切りベーコンなど、和洋のバリエーション豊かな料理が並び、どれを選ぶか迷ってしまう楽しい朝のひとときです。
福井県内唯一の最新技術と遊び心のパンケーキマシン体験
福井県初導入の最新パンケーキ自動焼き機は、手をかざすだけで、簡単にふんわり美味しいパンケーキができるので、お子様にも楽しんでいただけます。
トッピングも豊富で、はちみつや福井産の地辛子、ゴルゴンゾーラなどのチーズやバター、クリームチーズにサーモンなどをあしらい、おとなの方用の前菜にも。お子さんがお好きなオリジナルジャム(ブルーベリーや福井梅、ストロベリー)やピーナッツバター、ふわふわのホイップクリーム、チョコレートソースもよりどりみどり。
フルーツの種類もいろいろなので、お好きにトッピングして、自分だけのパンケーキを作れます。福井らしい「恐竜ナゲット」などのキッズメニューも充実しています。
料理長おすすめ「サブスタンス特製」フレンチトーストは魔法の一皿
料理長が自信をもっておすすめするのが、「サブスタンス特製フレンチトースト」。厚切りのブリオッシュ生地に、新鮮な平飼い卵と香り高いバニラビーンズを使ったオリジナルのアパレイユをじっくり約3時間染み込ませ、丁寧にオーブンで焼き上げた一品です。表面には、カソナードをふりかけて、バーナーでブリュレ仕上げにしています。手間ひまを惜しまず仕上げた味わいと極上の食感は、朝からしあわせな気分を叶える魔法の一皿です。
ホテルのスタッフの方々の丁寧な接客とおもてなしも魅力のひとつ。洗練された外資系ホテルの雰囲気に福井らしい心地よさが調和し、滞在のひとときを彩ります。朝食のみの利用も可能なので、福井在住の方々にとっても朝の絶景ビューを堪能しながらの朝食は、非日常で素敵な体験となるのではないでしょうか。
コートヤード・バイ・マリオット福井 朝食ブッフェ
朝食:6:30~10:30(L.O 10:00)
料金:大人 3630円(税込)/ 小学生 半額 / 未就学児 無料
【ホテルエコノ福井駅前】泊まる+使える、エキチカのビジネスホテルでいただく福井の「ぼっかけ」
JR福井駅から徒歩約1分という抜群のアクセスの「ホテルエキノ福井駅前」。宿泊はもちろん、2024年には2階にコワーキングスペースと貸会議室を新設し、泊まるだけでなく「使えるホテル」として進化を遂げました。客室はコンパクトながらも清潔感があり、出張や観光の合間に体を休められる落ち着いた空間。無料Wi-Fiや各種アメニティも充実、快適な滞在をサポートしてくれます。ビジネスや学びの拠点としても活用できる明るく開放的なコワーキングスペースも完備。テレワークや商談、学生の自習利用にも対応しています。コーヒーや紅茶も自由に楽しめるカフェのような空間は福井駅前とは思えない静けさ。月額利用はもちろん、ドロップイン(一時利用)も可能です。
さて、こちらのホテルでは、無料朝食バイキング「エコモニ」の中で「ぼっかけ」という福井の郷土料理を提供しています。北東部勝山市周辺で主に伝承されています。ごぼうやにんじんなどの根菜に、糸こんにゃく、厚揚げを加え、鰹だしでじっくり煮込んだ具だくさんの汁を炊きたてのごはんにたっぷりとかけて味わいます。その素朴なやさしさは、旅人の心もふんわりとほぐしてくれます。「ぼっかけ」の由来には諸説あり、「汁をごはんにかける」から来た説や、「あまりに美味しくて帰る客を追いかけた(=ぼっかけた)」という説もあります。福井県勝山市では、赤いかまぼこや三つ葉を添えた澄んだ出汁をごはんにかけ、海苔やわさびを添えるお茶漬け風のスタイルが特徴。変わらぬおいしさとあたたかさを、ぜひ味わってみてください。食べ方はフロントで丁寧に案内しています。
ホテルエコノ福井駅前
朝食:6:30~9:00
TEL:0776-23-5000
- ふく旅ライター 桜子
- いかがでしたでしょうか?地元食材にこだわり、バリエーション豊富に「福井の朝」を楽しめるお宿と、忙しい朝でも手軽に福井らしさを感じられる駅近のビジネスホテルをご紹介しました。出発前のひとときにぜひ、福井の味わいを取り入れて、旅気分を満喫してくださいね。