【福井駅周辺30分観光】新栄商店街を歩く。~復活の兆しを作り上げたヒトモノコトの後編~
昭和という言葉がよく似合う、と言っていいかどうかはわかりませんが、エキマエにおいて再開発の真逆を突き進み、唯一無二の存在となった商店街があります。「新栄(しんさかえ)商店街」です。いろいろと書いてみたものの、長すぎたので前編後編に分けてみました。後編はその兆しを作っていったお店を紹介していきます。

宮田耕輔
福井のまちづくりをライフワークに、ギャラリーを運営し、まちあるきガイドを育成し、毎年映画を撮り、映画祭を開催し、時々超長文のブログを書いています。
https://fukuitown.fun

<前回まで>
福井駅周辺にある小さな商店街・新栄商店街は、戦後から続く昭和な街並み。一度は忘れ去られた街も、リノベーションと共に、新幹線開業と共に純増30という奇跡の復活を遂げました。
今回は、そんな商店街の黎明期を作ってきたお店を今回はご紹介します。
裏路地の女将「かくれわ食堂」
今の新栄商店街が飲食店街になったまさにはしりのお店が『かくれわ食堂』です。今年で10年目を迎えるこちらは、昼も夜も予約なしでは入れないくらいの人気店に。いろんなSNSなどで見つけてきて、今では外国の方も数多く訪れる場所に。
福井駅の近くにあるお店だからこそ、福井の食をしっかり打ち出したいと、地元で愛される食文化を提供し、県内外、国内外の人たちの頬を緩めます。もちろん魚だって福井の市場から。へしこに厚揚げにと伝統料理も盛りだくさん。日本酒も地酒のオンパレード。加えて女将が全国を旅して見つけてきたお酒なども豊富にあります。
小さな店だからこそ、ひとたび中に入ると隣の人とのコミュニケーションが始まります。県内同士はもちろんのこと、県外から来た方には県内の方が福井の案内をして、県内の方は県外の方の話を教えてもらい、料理もお酒も進んであっという間につながりが生まれていきます。
そうやってファンがたくさん増えていき、福井に来るたびに訪れる、ということも。福井の食、福井の人との交流、それが見事に結実している小さな食堂なのです。
ちなみに、あまり知られてないですが、2階もあります。2階は5~10人用の団体向けの予約制スペースで1日1組限定のヒミツの場所。部署内での歓送迎会などに最適ですよ。急な階段を上がっていくのですが、ここが戦後の建物、戦後から変わらない街の姿、と感じます。
パンツから紅茶へ。「ラナティー」
そしてボクサーパンツ専門店から紅茶専門店に変わった「ラナティー」さん。ボクサーパンツ専門店「ラーナニーニャ」は2013年にオープンしましたが、2025年3月、新栄に「コノジナガヤ」という集合リノベーションを果たした建物が完成し、それを機にボクサーパンツ専門店はオンラインに、実店舗は紅茶専門店になりました。
福井駅周辺にはコーヒーのお店はたくさんあっても紅茶専門店はなく、これまで飲んできて美味しい紅茶を提供したいと、2つのブランドの紅茶を取り揃えています。
一つは「ムレスナティー」。スリランカの朝摘みの若葉だけを使った茶葉に、自然由来のフレーバー。香りは本当にそのフルーツや花の香りですが、飲んだら紅茶。砂糖が入っていないのに甘い感じがするのは錯覚? と思うばかり。人工甘味料ではないので後味もすっきりしています。こちらには約120種類のムレスナティーが販売されているのですが、その一つひとつが気持ちを明るくさせてくれるタイトルになっています。プレゼントにも最適ですね。
加えて「北欧紅茶物語」。この紅茶は全国を見渡してもあまり提供しているお店はありません。もしかしたら北陸で唯一? なのかも。その名の通り、スウェーデン王室御用達の紅茶で、世界初のフレーバーティーとしてギネス世界記録に掲載されているほか、ノーベル賞晩餐会でも提供されている由緒正しい紅茶なのです。
茶葉のポットを開けると、店内にふわっと香りが広がるくらいで、花の香りがとても素敵です。こちらではブルガリアの「ダマスクローズ」のジャムと一緒にいただきます。ちなみに「ダマスクローズ」は毎日食べていると身体がバラの香りになるとか!?
そしてもう一つ、お隣の『MAGO GALLERY FUKUI』の美術家、長坂真護氏がアートの売上でガーナに産業と雇用を生み出している活動を行なっている中、農場を作りモリンガを育てています。そのモリンガティーも飲めて買えます。モリンガはスーパーフードとも言われ、いろんな栄養素が豊富に入っている奇跡の樹なのです。毎日飲んでいると肌艶が良くなるのを実感しています。
チーズフリーク「HAPPY CHEESE」
もう一つ紹介したいのが、チーズ専門店『HAPPY CHEESE』さん。チーズをこよなく愛するオーナーの、こだわりにこだわったチーズを、量り売りしてくれる貴重なお店なのです。普通ならばブロックで、となるところですが、少しずつでもたくさん、いろんなチーズを楽しんでほしい、という思いから、少量でも量り売りしています。
チーズは生きもの。だからデイリーで使いたい人は毎日通うことで違う味に出会える愉しさがあります。周辺のレストランもこだわりのチーズを買い求めにも来ています。
また、一定の期間をお休みして、ヨーロッパにチーズの旅にも出かけていて、新しいチーズを発見して取り寄せていますし、最近は国内のチーズのレベルも上がってきて国内チーズも取り寄せていたりします。時にはチーズイベントも行なっていて、毎回人気のようです。
ちなみに。『HAPPY CHEESE』と『ラナティー』でコラボを行なっており、粉砕した紅茶の茶葉が入ったチーズケーキも開発していて、『ラナティー』でいただくことができます。このチーズケーキ、小麦粉を一切使っていないので、グルテンフリーなケーキです。『HAPPY CHEESE』でもオリジナルのチーズケーキがありますが、こちら人気過ぎなので入手はお早めに。
まちなかの隠れ広場「新栄テラス」
こちらも紹介はしなければ。「新栄テラス」という人工芝の広場です。
この場所はかつて火事があって、店が無くなった場所をコインパーキングにしたところから始まります。まちなかの駐車場は必要ではあるものの、空き地を駐車場にすることは街の風景がどこか“歯抜け”な感じになってしまいます。
そこで、駐車場を借りている業者と、福井市と、福井大学の3者により、かつてない取り決めが行なわれました。まちなかにある福井市所有の未利用地を駐車場として無償で貸し出す代わりに、駐車場の場所を広場にして人が滞在できる場所を作る、というものでした。この取り決めは国土交通省の資料にも掲載されたほどで、画期的だったとされています。
それからはウッドデッキにして広場として活用して、イベントやビアガーデンを開催したりしていました。現在は人工芝を敷き詰めて、まちなかの緑の空間になっています。イベントで使うこともできますので、利用を希望の方は「まちづくり福井株式会社」にお問い合わせください。
リノベーションの真骨頂「コノジナガヤ」
最後に。新栄商店街リノベーションの真骨頂ともいえるのが、2025年3月に完成した「コノジナガヤ」です。
この建物は元々4つだった店舗を1つの長屋スタイルの建物にリノベーションをしました。4つの建物だったので、建物の間からは空が見えます。雨が降れば落ちてきますし、晴れた日には日差しが入ってきます。
この建物には6つのお店が入っています。フルーツカクテルの「ジョルノ」、元からこの場所でお店を開いているカフェ「ココット」、映画のワンシーンみたいなバー「シネマ」、古着と眼鏡の「ピエロギ」、長坂真護氏のアート販売ギャラリー「マゴギャラリーフクイ」、そして前述の「ラナティー」です。
加えてシェアオフィスにシェアキッチン、シェアホールがあります。シェアホールではお弁当販売をしたり、飲食店がスポットで入ったり、個人含めてのイベントを開催したりと、いろんな使い方をしています。かくいう自分もここで競馬のパブリックビューイングをしたりしてます。
シェアオフィスは会社の登記もできるので、オンラインビジネスをしている人や、エキマエで会社の登記をしたい人にはうってつけ。ドロップインもできますよ。
新栄商店街はまだまだいろんな個性的なお店がありますので、観光でちょっと時間が空いたら散策してみてはいかがでしょう。福井のことを知りたかったら、コノジナガヤにいますので気軽にお声がけください。






























