旅先でも無性に食べたくなる!ランチタイムに行きたい、福井まちなか・中華料理5選
旅に行くと「美味しいものを!」となると思います。が、毎日いつもと違うものばっかりだと「何か食べ慣れたものを食べたいよなぁ」と思うのは常。その食べ慣れたものの代表格が、日本人による日本人の舌に合った“中華料理”。
町中華から中国料理まで、ランチタイムに食べられる福井駅周辺の中華料理の味を、気が向いたときに堪能してください。あ、福井の人も是非! これを読んだら中華料理に行きたくなりますから。

宮田耕輔
福井のまちづくりをライフワークに、ギャラリーを運営し、まちあるきガイドを育成し、毎年映画を撮り、映画祭を開催し、時々超長文のブログを書いています。
https://fukuitown.fun

その1:極渋の町中華『上海亭』
極渋(ごくじゅう)という言葉がこれ程似合うお店はないでしょう。知っている人は知っているし、知らない人は多分知らない、片町にある『上海亭』。創業はかなり古く、多分戦前にはあったとされているそうです。店内も"ザ昭和"な空間で、今はお母さんと息子さんの2人で切り盛りをしていますが、長い長い年月を経た今、ゆっくりやっていきたいと思いつつも、今日も朝早くから暖簾を掲げています。
圧倒的に人気なのは「半チャンセット」1000円。ラーメンと半チャーハンですが、このチャーハン、常連さんに都会のどんな名店よりも美味しいと言わしめる味。確かに美味しいのです。かく言う自分も半常連化。意外なメニューとして豚天も好きです。
そして、多分注文をして出てきた料理に驚くであろうメニューが「冷やし中華そば」。いろんな細切りの具材が乗ったのをイメージするでしょう? 違います。その目で確かめてください。そして新しい感覚に驚いてください。
<上海亭>
営業時間:10:30〜18:30
定休日:日曜日、祝日休
その2:光るニクい演出『西遊記』
普通中華料理店だと「〇〇亭」や「△△軒」のような名前になるところ、それはイヤだと名付けたのが、誰もが知っている『西遊記』。登場人物に沿ったメニューもそれぞれに意味があるようにしているのがニクい演出。
その一つ「八戒丼」が一番わかりやすいかも。オリジナルのタレを作った丼は、もうここにしかない味。加えて四川風の辛いメニューもいろいろあるんです。汗をかくまではないけれど、辛みが旨味になっている絶妙な味付けも、これまたニクい演出です。
創業が今からちょうど40年前。その頃はエキマエに中華料理店が8軒ほどありましたが、ここだけが唯一残ったお店。それこそ高校時代にエキマエにあった『ピリケン』でバイトをしたところから中華料理の世界に入り、22歳でオープンしました。以前より「減らした」とは言いつつも、メニューのレパートリーはかなり豊富で、チョイスにかなり迷うお店。なので、たくさんの人数で行ってたくさんのメニューを注文するのがおススメです。
<西遊記>
営業時間:(昼)11:30〜14:00、(夜)17:30〜21:00
定休日:火曜日夜、水曜日
その3:ホテルで優雅に『四季彩中華シノワ』
「ホテルに中華料理がある」というのは、実は福井県下のホテルでは唯一となる、『ホテルフジタ福井』5階にある『シノワ』さん。ちなみにこの名前は、フランス語で「中国の」という意味で、フランス料理店のようなサービスで中華料理を楽しんでもらおうという思いが込められています。一品ずつ優雅な時間の中で中華料理をいただくその裏で、料理長の腕は“驚速”! 料理を作る手さばきが素晴らしいと、スタッフは驚嘆しているそうです。
ホテル内にある、ということは、中華料理のパーティーや宴会プランができるということ。確かにビュッフェ形式で中華料理のパーティーって見たことないな…。もちろん大人数だけでなく、少数(2~6人)のフリーオーダープランも。でも! このプランは女子会のみ! 女性の特権が、中華で、ホテルで、楽しめるのです。何故女性のみって? ここはホテルです、中華を優雅にいただくのです。男性は荒々しく、もりもり食べるじゃないですか(笑)。
地元の野菜をふんだんに使った、台湾系の味付けの『シノワ』さん、おススメを聞いたら「石焼き天津飯」と「エビチリ」と「牛肉とピーマンの細切り炒め」だそうです。普段見ることのない角度から見える福井の街並みと一緒に、ちょっと雰囲気の違う中華料理を楽しんでください。あ、あくまでも優雅に、ですよ(笑)。
<四季彩中華シノワ >
営業時間:(昼)11:30~14:30、(夜)17:30~21:00(※休日は17:00~)
定休日:無休
その他:席数(150席)、個室あり、宴会(40人まで可能)
その4:無難こそ無敵『ピリケン』
自分が物心ついたときには『ピリケン』=中華料理のお店、という認識でしたが、食堂として開業したのは大正10年、さらにその以前にも様々なお仕事をされていたので、創業期としては100何十年前という、飲食店としては老舗中の老舗です。わかる範囲で言えば、昭和35年に建てられたビルには、和洋中のコックさんがいたそうです。
確かに、これまでいろんなお店に取材に行ったときに、「ピリケンが食堂だった時代に修業していた」という人にも出会ったことがあります。そのお店を取材したのも、メニューに「ソース玉子カツ丼」があったから。それも、ソースカツ丼が登場する前に存在していた、ということだったので、二度驚きでした。
つまりですね、『ヨーロッパ軒』の初代・高畠増太郎さんがウスターソースをドイツで見つけ、日本に持ち帰ったのが明治45/大正元年、その翌年にソースカツ丼を考案しています。時代的にも近く、ちょうどこの頃に日本にはウスターソースがやってきているわけです。そしてカツ丼と言えば玉子カツ丼が当たり前だった時代に、『ピリケン』の初代は新しい調味料・ウスターソースを使った、というのもうなずける話。そしてそして、その魂は現代にも残っていて、『ピリケン』さんの別業態『めん房つるつる』の玉子カツ丼には、うっすらウスターソースを使っているのです。それに気づいたお客さんもいるようで。うーん、食の歴史は深くて面白い!
超閑話休題(笑)。中華の話ですよね。そう『ピリケン』は既に中華料理店としてその地位を確立し、「焼き鳥ではなく『秋吉(正しくは吉の上が「土」の字)』」、「ラーメンではなく『8番』」と同じように「中華ではなく『ピリケン』」と化しているのです、福井では。この感覚、福井あるあるです。
“ガチ中華”のようにスパイスが強調されているのでもなく、油ギッシュなイメージもなく、マイルドに、老若男女が食べられる、つまりファミリー全員で食べに行けるお店、なのです。一言で言えば「無難」。こう書けばネガティブにも聞こえますが、無難ほど無敵て最強なのはない、のです。誰からも愛される味、何か無性に食べたいと思う味、これがポジティブな意味での「無難」です。
100年以上続く『ピリケン』は中華という顔でありながら、その根底に流れているのは「食堂」の魂。だから柔軟にメニューを作り出すことができます。登場以来人気の「ガーリックチャーハン牛ステーキのせ」も、食堂、和洋中レストランという歴史があるからこそのメニュー。
無難とは無敵、無難こそ最強、というのを、味をもって教えてくれるお店なのです。
<ピリケン 本店>
営業時間:11:00~21:00(月~金曜は15:00~17:00休み)
定休日:基本無休、元旦など不定休あり
その他:席数(300席)、駐車場(40台)
その5:中華ではなく中国『来々軒』
福井の飲食店を取材していくと、ある意味街の歴史にもつながって行くから面白いものです。『来々軒』さんは日本で一番最初にできた東京の中華料理店から名前を借りて90年前にできた“支那そば”のお店。ここが原点、かと思いきやさらに遡り、大正時代にはお惣菜のお店をしていた、と言われています。
今回は中華料理店のお話なのでこの支那そばの小さなお店から、になりますが、支那そばも名物ではありつつも、やはり食堂からのスタートだったりします。それでもラーメンが珍しく、昭和42年には現在のビルを建て、中華料理、もとい、中国料理のお店になっていきます。
ここで一つ。中華料理と中国料理の差って何でしょう? 明確な定義はないのですが、イメージするには「ラーメンとかチャーハンとか主食がメインのお店」か「一品料理がメインのお店」か、ってことでしょうか。そうなるとこちらは昭和42年からその方向性でお店作りをしてきました。
当時のメニューとかを見せてもらいましたが、料理の数が半端ない(汗)。それくらい、高度経済成長期には需要があった、ということでしょう。それくらい、当時の日本はかなり裕福だった、ってことでしょう。
もちろん今も高級食材を取り扱ってもいますし、お客さんはリピート率が異様に高いお店です。そしてメニューには偏りがなく、まんべんなく注文があるそうです。つまり多くのリピートのお客さんが、それぞれ気に入っている料理を注文している、ということです。
中国料理店としての矜持、歴史を踏まえた“変わらない勇気”、それでも時代に合わせる柔軟性がこのお店にはあります。その一つがメニュー。実は中国料理特有の漢字表記ではありません。すべて日本語です。だから今回食べた「ワッタンハーヤンハン」が何かは、お店でメニューを見て当ててみてくださいね。
<来々軒>
営業時間:(昼)11:30~14:30、(夜)17:30~21:30(LO:20:30)
定休日:火曜日
その他:席数(150席)
























