ふく旅

福井名物「へしこ」を食べ尽くす!お土産9種&現地グルメ体験ガイド

福井を代表する発酵グルメ「へしこ」。今回はお土産9種の食べ比べに加え、現地で楽しめる絶品へしこご飯をご紹介。あなたが買いたくなる、食べたくなるへしこがきっと見つかります!

福井名物「へしこ」を食べ尽くす!お土産9種&現地グルメ体験ガイド

のじのじグルメ

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のじのじグルメ

福井の発酵文化を支える伝統食品「へしこ」


福井の発酵文化を語るうえで、絶対に外せない存在——それが「へしこ」です。鯖などの魚を塩漬けにし、さらに米糠に漬け込んで1年以上熟成させた保存食で、雪国北陸の冬の貴重なタンパク源として、昔から重宝されてきました。

特に敦賀以西の嶺南では日常的に食べられるへしこは、その塩気と濃厚な旨み、独特の香りがクセになる県外の方も多く、健康にも良いことから、今では福井の代表的なお土産となっています。

いざお土産店に行くと、バラエティ豊かなへしこ商品がずらり。丸ごと一尾や半身、スライス、焼き、オイル漬けなど、多彩な商品があり、へしこ初心者でも楽しめる時代になっています。


見た目が同じでも、作り手によって味の違いがあり、どれを買ったらいいのか迷うことが多いへしこ。今回は、9種類のへしこ土産の特徴を紹介します。ぜひ、お土産選びの参考にしてみてください。

【食べ比べ①~⑦】へしこの本場!美浜町のへしこ土産7種を食べ比べ!


若狭湾に面する美浜町は、日本で唯一「へしこの町」を宣言しているほど、昔から保存食としてへしこ作りが盛んな町。
そんな美浜町のへしこ土産から、気になったもの7点を食べ比べてみました!



①なぎさ会 鯖のへしこ(半身)

三方五湖のほとり、美浜町日向の主婦の皆さまが1本1本丁寧に漬け込んだへしこです。

【感想】

調味料のみりんが程よく効いて、食べた瞬間、甘みと旨みをしっかり感じます!

マイルドな塩気で、私はこれで白ご飯2回おかわりしちゃいましたw

食べやすくて、へしこ初心者にはお薦めですね。

(塩気)マイルド

(甘み)しっかり

(香り)優しめ

(食感)少し柔らかめ


②日向へしこ工房 勘兵衛 さばのへしこ(半身)

地元産コシヒカリの糠、美浜町の地酒「早瀬浦」の酒粕など、こだわりの調味料で漬け込んだへしこです。

【感想】

酒粕を使っているので、青魚独特の臭みがなく、優しい味わいでとても食べやすい!

味全体のバランスがよく、塩気もかなり控えめで、スライスして生のまま刺身で食べてもいいと思います。

日本酒好きなら酒のお供にしたいへしこですね。

(塩気)かなり控えめ

(甘み)程よい

(香り)生臭さなし

(食感)柔らかめ


③日向へしこ酵房 日の出屋 鯖のへしこ(半身)

熟練の女将さんが作る伝統のへしこ。隠し味に美浜町の地酒「早瀬浦」の酒粕や自家製の唐辛子などを独自の配合でブレンドしています。

【感想】

一口食べると、鯖の風味が口全体にふわっと広がります。私は鯖が大好きなので、鯖本来の味がするのは嬉しいポイントです。

噛んでいると、酒粕と唐辛子の旨みと香りがじわじわ広がって、箸が止まらなくなります。

炙ると魚の風味がさらに増すので、白ご飯が進みますね。

(塩気)控えめ

(甘み)軽め

(香り)鯖の風味しっかり

(食感)少し柔らかめ


※ここまでの3つは量が多い半身です。味の濃い食べ物なので、1食につき一人刺身一切れ分くらいの量で充分。食べない分は切り分けて冷凍保存をしておくのがお薦めです。


④はこべの家 星の子亭 鯖のへしこスライス

ピロール米の糠を使っており、栄養分がとても高いへしこ。こちらも美浜町の地酒「早瀬浦」の酒粕を使っています。スライスなのでご友人などに渡しやすいお土産になります。

【感想】

塩辛さがなく、まろやかで食べやすい!

炙りにすると香りが豊かになるので、お酒と合わせるのにも良いですね。

(塩気)かなり控えめ

(甘み)程よい

(香り)優しめ

(食感)柔らかめ


⑤九十百千 糠漬け鯖へしこのオリーブオイル漬け

スライスしたへしこをオリーブオイルに漬け込み、和風アンチョビのように仕立てた商品。パスタやピザ、カナッペなどに合います。

【感想】

私はパスタとピザトーストに使ってみましたが、アンチョビよりマイルドな塩辛さで食べやすい!

さらに、好みにもよりますが、白カビチーズと合わせてもよくて、ワインとも相性抜群でしたね!

(塩気)控えめ

(甘み)控えめ

(香り)香ばしい

(食感)かなり柔らかめ


⑥九十百千 へしこBURN!!

さばを糠漬けにし、木樽で発酵熟成したものをスライスして炭火で焼いています。 レンジで温めるだけで食べられる手軽さがお土産にぴったりです。

【感想】

これはお茶漬けが一番合いますね!適度な塩辛さが出汁に染みて、するする食べられます。

木樽と炭の香りも特徴的。ウイスキーなど洋酒にも合うと思います!

(塩気)やや控えめ

(甘み)軽め

(香り)燻しっぽい香り

(食感)かなり柔らかめ


⑦千鳥苑 へしこフレーク

焼いたへしこをフレーク状にした最も食べやすい商品。いろんな料理に使える扱いやすさ、常温で保管できる手軽さでとても人気です。

【感想】

半身に比べると量は少ないですが、料理への使いやすさならフレークが一番!

おにぎりはもちろん、だし巻に混ぜたり、サラダやパスタに使っても美味しくいただけました。

まだ試していないのですが、今度お好み焼きに混ぜてみようと思います!

(塩気)やや控えめ

(甘み)軽め

(香り)優しめ

(食感)ふわふわ


美浜町では、へしこの品質・販売力向上、「美浜のへしこ」としてのブランド化をはかりたいという思いから「美浜へしこ組合」を設立しており、へしこの歴史や魅力を組合サイトで紹介しています。(今回紹介した生産者も全て組合の方です)

【食べ比べ⑧】福井市「天たつ」のへしこ酒あらい


福井市に本店を構える「天たつ」は、文化元年(1804年)に越前福井藩主松平家の命を受け、藩の御用商として創業した老舗であり、からすみ、このわたと並ぶ日本三大珍味「塩うに」作りで有名な日本最古の雲丹商です。

⑧天たつ へしこ酒あらい 

「へしこ酒あらい」は、2年がかりで開発した自慢の逸品。へしこを酒で洗ってから酒粕に漬けて塩気を抜くことで、塩気と旨味のバランスを整えた商品です。

【感想】

他のへしこには無い、ねっとりとした舌ざわりが印象的!

噛むと酒粕の芳醇な香りと上品な甘みが口の中に広がります。

これは何も手を加えず生のままで食べるのがお薦め。酒飲みの方にこそ味わってほしいですね。

(塩気)控えめ

(甘み)軽め

(香り)酒粕の香り

(食感)かなり柔らかめ

【食べ比べ⑨】坂井市「へしこ工房 憩い処みなみ」のへしこフレーク

坂井市三国にある「へしこ工房 憩い処みなみ」は、へしこメインの食事が楽しめるお店。みなみのへしこは、へしこが苦手な方にも好きになってもらえるよう、あえて鯖の頭をとって漬けることで、特有の臭みを無くすなどの工夫をしているのが特徴です。また、自店のへしこの効能をDHAやEPA、ペプチドなどの栄養源で数値化しており、へしこがいかに健康的な食品であるかを実感することができます。


⑨憩い処みなみ へしこフレーク  

こちらで購入できるへしこフレークは、旨みの強い中落ち部分のへしこを90%使用し、糠や胡麻をブレンドしたもの。魚の臭みがない万人受けする味で、お土産にもぴったりです。

【感想】

口に入れるとすぐに溢れる旨みが!胡麻の香ばしさも手伝って、白ご飯がぐいぐい進みます!

ピザや炒飯に使うと美味しさが何段階もアップするので、試してほしいですね。

私の一番お薦めの食べ方は、マヨネーズやオリーブオイルなどと混ぜて野菜につけるディップです。市販のどんなドレッシングでも適わないほど美味しくなりますよ。

(塩気)やや控えめ

(甘み)軽め

(香り)炙った香りと胡麻の香り

(食感)ふわふわ

【現地グルメ】美浜町「九十百千」で、へしこの底力を感じる

最初にご紹介した美浜町のへしこは、全て同じ美浜町にある食文化発信施設「九十百千」で買うことができます。

さらに、店内の飲食スペースでは、へしこを使った食事も楽しめます。

特に、へしこの食べ比べをしたい方に食べていただきたいのが、3種のへしこを白ご飯やお茶漬けで食べ比べできる「へしこ茶漬け御膳」

炙ったほぐし身で出てきたのはこちらの3種。

  • ・なぎさ会(食べ比べ①)

  • ・勘兵衛(食べ比べ②)

  • ・嵯峨

  •  →糠の香りが強い昔ながらのへしこ。塩気が強く、お茶漬けにして食べるのに最良です!


羽釜で炊いたご飯で食べるへしこは格別の美味さ!ネギ、大葉、海苔、ワサビと薬味も豊富なので、いろんなお茶漬けの楽しみ方ができます。

一度に食べ比べてみると、塩気、甘み、香りなど、へしこによってそれぞれ全く違った特徴があり、食べ進めるめるうちに好みのへしこも変わっていくのがとても面白いですね。

九十百千でへしこを食べ比べて、気に入ったへしこをその場でお土産として買う。福井旅でへしこが気になっている方にはお薦めです!

5. 【現地グルメ】坂井市「へしこ工房 憩い処みなみ」で、へしこの奥深さを知る

へしこフレークを紹介した坂井市三国にある「へしこ工房 憩い処みなみ」 で食べられるのは、へしこやへしこ糠を活かした「みなみ一押しセットメニュー」(1日限定15食)。

魚、肉、野菜がバランスよく入ったボリュームたっぷりのこのランチ。一番食べて衝撃だったのが、へしこ糠に漬けたアジを揚げたアジフライ!アジを生のままへしこ糠に漬け込むことで、酵素や酵母の力でタンパク質を分解。身が柔らかくなり、食べたことのない極上のふわふわ食感に!糠から旨みと塩気がうつるので、味付け不要!アジフライの新境地にたどり着いた気分です!


他にもへしこドレッシングのサラダやへしこフレークなど、へしこをアレンジしたメニューばかりなので、へしこに馴染みがない方でも美味しく味わえます。発酵食品の奥深さを体感できる、満足度の高いランチです。

まとめ 「ひと口で、旅になる」へしこの魅力

へしこは、福井の風土が育んだ食文化の結晶です。一口ごとに、作り手の思いや地域の特色が感じられます。

今回紹介したへしこ以外にも、地域ごとに個性豊かなへしこが揃っており、食べれば食べるほど「へしこ沼」にハマってしまう魅力があります。

あなたの好みに合うへしこや友達にお薦めしたいへしこをお土産として持ち帰るのもよし、現地で味わって文化に触れるのもよし。

次の福井旅では、ぜひ“へしこ食べ比べ”をしてみてください!


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