ふく旅

米どころ福井の地元住民から教わる「若狭おにぎり体験」!

コシヒカリ発祥の地である米どころ福井。なかでも若狭エリアには美味しいお米に加えて、梅、へしこ、昆布などおにぎりと相性のよい伝統食材が多くあります。そこで暮らす住民の方に教わる「おにぎり体験」とは。体験内容と魅力に迫ります!

米どころ福井の地元住民から教わる「若狭おにぎり体験」!

福井県地域おこしネットワーク

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若狭おにぎり体験が生まれたきっかけ

コシヒカリ発祥の地である米どころ福井県の南部に位置する若狭町。

北陸新幹線敦賀駅も開通したこの機会に、県外や海外からのお客さんを増やし、町の魅力を伝えたいと地元住民を中心に企画したのが「若狭おにぎり体験」です。

ツアー開催までの試行錯誤

  • 試作会の様子

おにぎりというと日本人であれば馴染みがある料理でどこでも購入することができます。

外国人の方でも「ONIGIRI」という単語で広がり、日本を訪れた際に食べたことがある方も多いのではないでしょうか。

そのため、若狭町ならではの体験にしようと打合せや試作を重ねられたそうです。

福井県郷土料理「葉ずし」

  • 試作会でも好評だった葉ずし

その工夫の1つが、福井県の郷土料理「葉ずし」作りです。

「葉ずし」は五目寿司をアブラギリの葉で包む料理です。


使用するアブラギリとは、江戸時代から昭和40年頃まで、主に灯火の燃料として、和傘や提灯、合羽などの撥水材として使われました。福井県では、江戸時代に小浜藩の政策により作付けが行われ、全国でも一大産地となりました。


その後、石油の台頭で使われなくなったアブラギリですが、繁殖力が強く、成長・繁殖を続け、放置された状態で残っています。

香り豊かなアブラギリの葉と、ほんのり甘い五目寿司は相性抜群で、ツアー参加者にぜひ食べてもらいたいという思いから、メニューに加わったそうです。

こだわりの具材「福井梅」

  • 福井梅の梅干し
  • 収穫時の福井梅(品種:紅映)

体験コンテンツにおにぎりを選んだ最大の理由が、若狭エリアの伝統食材です。


まず紹介するのが、江戸時代から生産される「福井梅」です。皆さんご存じの通り、おにぎりとの相性は抜群です。

福井梅は、日本海のリアス式海岸沿いという特有の風土の中で、冬の寒さをこらえ、春の潮風と柔らかな陽射しをいっぱいに浴びて育ちます。若狭の四季を果実に取り込んだうま味や栄養が豊富で、昔ながらの塩としそのみを使う製法で梅干しを作る生産者の方が多くいます。そんな福井梅の梅干しは、住民の方一押しの具材で、筆者も当日いただいたのですが、シンプルながら酸味とうま味が口に広がる梅おにぎりは絶品でした!

こだわりの食材「へしこ」

  • 体験で用意してくださったへしこ

次に、へしこです。へしことは、若狭エリアで親しまれている伝統的な保存食です。主に鯖を使い、まず塩漬けにした後、米糠に漬け込み、長期間発酵させて作ります。糠の風味と鯖の旨味が調和し、独特の香りとコクのある味わいが特徴です。漁に出られない日が多い冬場の貴重なタンパク源として、昔から各家庭で作られてきました。そんなへしこは、おにぎりとの相性は抜群で、1年を通じて用意する食材とのことです。

こだわりの食材「伝統漁法で獲られた鯉・鮒」

  • 鯉の卵の煮つけ
  • 鮒の醤油漬け
  • 鮒の缶詰

最後に紹介するのは、三方湖で獲れた鯉・鮒です。

会場の目の前に広がる三方湖では、400年以上続く伝統漁法を現在でも守り続けています。

12月~3月の間は、伝統漁法の1つである「たたき網漁」が行われます。


たたき網漁とは、水温が低くなり、動きが鈍くなっている魚を驚かせ、網に追い込む漁法です。長さ3~4mの竹を勢いよく振り下ろして、湖面を叩きつけます。「バシン!」と湖に響く音が、地元では冬の訪れを告げる音です。


冬のたたき網漁で獲れた鯉・鮒は臭みがなく、お刺身で食べることができます。

そのおいしさを伝えたい思いから、鯉・鮒を、鯉の卵の煮つけ、鮒の醤油漬けなど、おにぎりに合う味に調理し、具材にすることを決めたそうです。

また、冬以外も鯉・鮒を食べてもらえるよう、鮒を甘く炊いた缶詰も具材として当日並んでいました。


そこに、住民の方の手づくり肉みそや老舗店の昆布などを加え、常時10種類以上の厳選した具材から好きな具材でおにぎりを作ることができます。

ついに、若狭おにぎり体験開催

  • モニターツアーの説明


発案から約半年、モニターツアーが開催されるとのことで筆者も参加させていただきました!

参加者は福井県外からの移住者、海外からの移住者、ラオスからの留学生と幅広い方々が参加していました。

葉ずし作りに挑戦!

ツアーの説明を聞いて、早速葉ずし作りからスタートです。

私以外も、皆さん葉ずしは初めてとのこと。住民の方が丁寧に教えてくれます。


テーブルに用意してくださっている葉は、1枚1枚大きさや形が異なるため、参加者が自分の好きな葉を選びました。

そこに特製のお寿司を乗せて、両手で合掌するようにして作ります。

この際、力強く押さえるのがポイントだと教えてもらったので、おいしくなるよう願いを込めて包みました。

若狭おにぎり作り

  • 当日の具材

次は、体験のメインである若狭おにぎり作りです。


葉ずしの材料と交代する形で出てきたのは、住民の方が用意してくださった11種類の具材です。

お米は、若狭町産の無農薬米が参加者に配られます。


1つ1つ具材を説明してくださり、気になるものは試食を勧めてくれました。

体験会場の目の前にある三方湖で獲れた鯉の卵の煮つけ、フナの醤油漬けや甘露煮など、見たことのない食材が多く、鮒を1口食べてみると、イメージしていた臭みは全くなく、上品な味に驚きました。

その他にも、福井梅、へしこ、老舗のおぼろ昆布、手づくり肉みそなど、事前に説明があったように若狭地域ならではの具材は、選ぶのが非常に楽しかったです。


最終的に、梅、鯉の卵の煮つけ、おぼろ昆布、へしこを選択しました。


他の参加者さんや住民の方との会話を楽しみながら、おにぎりを完成させました。

おにぎりを初めて作る留学生や海外からの移住者の方には、住民の方が丁寧に教えてあげていて、楽しそうに日本の伝統料理を作る姿がとても印象的でした。

プレートにのせかえ記念撮影

ここまでで作った葉ずし、おにぎりに住民の方が作ってくださったお味噌汁を加え、オリジナルプレートが完成しました。


ラオスからの留学生は、家族に自慢するんだと熱心に撮影をしていました。


参加者の方にお願いしていくつかのプレートを撮影させてもらいました。

みんなでランチタイム

参加者や住民の方と一緒にランチタイム!

日常的に口にするおにぎりですが、若狭エリアの食材で作るおにぎりは絶品で、他の参加者や住民の方とのお話も楽しく、最高のランチタイムになりました。

福井に来た際は是非若狭おにぎり体験へ!

現在は一般開催も行っているため、HPから予約すればどなたでも参加が可能です。

季節によって変わる具材からお気に入りを見つけ、自分だけの若狭おにぎりを作ってみてください!


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