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【ふく旅 酒トレイル】福井の酒蔵をめぐる「#04 鯖江市・豊酒造」

270年の伝統を「3D」の味わいへ。蔵元杜氏が醸す、祝祭のスパークリングと挑戦の「別格」ライン

【ふく旅 酒トレイル】福井の酒蔵をめぐる「#04 鯖江市・豊酒造」

HIR☺︎

福井生まれ福井育ち生粋の福井人。写真歴は20年以上。嶺北奥越を中心に福井県内の風光明媚な名勝奇勝を撮り歩いてます。

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HIR☺︎

宝暦3年創業。「ウェディングキャンドル」の名を冠した歴史

鯖江市下野田町にある豊酒造さんにやってきました。宝暦3年(1753年)創業、270年以上の歴史を誇る老舗ですね。すごい!
近くのお寺の記録に残っていたのがその頃ですが、実際はもっと前から続いているかもしれません!
銘柄の「華燭(かしょく)」という名前、すごく華やかで気品を感じますね。
これは大正天皇のご成婚を記念して命名されました。元々は「華燭の典」という、新郎新婦への餞(はなむけ)の言葉なんです。「華燭」は、英語で直訳すると「ウェディングキャンドル」という意味になるんです!
華燭の字は蝋燭を意味していて、祝いの席で人々の心を明るく灯す酒でありたいという願いを込めています。

他所での修行はせず、父の背中だけを追った「蔵元杜氏」の道

佐々木さんは、12代目でありながら自らお酒を造る「蔵元杜氏」だそうですね。
先代(父)が50歳くらいの時に、高齢化などで杜氏さんを雇えなくなった時期がありまして。「それなら自分でやろう」と切り替えたのが始まりです。
修行はどちらへ行かれたのですか?
いえ、私はどこにも修行へ行かず、父の教えだけを頼りに技術を身につけました。代々伝わるこの蔵の「癖」や「やり方」をそのまま受け継いでいます。

酒米を福井産「五百万石」に絞り込み、3D(三次元)の奥行きを描く

お酒の味の設計でこだわっていることはありますか?
私はあえて、酒米を福井県産の「五百万石」に、酵母も特定の種類に絞り込んでいます。素材を固定することで、造り方の工夫でどこまで立体的な「濃厚で奥行きのある、3D(三次元)な味わい」を出せるかに挑戦しています。

仕込みの時期だけの特権「責め」

いま、3月の半ばですがちょうど仕込みが終わったばかりとのことですね!この時期にしか飲めない貴重なお酒もあるとか。
ええ、お酒を搾る際、一番最後に圧力をかけて出す「責め(せめ)」という部分があります。アルコール度数も高めで、ガツンと力強い味わい。これは今の時期ならではの楽しみですね。いま(3月半ば現在)蔵で売ってるのが最後のロットで無くなったらまた来年ですね。毎年すぐなくなるのでお早めにどうぞ!(※3/23時点で完売しております)
職人のエネルギーを感じる一杯ですね!他にも「アナザー」という名前の変わったお酒があるとお聞きしました。
「アナザーの白」は、麹(こうじ)を通常の2倍、仕込総米の4割も使った「四割麹仕込み」のお酒です。通常は麹の使用割合が2割程度ですが、あえて4割まで引き上げることで、米の旨みと甘みを極限まで凝縮させています。
「アナザー」のシリーズは、呑み手に驚きを!をコンセプトに作っておりますので、たくさんの人にワクワクしながら飲んでいただきたいです。

県外でファン急増中?飛び切り燗専用酒「ちゅんちゅん」の秘密

ちゅんちゅんって可愛い名前の熱燗用のお酒もあるんですね!
これは飛び切り燗専用のお酒なんです。「ちゅんちゅん」というのは、福井の言葉で触れないくらい熱い様子を表します。熱々に温めて飲んでほしいという思いで名付けたのですが、このネーミングと、温めた時の米の膨らむような香りが県外の方にも面白がっていただけているようです!

「失敗」を放置した先にあった、自然な泡のスパークリング

豊酒造さんといえば、スパークリング日本酒「メトード・リュラル」も有名ですね。
実はあれ、最初は低アルコールのお酒を造ろうとして失敗し、そのまま放置していたら瓶の中で勝手に泡が出てきたのがきっかけなんです。
え?偶然の産物だったんですか!
飲んでみたら美味しくて。そこから改良を重ねて、スパークリングワインの伝統技法である「メトード・リュラル(田舎方式)」という製法に辿り着きました。アルコール度数は9%の低めで、結婚式の最初の乾杯でシャンパン代わりに楽しんでほしいですね。

1997年は完売。それでも続く、3年以上熟成の「時の美学」

熟成酒もファンが多いですよね。ホームページで見かけた「1997年」のものは……?
ああ、1997年のものは、おかげさまで完売してしまいました。
それは残念……!でも、今でも熟成の取り組みは続いていますよね。
もちろんです。うちは3年以上寝かせたものを「熟成酒」として出しています。時が経つとメロンのような香りから、火打ち石(カラメル的な)のような複雑な香りに変わっていく。時の流れがもたらす変化も、日本酒の魅力です。

ペアリングの正解は「わさび醤油」と「出汁の効いた越前そば」

「食に寄り添う地酒」として、おすすめの食べ合わせは?
私は具体的に「これはわさび醤油に」「これは黒胡椒に」とお伝えしています。福井の「越前そば」とも相性がいいですよ。出汁の味がしっかりしているので、うちの濃厚なお酒がその旨味をしっかりアシストしてくれます。

鯖江駅から徒歩30分!? 旅人へのアドバイスと買える場所

観光客が蔵に直接買いに来ることも多いですか?
鯖江駅からバスが3時間に1本だったりするので、徒歩30分かけて来られる方もいて申し訳ないなと。
電車旅の方は駅前で買うのが良さそうですね。
福井駅なら「みずもと」さん、「かゞみや」さん、西武福井店の地下には置いてあります。スパークリングのボトルは常温(冷暗所)で持ち運べるよう試験済みなので、安心してお持ち帰りください。※夏場は温度が高くなりすぎないように注意!

「レジェンドを超えていく」若手蔵元のパワーとAIの活用

佐々木さんは、マーケティングにAIも活用されているとか。
キャッチコピーの案出しなどはAIに相談しています。私たちが伝えたい熱意を、2~3行でビシッとまとめてくれるので重宝しています。
伝統と最新技術、まさにハイブリッドですね。
福井には今、若い蔵元が多くて活気があります。レジェンドたちが築いた土台を守りつつ、失敗を恐れずに新しい日本酒の魅力を発信していきたいですね!

旅に一本、祝祭の灯を

豊酒造の「華燭」は、お祝いの席を彩る「ウェディングキャンドル」のように、飲む人の心を温かく灯してくれます。季節限定の「責め」や、4割麹「アナザー」、そして熱々の「ちゅんちゅん」などなど。福井の旅の思い出に、心躍る一本を見つけてみませんか?

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福井生まれ福井育ち生粋の福井人。写真歴は20年以上。嶺北奥越を中心に福井県内の風光明媚な名勝奇勝を撮り歩いてます。

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