その輝きは、小浜の海そのもの【OBAMA blue(オバマブルー)】海岸沿いの小さなガラス工房で出逢う、世界にひとつだけの青
小浜湾添いに静かに佇む「ガラス工房KEiS庵(けいずあん)」は、小浜への深い愛に満ちた小さなガラス工房兼ギャラリーです。店内に並ぶのは、光の加減で刻々と表情を変える、まるで小浜の海そのものを閉じ込めたような作品たち。中でもオリジナルガラス「OBAMA blue」は、小浜湾の海砂をはじめとした地域の素材にこだわり、店主がひとつひとつ想いを込めて作り上げています。小浜だからこそ生まれたその深い色彩は、手に取るたびに旅の記憶を呼び覚まし、日々の暮らしに特別な彩りを与えてくれます。

maruekaho
福井県若狭地方出身のmaruekahoです。
若かりし頃はネオン街に憧れて東京に浮気もしましたが、やっぱり若狭が大好き!という事に気づき帰郷しました。日々カメラの目を通して若狭の風景やお祭りを写し撮っています。

ガラス工房KEiS庵~小浜愛を詰め込んだ海岸沿いの小さな工房~
今回紹介する「ガラス工房KEiS庵」は、海岸近くにひっそりと佇む小さなガラス工房兼ギャラリーです。
店内に足を踏み入れると、青や緑を基調としたやさしい色合いのグラスや食器、花器が静かに並び、まるで海のきらめきに包まれるような空間が広がります。ひとつひとつ、店主が想いを込めて生み出すガラスは、光を受けるたびに表情を変え、その輝きはまるで小浜の海をそのまま閉じ込めたかのよう。どの作品も一点もので、奥行きのある色彩が日常にそっと彩りと癒しを添えてくれます。
観光やドライブの途中にふらりと立ち寄れるこの場所では、作品を眺めるだけでなく、自ら手を動かす楽しさも味わえます。カラフルなガラスを使ったフォトフレームやドアプレート制作、グラスやお皿への絵付け体験など、旅の思い出を“かたち”にできる体験も魅力のひとつです。
KEiS庵は、ただの工房ではなく、小浜の風景とぬくもりを持ち帰ることができる特別な場所。心ほどけるひとときと、世界にひとつだけのガラスとの出会いがここにはあります。
【ガラス工房KEiS庵】
〒917-0001 福井県小浜市福谷9-8-2
TEL 090-2372-1431 or 080-5304-1019
Mail : obama-glass@keis-an.jp
営業時間:10:00~夕方
定休日:水曜日・木曜日
(営業時間外・定休日でも事前にご連絡頂ければ、出来る限りご対応致します)
駐車場:5台程度(無料)
運命の出会いからガラス工芸家を目指す!
KEiS庵主の竹田恵子(たけだけいこ)さんは、長年勤めた市役所を退職し沖縄へ移住します。それは竹田さんにとって、人生を大きく変える出会いの始まりでした。
移住先で出会った琉球ガラスは、沖縄の海や空を映したかのような豊かな色彩と、気泡を含んだ素朴であたたかな表情がありました。ひとつとして同じものはなく、それぞれが個性を宿し、やわらかなフォルムとともに見る人の心をそっと和ませてくれます。その繊細で奥行きのある美しさに、彼女は一瞬で心を奪われました。そして迷うことなく、その輝きの世界へと足を踏み入れたのです。
修行の日々は決して華やかなものではありません。雑用に追われ、ただひたすらに先輩の手元を見つめ技を盗む。思うようにいかない試行錯誤の連続。それでも彼女は、一つひとつの経験を積み重ねながらガラス工芸家へと進んでいきました。
地元小浜でガラス工房立ち上げへ
ところが、順風満帆に修業を重ねている半ばで病に倒れてしまい、修業を中断せざるを得ない時期が訪れます。病み上がりでは、琉球ガラスの工房の日々の激務に身体が付いて行かず、師匠に相談して地元小浜に戻ることを決意します。小浜に戻った竹田さんは、自分のペースでいいからガラス作りを続けたいと、持ち前のバイタリティで小浜発のガラス工房を立ち上げます。しかし、ここで色々な問題が生じます。
1.修業半ばで小浜に戻っているのでガラス工芸家としてのレベルの低さ
2.そもそも小浜にガラス作りの土壌がない。
3.琉球ガラスを名乗れない ※琉球ガラスは沖縄の工房で作られたもののみ
と、小浜でガラス工房を立ち上げるのは結構ハードルが高く、知名度の低さもあり最初はなかなか上手くいかなかったようです。
沖縄と小浜の風が融合したオリジナルブランド「OBAMAガラス」誕生。
そんな苦しい日々の中で、竹田さんは新たな挑戦に踏み出します。それは、「地元の素材でガラスを作る」という前例のない試みでした。
多くのガラス作家が、品質の安定した原料を大手メーカーから仕入れる中、彼女はあえて「小浜の海砂」にこだわります。砂が変われば、溶ける温度も火の扱いもすべて変わる――業界ではタブーとさえ言われる選択でした。
それでも彼女は、持ち前の発想力と執念ともいえる試行錯誤で、その壁を乗り越えていきます。幾度もの失敗の先にたどり着いたのは、海を思わせる深い青とやわらかな緑が溶け合う、唯一無二の色彩。そのガラスは「OBAMA blue」と名付けられました。その輝きは、まさに小浜の風土そのものを映し出しています。
琉球ガラスから受けた影響を大切にしながらも、「OBAMA blue」の完成とともに、竹田さんは「OBAMAガラス」という独自のブランドを築き上げます。そこに込められているのは、単なる技術ではなく、土地への想いと物語です。
「地元の名前を冠する以上、ここでしかできないものを作りたい」その言葉どおり、彼女の作品は小浜の自然や時間、そして彼女自身の歩みを映し出す存在となりました。OBAMAガラスの中に閉じ込められているのは光だけではありません。挑戦し続けた日々と、土地とともに生きる覚悟、そのすべてが詰め込まれたガラスは、ひときわ美しい輝きを放っています。
OBAMA blue~小浜のすべてを溶かし込んだ、透き通る『海』の記憶~
OBAMA blueは、小浜の風土を溶かし込み、形にした特別なガラスです。
原料に使われるのは、特別に許可を取って採集した小浜湾の海砂、そして若狭の海で育まれた若狭牡蠣の殻。長い時間をかけて波に磨かれた砂と、命の営みを終えた牡蠣殻が、炎の中で再び命を吹き込まれ、透き通るガラスへと生まれ変わります。
その青は、ただ美しいだけではありません。砂の記憶、牡蠣が過ごした海の歳月、そして小浜の風土が折り重なり、奥行きのある深い色合いを生み出します。その色はまさに小浜湾に広がる海のごとく、光にかざせば、まるで海の揺らぎをそのまま閉じ込めたかのように、優しく、どこか懐かしい輝きを放ちます。
KEIS庵の手仕事によって生まれる一つひとつのガラスは、同じ青でありながら、決して同じではありません。それは自然と人の手が織りなす“唯一無二”の表情。
「OBAMA blue」それは、小浜の砂と若狭の恵みが織りなす、静かで情緒あふれる海の記憶。手に取るたび、遠い潮騒とやさしい光が、心の奥にそっと広がっていきます。
OBAMA blue「漉青(ろくしょう)」~命を尊ぶ新たな青~
新たなガラスの開発は、小浜市で鳥獣害対策として多くのシカが駆除されている話を聞いた竹田さんが、「命を無駄にしたくない、駆除により捨てられてきた素材を再利用して、地域の新たな資源として生かせないか」との想いからスタートしました。
原料には、地元の海砂とシカの骨を使用し、それらを超高温で熔融することで、翡翠を思わせるやわらかな乳白色と、奥行きのある独特の質感が生まれました。白濁した青は、光を受けて繊細に表情を変え、静かで印象的な存在感を放ちます。
シカの骨は、もともとOBAMA blueの開発過程の中で試された素材の一つであり、ガラスの原料に使うことにより色合いをやわらかくし、これまでにない風合いを生み出すことが分かっていました。しかし一方で、ガラスの粘度が下がるため成形は難しく、高度な技術と工夫が必要でしたが、竹田さんの数年にわたる試行錯誤の末に生まれたガラスは、OBAMA Blue「漉青」と名付けられました。
この取り組みは、これまで活用されてこなかった命に新たな価値を与え、肉や革だけにとどまらない可能性を広げるものです。地域の素材を循環させることで、自然と人との関係を見つめ直す。そんな想いも、このガラスには込められています。OBAMA Blue「漉青」は、命の記憶を宿した、ここにしかない素晴らしいガラスです。
出会いから生まれた、新たな魅力!
OBAMAガラスの魅力を、もっと多くの方へ届けたい。そんな竹田さんの想いから、この特別なコラボレーションは生まれました。出会ったのは、同じ土地で創作を続ける地元の作家たち。互いの感性が響き合い、ひとつひとつ丁寧に仕立てられたアクセサリーや革製品には、ガラスのやさしい輝きと、作家の息づかいが宿っています。
同じものは、二つとありません。光を受けて移ろう表情、手にしたときに伝わるぬくもり。そのすべてが、あなただけの特別な一品です。
日常にさりげなく寄り添いながら、ふとした瞬間に心を満たしてくれる存在。身につけるたびに、この土地の空気や物語を感じることができます。
“ただのモノ”では終わらない価値を、あなたの手に。今この瞬間の出会いを、ぜひお楽しみください。
特別にガラスを作る現場も見学させていただきました。
ガラス作りは、主に砂を高温で溶かして生まれます。その温度は約1400℃にもなります。さらに作業中も、ガラスを成形しやすくするため、炉内はおよそ1300℃に保たれています。
見学した日は3月のまだ肌寒い日でしたが、作業場の中はまるで別世界。炉から放たれる熱が室内にこもり、非常に暑く、乾燥していて、作業の過酷さがひしひしと伝わってきました。
そんな厳しい環境の中でも、竹田さんは私たちに分かりやすく、そして写真写りにも気を配りながら丁寧に説明してくださいました。
※見学は、高温のガラスを扱うため、安全に配慮された場所から行っています。
KEiS庵のガラスは、すべて竹田さんの手作業によって生み出されています。高温で溶けたガラスは一瞬ごとに性質が変化するため、タイミングや力加減、温度の見極めなど、すべてが繊細な感覚と経験に委ねられます。
炉の前は常に高温にさらされ、体力的にも厳しい作業が続きます。ほんのわずかな判断の違いが仕上がりを左右するため、一つひとつに集中力と技術が求められる、決して簡単ではない仕事です。それでも手作業にこだわるのは、機械では表現できない“ゆらぎ”や“ぬくもり”が生まれるから。光を受けて変化する表情や、手にしたときのやさしい質感には、職人の息づかいが宿っています。
同じものは二つとない、世界にひとつだけのガラス。その一つひとつに、時間と手間、そしてつくり手の想いが込められています。
KEiS庵では、ガラスを使った作品作り体験も出来ます。
ガラス工房KEiS庵では、世界にひとつだけのガラス作品づくりを気軽に体験できます。初心者でも安心して楽しめるよう、丁寧な指導のもとで制作を進められるのが魅力です。
体験内容は、色とりどりのガラス素材を使ったフォトフレーム、LEDランプなどの小物づくりや、ガラスに好きな絵や文字を書く絵付けなどがあります。
また、完成した作品はそのまま持ち帰ることができ、旅の思い出や大切な人へのプレゼントにもぴったりです。ガラスの透明感や光の美しさに触れながら、ものづくりの楽しさを実感できる体験は、子どもから大人まで幅広くおすすめです。日常を忘れて創作に没頭できるひとときを、ぜひ体験してみてください。
今回は、フォトフレームづくりを体験しました。
最初に作り方の簡単な説明を受けたら、さっそく作り始めます。

- きらきらと輝く、色とりどりのガラスのかけらは、どれも可愛くて、「この色にしようかな?それともこっち?」と迷う時間も楽しいです。

- 色や形を自由に組み合わせながら、自分だけのデザインを考えるのはワクワクします。

- 見てみて、このかけら可愛くないですか?

- 気づけば、時間を忘れて没頭中!

- こんな感じに、可愛く並べました。

- 次は接着剤を使って、ピースの順番や場所を間違えないように張り付けていきます。

- 完成!とても可愛く出来ました(笑)。
デザインを考えながら、キラキラ輝くガラスのかけらを組み合わせていく作業がとても楽しくて、時間を忘れてずーっと作っていたくなりました。出来たフォトフレームもとても可愛くてお気に入りです。子供から大人まで楽しめると思いますので、旅の思い出作りや大切な人への心を込めたプレゼントにオススメです。
KEiS庵の近くの立ち寄りスポット紹介
KEiS庵に立ち寄った際に、一緒に立ち寄りたいオススメスポットを紹介します。
「鮨一(すしいち)」は、『ミシュランガイド北陸2021』にてビブグルマンに選出された地元で人気の寿司屋です。若狭湾で獲れる旬の地魚を存分に味わうことが出来ます。
「箸のふるさと館 WAKASA」は、全国でも屈指の生産量を誇る「若狭塗り箸」の魅力を体験できる施設です。館内には色彩豊かな若狭塗り箸が並び、貴重な歴史資料の展示や制作工程の紹介、自分だけのオリジナル箸づくり体験も楽しめます。旅の思い出やお土産にもぴったりですのでぜひお立ち寄りください。
世界で一つだけの特別な青が、あなたのお越しをお待ちしています。
小浜で出会ったこの青は、旅の思い出とともに持ち帰ることができます。
ガラス工房KEiS庵で感じた輝きは、日常の中でもふとした瞬間に小浜の海を思い出させてくれるはずです。

































































ガラス作りの面白さは、まさに「完成するまで何が生まれるか分からない」ことにあります。溶けたガラスは、ほんのわずかな温度や動きで表情を変えるため、毎回が新たな発見と学びの連続です。思いもよらない偶然が、美しい形や色を生み出すこともあり、それこそが職人にとっての大きな喜びでもあります。
さらに、ガラス作りには「動」と「静」の不思議なギャップがあります。炎の中で躍動するガラスと、完成したときの静かな美しいガラス、手に取る一瞬まで、何が生まれるか分からない。そのドキドキと驚きが、ガラス作りの最大の魅力です。