【福井県伝統工芸】ものづくり探訪〜前編〜：越前和紙・越前箪笥・越前打刃物・越前漆器＋眼鏡の工房で体験観光｜ふく旅記事｜【公式】福井県観光/旅行サイト

【福井県伝統工芸】ものづくり探訪〜前編〜：越前和紙・越前箪笥・越前打刃物・越前漆器＋眼鏡の工房で体験観光

さあ、福井のものづくりの魅力を感じる旅へ出かけましょう。

大森望央 -Mio Omori-

【福井県の観光ガイドレポーター】
生まれ育って今も暮らす福井駅前情報や県内全域の話題のスポットをお届けしています。

2025年12月05日 915 view

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福井県には長い歴史が育んできた7つの伝統的工芸品があります。何百年も続く工芸の技を、今は自分の手で体験できる時代に。“見るだけの伝統”が、“つくる楽しさ”へと広がっています。

前編は、越前市の伝統工芸「越前和紙」「越前箪笥」「越前打刃物」と鯖江市の伝統工芸「越前漆器」、そして鯖江が聖地である「眼鏡」のおすすめ体験をご紹介します。

1.【越前和紙】〜越前市「五十嵐製紙」で御朱印帳づくりを体験〜

約1500年の歴史を誇る「越前和紙」。美しさと丈夫さを兼ね備えていて、古くから最高品質の和紙として伝わっています。日本最初のお札用紙にも採用され、美術界でもたくさんの芸術家から支持されています。

越前市にある「五十嵐製紙」は、創業100年を超える老舗の越前和紙メーカーです。機械漉き・手漉きの襖紙を中心に、厚みや模様、色合いの異なる壁紙や小物など、幅広い和紙製品を手がけています。なかでも、伝統技法を現代的に進化させ、平面から立体表現まで可能にした伝統工芸士による手漉き大判創作和紙は圧巻です。（画像は、オープンファクトリーイベント「RENEW2025」のときに撮影しました）

こちらでは紙漉き体験も可能ですが、今回は人気の「御朱印帳づくり（大 1,000円）」をご紹介します。

まずは、ずらりと並ぶ色とりどりの和紙の中から好みのものを選びます。手ざわりの違い、模様の美しさに惹き込まれ、思わず時間を忘れてしまいそうに…。職人さんに切り方や貼り方、ちょっとしたコツまで丁寧に教えていただきながら選んだ和紙を重ね、表紙を整えていくと、だんだんと形になっていきます。

そして最後の仕上げを終えた瞬間、世界にたったひとつ、自分だけの御朱印帳が完成！手に取ると、和紙の温かみと達成感をじんわりと感じますよ。

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【五十嵐製紙】

住所｜福井県越前市岩本町12-14

TEL｜0778-43-0267

営業時間｜10:00〜17:00
定休日｜土曜日・日曜日

※営業時間・お休みの日や体験に関しては事前にお問い合わせください

公式サイト｜https://wagamiya.com/

公式インスタグラム｜@igarashi_seishi

2.【越前箪笥】〜越前市「小柳箪笥店」でカンナ削り＆升づくりを体験〜

釘は使わずに木の板と板を組む指物（さしもの）によって作られる「越前箪笥（たんす）」。仕上げの漆塗りには越前漆器の技術を、鉄製金具には越前打刃物の技術が用いられています。江戸時代から婚礼道具や家宝として生活の中で大切にされ、今ではレトロとモダンが調和した“アート性の高い家具”として、多くの人に親しまれています。

越前市にある創業100年以上の老舗「小柳（おやなぎ）箪笥店」。2014年にオープンしたアトリエでは、“木にこだわる”という想いから生まれたブランド「kicoru（きこる）」の商品が並びます。名刺入れ、木製スピーカー、木育アイテムなど越前箪笥の技術を活かしながらも、日常に寄り添うアイテムや斬新なアイデアの商品の数々。一つ一つに宿る職人の想いを知ると、より一層愛おしく感じられます。また、オーダー家具の相談も可能です。

こちらでは、工房見学とワークショップができます。越前箪笥を支える「木」「漆」「鉄」それぞれの工程を見学したあと、ワークショップでは、「福ひのき香り升づくりとカンナけずり体験（工房見学と合わせて4,400円）」に挑戦！まずは、自分の手でカンナを使って木を削る工程へ。うまく削れると、薄くてふわふわの木のリボンのような削り華が！そして、職人の技である“指物技術”を用い、木板を丁寧に組み合わせて升を形づくっていきます。

削り華をくるくる巻くと、小さな花のオブジェに変身。仕上がった升からはヒノキの心地よい香りが広がり、玄関やお部屋に置くと優しいアクセントに。自分で作るからこその愛着が生まれる、木のぬくもりいっぱいの体験です。他にも、木目を生かしたイヤリングづくりなど、多彩なワークショップが用意されています。

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【小柳箪笥店／ kicoru 】
住所｜福井県越前市武生柳町10-7

TEL｜0778-22-1854
営業時間｜10:00〜19:00
定休日｜不定休
※営業時間・お休みの日や体験に関しては事前にお問い合わせください

小柳箪笥店公式サイト｜https://oyanagi-tansu.jp/

小柳箪笥店公式インスタグラム｜@echizentansu.oyanagi

kicoru 公式サイト｜https://kicoru.com/

kicoru 公式インスタグラム｜@kicoru2013

3.【越前打刃物】〜越前市「タケフナイフビレッジ」で両刃研ぎを体験〜

約700年前の南北朝時代の農業用鎌からはじまり、現代では料理用包丁へ。歴史と技術を守りながら、機能性や洗練されたデザインが追求された「越前打刃物（うちはもの）」は、海外からも高い評価を得ています。研ぎ直しもできるため、日常の暮らしの中で長く使い続けることができるところも特長です。

越前市にある「タケフナイフビレッジ」は、「越前打刃物」の伝統を今に伝えるスポット。館内は「工場見学」「ショップ」「体験教室」の3エリアに分かれています。工場は、9社の職人が集まる“共同工房”。スロープから広い工房全体を見下ろせ、作業風景を一望できます。見学は無料で、常時開放。日曜祝日は職人さんがお休みのため、リアルな製作現場を見たい方は平日訪問がおすすめです。また、歴史や製造工程を学べる展示もあります。館内のショップには、現在14社の刃物会社の製品がずらり。スタッフの方が相談に乗ってくれるので、使い心地や用途に合った一本に出会えます。さらに、世界的デザイナー・川崎和男氏によるナイフ作品の展示も見どころ。写真映えも抜群で、来訪者から人気を集めています！

数ある体験の中で、人気の「両刃研ぎ体験（6,000円）」をご紹介します。

職人さんが手元を見ながら丁寧に指導してくれるので、初めての方でも安心です。砥石の上で刃を慎重に滑らせ、少しずつ磨いていくと、金属の表情が変わり、輝きが増していくのが目に見えてわかります。

集中して研ぎあげた後は、最後に柄をつけて仕上げへ。約1〜2時間で“マイ包丁”が完成します。普段の料理も自分で研いだ包丁でつくると楽しさと美味しさ倍増！

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【タケフナイフビレッジ】
住所｜福井県越前市余川町22-91

TEL｜0778-27-7120
時間｜受付時間9:00〜17:00

※体験に関しては事前に予約が必要です

公式サイト｜https://www.takefu-knifevillage.jp/
公式インスタグラム｜@tkv_info

4.【越前漆器】〜鯖江市「うるしの里会館」で絵付けを体験〜

約1500年の歴史を持つ「越前漆器」。江戸時代以降、京都から蒔絵、輪島から沈金を取り入れ、華やかなデザインに変化していきました。1万年以上前から用いられている漆の伝統と機能性はそのままに、現代の暮らしに溶け込むようなカラーバリエーションや食洗機対応などの商品も増えています。

鯖江市河和田地区にある「うるしの里会館」では、越前漆器の歴史や背景を学べるほか、作品の展示や製作工程の見学も可能。館内には地域の工房が手がけた多彩な漆器が並び、購入できるショップスペースも充実しています。

「絵付け体験（2,200円）」のワークショップでは、椀・トレイ・手鏡など、さまざまな漆小物の中から好きなアイテムを一つ選びます。今回は手鏡をチョイス。絵型から選んだデザインを写したり、オリジナルのイラストを描いたりと、表現の自由度が高いのも魅力です。体験中は職人さんが工程を丁寧にレクチャーしてくれます。漆器の光沢を引き立てるように、絵の線を整えたり、色をのせたり――約1時間ほど集中して絵付けと向き合う時間は、とても贅沢なひととき。