ポーランドの器と越前漆器が並ぶお店。越前市「しろうるし」
ポーランドの器と、福井の漆器。遠く離れた国で生まれた2つの器が並ぶお店が、越前市粟田部町にあります。
「しろうるし」の店内には、ひとつのテーブルを囲む5席だけ。ここから思いがけない出会いが生まれます。

nm(なむ)
福井生まれ福井在住のnm(なむ)です。カフェ・美術館・風景を中心に、福井の豊かな文化や自然、人々の魅力を発信しています。記事を通して、福井の楽しさを皆様にお届けできれば嬉しいです。
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「しろうるし」ってどんなお店?
越前市粟田部町にある「しろうるし」。
大きなガラス窓から店内をのぞくと、色とりどりのマグカップがずらりと並んでいます。

店内に並ぶのは、ころんとした形と鮮やかな絵柄が目を引くポーランドの陶器「ポーリッシュポタリー」と、店主・畑さんのお父さまが手がけた越前漆器です。

異なる国で生まれた2つの器が並ぶ、小さなお店。
今回、畑さんにお話を伺ってみると、そこには器だけではない「しろうるし」の魅力がありました。
色も柄もさまざま。ポーランドからやってきた「ポーリッシュポタリー」
店内に入って、まず目を奪われるのが、壁一面に並んだポーリッシュポタリー。
花やドットなど、一つひとつ異なる絵柄が施され、眺めているだけでも楽しくなります。
店内に並ぶポーリッシュポタリーは、畑さん自身がカタログを見ながら選んでいます。

ポーリッシュポタリーとの出会いは、思いがけない巡り合わせから始まりました。
きっかけは、畑さんのご主人が「越前市を訪れた海外の方をおもてなししたい」と交流を始めたこと。
その中で出会ったポーランドの方との縁がつながり、現地の工房を紹介してもらうことになったそうです。
こうした人との縁が、しろうるしに並ぶポーリッシュポタリーへとつながっています。

同じように見えて、同じものはひとつもない
ポーリッシュポタリーの魅力は、豊富な柄だけではありません。

ポーリッシュポタリーの伝統的な絵付け方法は、スポンジ状のスタンプを使ったものです。
ひとつずつ模様を押していくため、同じデザインでも位置などに少しずつ違いが生まれます。
さらに、職人の技術によるハンドペイントの器もあります。

店内を見渡してみると、伝統的な柄から、花柄、かわいらしいモチーフまで実にさまざま。
一つひとつ眺めていると、私もすっかり夢中になり、お気に入りのものを購入しました。
筆者が購入したポーリッシュポタリー
並んだ器を見ていると、思いがけない柄が選ばれることもあるそうです。
畑さんは、「どの子(マグ)にも、求めている人がいるんだなと思います」と話していました。
人の数だけ、好きなものも違う。
ずらりと並んだ器の中から「これだ」と思えるひとつを探す時間も、しろうるしでの楽しみです。
ポーランドの器と、福井の漆器
カラフルなポーリッシュポタリーと一緒に店内に並んでいるのが、越前漆器です。
こちらはすべて、「現代の名工」に選ばれた漆器職人で、畑さんのお父さま・大久保隆三さんが手がけたもの。

店名の「しろうるし」も、お父さまが好んでいた「白漆」に由来しています。
畑さんには、漆器を販売するだけではなく、もっと気軽に漆器を目にしてほしいという思いがあります。
実際にカフェでお茶をいただく際にも、漆塗りのプレートや器とポーリッシュポタリーを組み合わせて提供しています。
漆塗りのプレートとポーリッシュポタリー
ポーランドの鮮やかな器と、日本の漆器。
一見すると意外な組み合わせですが、深いコバルトブルーと落ち着いた漆器を合わせてみると、不思議なほど自然に馴染みます。
しろうるしでは、カフェで過ごす何気ない時間が、福井の伝統工芸に触れるきっかけにもなっています。
「今日はどこの国?」世界を旅するような焼き菓子
器と一緒に楽しみたいのが、店頭に並ぶ焼き菓子と飲み物。
しろうるしでは、コーヒーや紅茶、抹茶などの飲み物を楽しめます。

毎週金曜日には「Voyage Blue」さんによる世界各国の焼き菓子が届きます。
「Voyage Blue」さんが手がけるのは、ヨーロッパやアジアなど、世界各地で親しまれてきたお菓子です。
お菓子のパッケージには、その国やお菓子についての小さな解説も添えられています。

「今日はどこの国のお菓子だろう?」
そんな楽しみ方ができるのも、しろうるしならではです。

カフェでは、飲み物に合わせて、畑さんがポーリッシュポタリーを選んでくれます。
どんな器で運ばれてくるのか。
待っている時間まで、少し楽しみになります。
テーブルひとつ、5席だけだからこその繋がり
しろうるしの店内の席は5席。
ひとつのテーブルをみんなで囲みます。

畑さん自身、店を始めた当初は、ひとつのテーブルを囲む距離の近さに不安もあったそうです。
しかし今では、初対面の方同士でも、器選びをきっかけに自然と会話が生まれます。
小さな空間だからこその距離の近さが、しろうるしならではの魅力になっています。
器を見に来た、その先の繋がり
色とりどりのポーリッシュポタリーに惹かれて訪れるのもよし。
越前漆器に触れたり、世界のお菓子と一緒にお茶を楽しんだりするのもよし。
そして、その先で思いがけず誰かと言葉を交わすことがあるかもしれません。

私自身、取材で畑さんとお話しするうちに、気づけば話はお店のことからお互いのことへ。
あっという間に2時間が経っていました。
取材に訪れた私もまた、しろうるしで生まれる会話の心地よさを感じた一人です。
器との出会いの、その向こうに、人との出会いがある。
「しろうるし」は、そんな時間を楽しめる小さなお店でした。
しろうるし 店舗情報
住所:福井県越前市粟田部町34-30(ミドリ写真舘横)
営業時間:10:00〜16:00
定休日:月曜日・不定休あり
電話番号:0778-43-0351
駐車場:5台
座席:5席(テーブル1卓)
※写真館と兼業しているため、営業時間が変更になる場合があります。
詳しくは、しろうるしのInstagramまたは電話でご確認ください。














